テクノロジーの発達により、スマホやタブレットなどのモバイル機器を使って、自宅で簡単に買い物ができるようになりました。
誰でもスマホ1つで手軽に商品の価格、性能を比較ができるようになり、徐々に消費者の行動が変化しています。
本記事では、ショールーミング、ショールーミングストアの概要説明に加え、現在注目されているショールーミングストアの国内事例を3つご紹介します。
この記事の目次
ショールーミングとは?
ショールーミングとは、商品購入において消費者が起こす購買行動です。
まずはショールーミングの概要、対象となりやすい商品、ショールーミングへの対策について解説します。
ショールーミングの概要
ショールーミングとは、実店舗で欲しい商品を確認した後、ネットで購入する消費者行動のことです。
少しでも安く手に入れたい消費者は、価格の安い傾向にあるネットでの購入を行います。
ネットだけでは商品の大きさやデザインが確認しにくいアパレル、ネットと実店舗で価格差の大きい電化製品がショールーミングの対象になりやすいと言われています。
店舗の経営者としては売り上げをネットに奪われてしまうため、ショールーミングへの対策を考えなければいけません。
ショールーミングは脅威ではありますが、うまく適応することで売上を伸ばすチャンスでもあります。
具体的な対策として「O2Oの展開」「オムニチャンネルの展開」「ショールーミングストアの設置」が有効です。
その中でも「ショールーミングストア」が現在注目されており、高島屋やGUでも展開されています。次項にて「ショールーミングストア」について、詳しく解説していきます。
ショールーミングストアとは?
ショールーミングストアとは、商品の試着に特化した店舗のことです。
詳しい内容をみていきましょう。
ショールーミングストアの概要
ショールーミングストアとは、商品を実際に触って確認する場として定め、商品販売を行わない店舗のことです。
ショールーミングを行う消費者に適応するため、商品の販売ではなく、商品の試着や実物を確認することに特化した店舗となります。
商品の購入はECサイトやアプリで行い、後日自宅に商品が届く形となります。
通常の店舗と違い、商品を持ち帰る必要がないので、荷物を気にする必要もありません。
ショールーミングストアのメリット
企業がショールーミングストアを設置する3つのメリットについて解説します。
メリット1 : 人件費の削減
通常の店舗では、在庫管理、商品の発注、陳列、接客、会計など多くの業務がありますが、ショールーミングストアでは在庫管理、商品販売を行わないため、通常店舗よりも少人数のスタッフでの運営が可能です。
メリット2 : 顧客ロイヤルティの向上
上述の通り、ショールーミングストアのスタッフの主な仕事は接客。
顧客1人1人に余裕を持って接客ができるため、顧客ロイヤルティを高めることができます。
自社のファンを増やすことで継続的な売上アップにもつながります。
メリット3 : 在庫の削減
ショールーミングストアでは商品販売を行わないため、陳列する分の在庫があればよく、在庫を多数持っておく必要がありません。在庫を持たないため、在庫を置いておく場所も必要ありませんし、管理するスタッフも不要となります。
ショールーミングストアの国内事例
高島屋
2022年4月に高島屋グループがショールーミングストア「ミーツストア(Meetz STORE)」をオープンしました。
約60ブランドを取り扱い、ミーツストア専用のECサイトを用意。ミーツストアで商品を購入するときは、商品についているQRコードを読み込み、専用ECサイトでの購入となります。
本店舗では「ソーシャルギフト」といった高島屋に今までになかったサービスに対応。この「ソーシャルギフト」を使えば、SNS上でつながっている住所を知らない相手にも気軽にギフトを送れます。
SNSをよく使用するZ世代、若者をターゲットにしたサービスとなり、百貨店になじみのなかった顧客の開拓につながっています。
参考:https://www.fashionsnap.com/article/2022-04-28/takashimaya-meetz-store/
GU
2018年11月には、GUがファッションを気軽に楽しめることを目的としたショールーミングストア「GU STYLE STUDIO」をオープンしました。
本店舗の特徴は、店内に設置されたデジタルサイネージ「GU STYLE CREATOR STAND」と公式アプリ「GU STYLE CREATOR」です。
「GU STYLE CREATOR STAND」で自身のアバターを作成し、サイネージに登録されているGUのアイテムを選択することで自由にコーディネートを楽しめます。ほしいと思った商品は、サイネージから公式アプリ「GU STYLE CREATOR」に連携でき、そのままオンラインストアで購入できます。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000056.000011182.html
ZARA
早い時期からショールーミングに対応した企業として、ファッションブランドの「ZARA」が挙げられます。
「ZARA」は2018年に六本木に期間限定のショールーミングストア「ZARA ROPPONGI POP-UP SHOP ONLINE」を展開したことが話題になりました。
本店舗では商品販売は行わず、専用のアプリでバーコードをスキャンしてECサイトでの購入が可能です。
「全16室の試着室」「試着したい商品はバーコードを読み込むだけで試着室に用意」「専用アプリで試着室の予約」など試着に特化したショールーミングストアならではの仕組みとなっています。
参考 : https://netshop.impress.co.jp/node/5440
まとめ : ショールーミングストアは店舗とECサイトをミックスした次世代型店舗
ショールーミングはネットでの買い物が当たり前となった現代において、自然な消費者行動です。
今後もショールーミングは増加の一途を辿ることが想定されるため、企業としては上手く適応していくことが求められています。
ショールーミングを脅威として捉えるのではなく、高島屋やGUのように店舗とECサイトを上手く融合させることで売上アップのチャンスとなります。
ぜひショールーミングストアの設置を検討してみてはいかがでしょうか。
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