ITストラテジストの試験 | 難易度、勉強時間、過去問など詳しく解説

  • 2023/2/13
  • ITストラテジストの試験 | 難易度、勉強時間、過去問など詳しく解説 はコメントを受け付けていません

ITストラテジストとは、情報処理推進機構(IPA)が運営する国家資格の一つで、エンジニアとしての経験と知識、スキルを証明できる資格です。

ただ、最難関の資格と言われるITストラテジスト試験を受けるに際して、その仕事内容や試験の難易度などが分からないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、ITストラテジストの役割や仕事内容、取得するメリット・デメリット、試験の難易度、過去問題まで有益な情報を解説します。また、ITストラテジスト試験に合格した方からリアルな意見やこれから受験される方へのアドバイスなどもご紹介します。

 

ITストラテジストの仕事内容

 

ITストラテジストは、経営者目線で取り組む仕事です。

企業の経営戦略に基づき、高度なIT技術を用いて事業改革、高度化、最適化を目指します。具体的な仕事の範囲は以下のとおりです。

  • 経営者目線でシステム開発を事業計画の段階から主導または参画してIT戦略を立案する
  • 事業戦略・IT戦略の策定、全体システム化計画・個別システム化計画の作成、モニタリングマネジメント、技術関連動向の分析と課題解決

昨今、業務のIT化を推進する企業が急増し、専門性の高いITストラテジストの需要が高まっており、人材不足の状況が続いている非常に市場価値が高い存在です。資格保持者は、主に次の企業組織に所属しています。

関連記事:「情シスにおすすめの資格7選|ジャンル別に取るべき資格をご紹介

事業会社の経営戦略や課題解決を実現するためのIT戦略部門

昨今は、企業の経営改善、業務の効率化による生産性向上というデジタルトランスフォーメーション(DX)時代における企業課題を高度なIT技術により解決することがテーマとなっています。

IT戦略部門に所属するITストラテジストの仕事例は以下のとおりです。

  • 管理会計を刷新し、データの視覚化を推進して課題の共有度を向上(経営改善)
  • パソコンで行う業務の自動化(ロボット化による業務の効率化)
  • MTG時のホワイトボードに記載した内容の写真共有アプリ開発(セキュリティ強化)
  • 請求書授受業務の電子(クラウド)化(業務の効率化)
  • システム操作マニュアルのクラウド(業務の効率化)
  • 人事・総務の社内窓口の統合(業務の効率化)

事業会社にビジネス改善を提案するコンサルタント業

ITストラテジストはITコンサルティングファームなどに所属し、クライアント企業のビジネス分析により課題の発見、改善策の提案をする貢献性の高い専門家です。

その仕事内容の例をご紹介します。

  • クライアントのすべての業務を棚卸して業務内容や流れを把握
  • 業務改善のための立案と優先順位、基幹システムの導入を提案
  • 全体計画書と改善策ごとの計画書を策定し、収益改善目標を提示
  • 業務改善の結果分析と評価をクライアントに提示

IT戦略部門、コンサルタント業共に事業会社全体の経営と業務の改善、効率化を計ることにより、生産性の向上を推進しています。

 

ITストラテジスト資格取得のメリット・デメリット

エンジニアの国家資格の最高峰である、ITストラテジストを取得するメリット・デメリットをチェックしておきましょう。

メリット

ITストラテジストの資格を取得するメリットは次の4つです。

  • ITストラテジスト試験は、情報処理推進機構(IPA)が運営する国家資格の中でも最高位のレベル4に相当する試験。取得することでITに関する高い知識を保有する人材と認識され客観的に高い評価が得られる。
  • 求人の需要が高く昇進、転職、独立する際に有効な武器になる。
  • 日本ITストラテジスト協会(JISTA)に正会員として入会でき、IT資格のなかで唯一厚労大臣から弁護士、公認会計士、医師、技術士などと並んで「専門知識を有する労働者」に指定。労働基準法において特例扱いとされ「高度プロフェッショナル制度」を導入している企業でも待遇的に有利になる。
  • 受験資格は年齢、学歴、経験など特に設定されていないので、誰でも受験できる

デメリット

ITストラテジストの資格を取得するデメリットは次の2つです。

  • 国家公務員総合職採用試験と同程度の難易度と言われており、合格者の平均勉強期間が2年間、合格率は15%未満とIPAのレベル4の試験のなかでも最難関の資格試験。
  • 学習範囲がテクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系、経営にかかわる業務分析系と広く、試験の科目によっては論文形式で解答できる能力が必要。

 

ITストラテジスト資格試験2023の試験日など概要

ITストラテジスト資格試験の概要は以下のとおりです。

試験科目 試験内容・範囲、合格ライン
午前Ⅰ(※1)

■高度試験-共通知識

■四肢択一式30問

(50分間)

■テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系

■60点以上/100点で合格

午前Ⅱ

■高度試験-専門知識

■四肢択一式25問

(40分間)

■テクノロジ系:技術要素-セキュリティ

■ストラテジ系:システム戦略-システム戦略・システム企画、経営戦略-経営戦略マネジメント・技術戦略マネジメント・ビジネスインダストリ、企業と法務-企業活動・法務

■60点以上/100点で合格

午後Ⅰ

■記述式(50字程度)

■4問中2問

(90分間)

■架空の企業の業種や特徴、経営や業務の課題に関する説明文を読んで設問に文書で解答

■60点以上/100点で合格

午後Ⅱ

■論述式(2000~3000字程度で論述)

■3問中1問

(120分間)

■業種ごとの事業特性を反映し情報技術を活用した事業戦略の策定または支援

■上記の情報システム戦略・全体システム化計画の策定

■上記の個別システム構想と計画の策定

■Aランク/A、B、C、Dランク(Aランクのみ合格)

※1 午前Ⅰ試験は以下の条件を満たす方は、受験申請時に事前申請することで免除されます。

・応用情報技術者試験の合格者

・高度情報処理技術者試験または情報処理安全確保支援士試験の合格者

・高度情報処理技術者試験または情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点を獲得した方

申込期間:毎年1月中旬~末頃(2023年は1月16日~ 2月2日17時まで)
試験日:毎年4月の第三日曜(2023年は4月16日9:30~16:30まで)
申込方法:原則インターネット申込みのみ(はじめにIPAでマイページアカウントの作成が必要)
受験料:7,500円(税込)

参考:ITストラテジスト【試験日】合格率や難易度 | 資格の一覧 JQOS.jp

ITストラテジスト試験の過去問題

ITストラテジスト試験は各試験で基準点を取れないと、次の試験は採点されない仕組みです。以下に過去問題のリンクを掲載しているので、繰り返し解いてみましょう。

午前Ⅰ:問題解答

午前Ⅱ:問題解答

午後Ⅰ:問題解答講評

午後Ⅱ:問題解答講評

参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:過去問題

 

まとめ

ITストラテジストの試験は、IPAの高度試験のなかでも最高峰のレベルであり、IT技術者国家資格の集大成として位置づけられています。資格を持つことは、エンジニアとして社内での立場や転職でも非常に有利になります。

最難関の資格ではあるものの、合格者の最年少は18歳、最年長は70歳という事例もあるため、ご自身の技術や知識の棚卸しをしたい、IT業界でキャリアアップして次のステージに進みたい方は、ぜひ取得を検討しましょう。

 

情シス特化の転職サービスなら情シスCareer

ITストラテジスト試験に合格後、情シスへの就職・転職を検討される方におすすめしたいのが、情報システム部門に特化した転職サービスを提供している「情シスCareer」です。

現役のコンサルタントである「情シスキャリアアドバイザー」が無料で親身にサポートを行い、入社後の継続的なサポート体制も整っています。

「転職したい」と考えている方、「まずは自分に合いそうな求人情報を収集したい」という方でも利用可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

>>「情シスCareer」へのお問い合わせはこちら<<

関連記事

情シス求人

  1. 登録されている記事はございません。
ページ上部へ戻る