情報処理推進機構（IPA）が運営するITエンジニアの国家資格である「情報処理安全確保支援士」。その試験の難易度は、IT国家資格の中で最高のレベル4とされており、令和4年度の合格率も19.2%と狭き門となっています。

大企業の求人を見ると資格保持者の求人率が増加していますが、情報処理安全確保支援士の年収はいくらくらいなのかと疑問に思う方も少なくないでしょう。

そこで、本記事では情報処理安全確保支援士の年収について、上場会社の求人50件をランダムに抜粋し、最小・最大・平均年収、付帯要件をまとめました。

既に資格をお持ちの方、これから資格を取得しようとお考えの方もぜひ参考にしてください。

 

情報処理安全確保支援士の資格保持者の年収

まず、経済産業省が実態調査した全IT人材のレベル標準別平均年収について見てみましょう。

スキルレベル	年収の平均
1	439万円
2	499万円
3	576万円
4	726万円
5	938万円
6/7	1130万円

スキルレベル3から4、4から5、5から6または7にあがるところで平均年収額のレンジが広がっていることが分かります。

これら全IT人材の平均年収をベースに情報処理安全確保支援士の資格取得者を対象とした求人を比較してみましょう。

関連記事：「情シスにおすすめの資格7選｜ジャンル別に取るべき資格をご紹介」

 

情報処理安全確保支援士の年収相場

今回は、情報処理安全確保支援士の資格取得を必須条件または歓迎条件にしている上場会社50件の求人から年収を調査し、2種類のデータを求めました。

まず、調査した求人50件の平均年収、最低年収、最高年収は以下のとおりでした。

平均年収	最低年収	最高年収
535～930万円	360万円	1500万円

次に、年収額をスキル標準にあてはめて、以下の4つのグループに分けてグループごとの平均年収を求めました。

1. 資格は取得しているが経験と実績がないまたは少ない（レベル1～2）
2. 資格を取得して企業のセキュリティ部門で2年以上5年未満の経験あり（レベル3～4）
3. 資格を取得して企業のセキュリティ部門で5年以上10年未満の経験あり（レベル4～5）
4. 資格を取得して企業のセキュリティ部門で10年以上の経験あり（レベル6～7）

スキルレベル	IT人材 平均年収	支援士求人 年収レンジ	スキルレベル別平均年収 （求人件数）
1～2	439～499万円	360～550万円	465.71万円（35件）
3～4	576～726万円	551～750万円	653.1万円（21件）
4～5	726～938万円	751～1000万円	890.9万円（29件）
6～7	1130万円	1001～1500万円	1271.5万円（11件）

このデータから、スキルレベル4以上の情報処理安全確保支援士の資格取得者には、平均以上の年収額を設定していることが分かります。

参考：我が国におけるIT人材の動向｜経済産業省

情報処理安全確保支援士の年収実態をTwitter等で調査

情報処理安全確保支援士取ったとしても 今の会社なら 昇給 月3000円だそうです。年間で3万6千円です。転職検討しているセキュリティ関係の企業さんは 未経験OKで 月約30万です。 転職成功すれば単純計算で年収120万アップです。こう考えると勉強のやる気出る。 頑張ります。 引用：Twitter

 

転職活動で条件（リモート可で年収高め）が合いそうなところに、手当たり次第に受けてみたけど、箸にも棒にもかからなかったのが新めのIT企業。職種にもよるだろうけど40代でマネージャー経験ないって時点でほぼアウトで、情報処理安全確保支援士の資格があるから書類通った感じのところばかりだった。 引用：Twitter

 

現職：SE 年齢：20代後半 実務経験：実装、構築経験はほとんどない 保有資格：基本情報、応用情報、AWS SAA、情報処理安全確保支援士など 年収：450〜 希望：バックエンドエンジニアとして、技術力をつけたい。プログラムを書きたい。特にJavaで実装する機会があれば嬉しいです。引用：Twitter

 

やりたいこと：院内SE/社内SE(公共系含む) 勤務地：大阪・神戸周辺 希望年収：650万～ 転職時期：2020年9月末までには 年齢層：アラフィフ スキル/資格/語学：電子カルテ導入等/NW・SC・情報処理安全確保支援士登録 契約形態：常勤職員 GitHub： 派遣/SES：No引用：Twitter

Twitter転職のプロフィールで取得済み資格で増えたのが情報処理安全確保支援士です。資格を取得していることを評価してくれる会社に年収450万円〜650万円のレンジで転職したいという方が増えているように見えます。

 

情報処理安全確保支援士の仕事、企業・警視庁での役割

情報処理安全確保支援士の役割と仕事内容は次のとおりです。

1. 情報システムの脅威・脆弱性を分析して脅威から適切に回避し、防止するセキュリティ機能を企画・要件定義・開発まで推進または支援する
2. 情報システムやセキュリティ機能の開発プロジェクトでセキュリティ分析とプロジェクト管理と運用を支援する
3. セキュリティ侵犯への対処、セキュリティパッチの適用作業など情報システム運用プロセス上のセキュリティ管理作業を技術的に支援する
4. 情報セキュリティ管理部門でセキュリティポリシーの作成と利用者教育、保守管理を支援する

これらに加え、支援士は年1回のオンライン講習と3年に1回「実践講習または特定講習」を受ける義務があります。

参考：情報処理安全確保支援士（登録セキスペ）の受講する講習について｜IPA

 

情報処理安全確保支援士の資格試験2023の試験日など概要

情報処理安全確保支援士の試験概要と、過去問題免除制度について解説します。

試験の概要

試験日	春期：毎年4月第3日曜日（2023年4月16日） 秋期：毎年10月第2日曜日（2023年10月8日）
試験開始時間～終了時間	9:30～16:30
願書受付	春期：毎年1月中旬～末日前後（2023年1月16日～2月2日） 秋期：毎年7月中旬～末日前後
受験料	7500円（税込）

 

試験科目	時間と解答数 / 出題数	出題分野
午前Ⅰ 多肢選択式 (四肢択一)	9:30～10:20 （50分） 30問/30問	セキュリティ、ネットワーク、データベース、システム開発、ソフトウェア、サービスマネジメント、システム監査
午前Ⅱ 多肢選択式 (四肢択一)	10:50～11:30 （40分） 30問/30問
午後Ⅰ 記述式	12:30～14:00 （90分） 2問/3問	情報セキュリティシステムの企画、要件定義、開発、運用、保守、情報セキュリティの技術・運用・管理・法的要求事項
午後Ⅱ 記述式	14:30～1630 （120分） 1問/2問

参考：制度の概要：情報処理安全確保支援士試験｜IPA

情報処理安全確保支援士の過去問と解答、講評リンク

以下の過去問題リンクから、過去問題を解いてみましょう。

午前Ⅰ：問題、解答

午前Ⅱ：問題、解答

午後Ⅰ：問題、解答、講評

午後Ⅱ：問題、解答、講評

参考：過去問題（問題冊子・配点割合・解答例・採点講評）｜IPA 

情報処理安全確保支援士の試験の一部免除制度

午前Ⅰ試験は以下の条件を満たす方は、受験申請時に申請することで免除されます。

• 応用情報技術者試験の合格者
• 高度情報処理技術者試験または情報処理安全確保支援士試験の合格者
• 高度情報処理技術者試験または情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点を獲得した方

情報処理安全確保支援士の試験を受験した人・受験する人の感想

＜合格した人＞

情報処理安全確保支援士の登録は任意なので、他の試験と同様に試験に合格したという証だけ持っておくのはありなのではないでしょうか 引用：Twitter

 

遅くなりましたが、先日合格しました情報処理安全確保支援士試験の合格証書が届きました。 また、合格祝いに茶平工業通販で寿メダルを購入しました。せっかくなので自分の名前でプリントしてもらった😁 有名な記念メダル図鑑さんが同じことをされていましたのでマネしてみました😳 引用：Twitter

＜これから受験する人＞

そろそろ本格的に情報処理安全確保支援士の勉強始めるか〜と思って合格体験記漁ってる 資格勉強する中でこの時間が一番楽しい😂引用：Twitter

 

おはようございます☀ 昨日の積み上げ: 情報処理安全確保支援士試験準備 過去問道場　通算17回分 昨日は2回分 最近正解率80% 三好本で認証の章詰め込み まさるのYouTube 動画 シラバス　読書 午後2-2 h31春　問題読書 合格得点分布分析 合格者約3000人（上から 午前2 75 午後1   70 午後2 60 引用：Twitter

 

まとめ

情報処理安全確保支援士の年収について、企業の求人50件をサンプルにデータを収集して実態を見てみると、資格取得者の年収はIT人材の平均よりも上でした。また、需要が高まっていることも求人の多さから確認できました。

合格者の体験談をいくつか見てみると、共通するのは過去問題を解くことで足りない知識をあぶりだし、そこを重点的に勉強すると自信がつくそうです。

ぜひ、情報セキュリティに興味がある方は情報処理安全確保支援士の資格取得にトライしてみましょう。

 

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