IT関連の職業の中では、年収が低いと言われている「社内SE」。
現在、社内SEとして働いている方の中には「その通りです」と共感している方もいるのではないでしょうか？しかし実際は、そこまで年収が低いわけでもなさそうです。
そこで本記事では、社内SEの平均年収について詳しくご紹介します。
日本の社内SE全体における平均年収はもちろん、気になる大手企業の平均年収もご紹介。年収アップを目指している方に向けてキャリアパス・キャリアプラン例も解説しますので、ぜひ参考にしてみてください！

 

社内SEの平均年収

社内SEの平均年収は約500万円程度が相場となります。国税庁が実施した「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均年収は約433万円であるため、全職種の中では比較的高い傾向があるようです。
ただし、社内SEは勤務する企業や必要なスキルによって、年収が変動しやすく、年収350万円程度から900万円以上もらえる企業まで幅広いのが特徴です。
社内SEにおける平均年収の実態をさらに深く知るために、SNS上から意見や求人をピックアップしたので、ぜひこちらも参考にしてみてください。

「社内SEは給料低い」と言われることがあります。

それって人事は低い、経理は低いと言うのと同じ。
同じ人事でも5大商社と中小企業じゃ大差があり、社内SEも同じ構図です。

社内SEの平均年収485万円（転職会議調べ）。でもこの数字に意味ありますか？https://t.co/IJLpCRSN4K#社内SE #平均年収

— nico｜私立大学職員×ITエンジニア (@tedroooid) July 18, 2022

りらいあコミュニケーションズ株式会社<社内SE（ビジネスIT）/三井物産グループ/残業少なめ/リモートワーク可>
正社員（中途）
東京都
想定年収480万円～650万円
月給29万円～＋残業手当…https://t.co/LHBKP5rvei@it_navi

— IT転職ナビ (@it_navi) July 18, 2022

ＴＤＫ株式会社　テクニカルセンター<社内SE／海外関連会社へのIT環境(Microsoft365)の展開・運用◆リモートワーク◆東証プライム上場>
正社員（中途）
千葉県
想定年収：470万円～900万円
月給：25万円～50万…https://t.co/Nn7cDRW2w9@it_navi

— IT転職ナビ (@it_navi) July 17, 2022

 

就職する企業の業界や規模によって年収は大きく変わるようですが、平均的な数値で言えば400後半〜500万円程度となります。
また勤務する地域によっても年収が変動しやすく、東京都の求人は比較的高額な条件であるのに対し、地方の求人は給与水準が低いようです。

・青森県での半導体メーカーの社内SE職の求人
・残業：10h、転勤無しはプライベートを重視する人にはgood!
・想定年収：288万円～368万円と厳し目…
【地方で社内相手にまったり働きたいなぁ】という方は↓のリンク先から詳細をチェック👍https://t.co/EtbcjpXiyD

— ゆずまる (@2PwKVVihaw4Wzpg) July 21, 2022

・大手企業における社内SEの平均年収

高額報酬に期待できる大手企業勤務の社内SEの平均年収をご紹介します。
なお、ご紹介する大手企業は以下の6社です。

• ソフトバンク
• ニトリ
• リクルート
• 住友不動産
• 任天堂
• キーエンス

実際の求人から、それぞれの企業における平均年収を調査した結果が以下の通りです。

企業名	業種	平均年収
ソフトバンク	情報・通信業	約750万円
ニトリ	製造・物流・IT・小売業	約690万円
リクルート	サービス業（人材関連）	約800万円
住友不動産	不動産業	約600万円
任天堂	サービス業（ゲーム・玩具関連）	約650万円
キーエンス	半導体・電子・電気機器	約1000万円

ご紹介した6社の中では、半導体や電気機器、精密機器などの開発・製造販売を行う「株式会社キーエンス」が最も高い結果になりました。この結果から、専門性や高い技術が必要となる分野の方が社内SEの報酬も高くなるようです。

 

【目指せ年収アップ】社内SEのキャリアパス・キャリアプラン

一般的に日本人の平均的な年収より報酬が高いとされる社内SE。しかし中には「今の年収では満足できない！」という方も多いのではないでしょうか？
そこで、現状から年収アップするためのキャリアパス・キャリアプランの例を紹介します。自身のスキルや希望する職種に応じて、最適なプランを考えてみてください！

・社内SEとして他の企業に転職

現状の給与に満足していない場合、より待遇の良い企業に転職するのも1つの選択肢です。とくに、大手企業や都心に位置する企業は比較的年収が高い傾向があるため、転職先の候補として挙がりやすいといえます。
大手企業では大規模な社内システムを利用していることも多く、管理や維持に人手が必要となるので、幅広い業界から多数の求人が掲載されています。ただし大手企業に勤めるには学歴や相応のスキルなどが必要でライバルも多いため、簡単な道のりではないようです。
なお、大企業の場合、以下のように担当する分野・領域が分けられていることもあります。

• 社内システムの企画や開発、保守を担当する「アプリケーション部門」
• サーバーやネットワーク環境の構築、運用・保守、セキュリティを担当する「インフラ部門」

今後どのようなスキルを身につけ、どのようなポジションに就きたいかといった自身の要望から最適な業務を行える企業を探しましょう。

・マネージャーにキャリアアップする

社内SEからマネージャーへのキャリアアップを目指すのも、年収をアップさせるために有効な方法といえます。
大企業の場合、アプリケーションやインフラといった部門ごとにマネージャーのポジションが用意されているのが一般的です。
一方、中小企業の場合では社内SE全体の中でマネージャーが選ばれます。企業によってはそもそもマネージャーというポジションがないケースもあるようです。
マネージャーにキャリアアップできれば年収アップにも期待できますが、実績はもちろん、コミュニケーションスキルやマネジメントスキル、予算管理スキルなど幅広い能力が必要となります。
ポジションの枠も限られているため、狭き門であるのは間違いないといえるでしょう。

・専門分野のエンジニアになる

社内SEとしての経験を活かして専門分野のエンジニアへ転職することで、年収アップできるケースもあります。候補となる職種としては以下のような例が挙げられます。

• ネットワークエンジニア
• サーバーエンジニア
• アプリケーションエンジニア
• テクニカルサポート　など

上記のようにマネージャーのような総合的なスキルではなく、自身の得意な分野・領域に特化していくことで、高収入を実現できることもあります。
さらに、人材不足が深刻化しているAIやデータサイエンス、AR/VR、ブロックチェーンなどの先端技術に精通している人材を目指すことで、多くの企業が好条件で欲しがる需要の高いエンジニアになれるでしょう。

・企画部門への配属を目指す

社内システムの企画立案を行う部署や企業への異動を目指すのも年収アップに期待できる手段です。
企画部門では技術的なスキルよりも知識と経験が重視されます。なお、必要な知識としては以下のようなものです。

• 社内SEの業務に関するスキル・知識
• 経営戦略に関する知識
• 会計に関する知識
• 予算管理に関する知識　など

基本的な社内SEの業務の中では、習得しづらい知識も多いため、マネージャー職からのキャリアアップやITコンサル経験のある方が有利です。
「ゆくゆくはCIO（最高情報責任者）を目指したい！」といった野望がある方は、まずは企画部門で経験を積むのもよいかもしれません。

・フリーランスとして独立する

知識やスキル、経験に自信があるのであれば、フリーランスとして独立するのもおすすめです。
フリーランスエンジニアの場合、会社から給与を受け取るのではなく、業務委託や請負などといった契約を交わすのが一般的となります。
出社する必要がなく勤務時間も自由に働けるだけでなく、本人の能力次第では、会社勤めより大幅に年収アップできるのも大きな魅力です。
ただし、エンジニアとしての幅広いスキルはもちろん、税金に関する知識や自身を売り込む営業能力など、会社員時代には必要なかったスキルや能力を求められるケースもあります。

まとめ

一般的な日本人の平均年収より高額な報酬に期待できる「社内SE」。
多くの企業に求められる職種なのは間違いありませんが、その分報酬も幅広いため条件に合った勤務先を見つけることが重要です。
自身の目指すポジションや業務に就けるよう、企業から求められているスキルを身につけるだけでなく、基本的なエンジニアとしての能力をアップデートしていきましょう。