システムアーキテクトの年収は?仕事内容および必要スキル、適性も解説

  • 2023/3/13
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システムアーキテクトは、ITシステム全体のグランドデザイン設計や開発フレームワーク策定などを主導するエンジニアを対象とした情報処理技術者試験です。システムアーキテクトの資格取得を考えている方にとっては、年収や仕事内容などが気になるのではないでしょうか。
そこで本記事では、システムアーキテクトの概要や年収、仕事内容、取得メリットなどを解説していきます。

 

システムアーキテクトとは?

はじめに、システムアーキテクトの概要および仕事内容を解説します。

システムアーキテクトの概要

システムアーキテクトは、情報処理推進機構(IPA)が主催している情報処理技術者試験の1つです。情報処理系の国家試験であり、ネットワークスペシャリストやエンベデッドシステムスペシャリストなどと並んで、高度な知識・技能を測る資格です。
試験は年に1回春期に実施され、合格率は約17% (令和3年度)であることから、およそ6人に1人が合格するという狭き門になっています。

試験時間や出題形式は下表のとおりです。

午前Ⅰ 午前Ⅱ 午後Ⅰ 午後Ⅱ
試験時間 9:30~10:20

(50分)

10:50~11:30

(40分)

12:30~14:00

(90分)

14:30~16:30

(120分)

出題形式 多肢選択式

(四肢択一)

多肢選択式

(四肢択一)

記述式 論述式
出題数

解答数

出題数:30問

解答数:30問

出題数:25問

解答数:25問

出題数:4問

解答数:2問

出題数:3問

解答数:1問

参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:システムアーキテクト試験

 

システムアーキテクトの過去問と解答、講評リンク

システムアーキテクトの過去問と解答、講評リンクを以下に掲載します。
受験する際は、事前に以下のリンクから過去問題を解いておくとよいでしょう。

午前Ⅰ:問題、解答
午前Ⅱ:問題、解答
午後Ⅰ:問題、解答、講評
午後Ⅱ:問題、解答、講評

参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:問題冊子・配点割合・解答例・採点講評(2022、令和4年)

 

システムアーキテクトの仕事内容

システムアーキテクトの主な仕事内容としては、以下が挙げられます。

  • ITシステム全体のグランドデザイン設計
  • 開発方針の決定や開発手順のフォーマット定義
  • 開発者の指導、育成
  • アプリケーションのフレームワーク策定やインターフェース策定

上記より、システムアーキテクトは全社的な視点でITシステムを設計したり、開発方針やフレームワークを策定したりする立場です。また、開発者の指導・育成も行うため、豊富な経験を積んだエンジニアが務めるポジションであると言えるでしょう。

 

システムアーキテクトの年収

どの職種にも言えることですが、システムアーキテクトの年収はそれぞれの経験やスキル、所属会社などによって異なるため、一概には断定できません。そのうえで、経済産業省の調査によると、システムアーキテクトの平均年収は778.2万円となっています。
他のIT職種で近い年収としては、ネットワークスペシャリストやデータベーススペシャリストの758.2万円が挙げられます。IT職種のなかでは、システムアーキテクトの年収は高水準であると言えるでしょう。
より高水準なIT職種としては、コンサルタント(928.5万円)やプロジェクトマネージャー(891.5万円)などが挙げられます。

出典:経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果

 

システムアーキテクトを取得するメリット

本章では、システムアーキテクトを取得するメリットについて、以下の2点を解説します。

  • ITシステム全体を俯瞰する立場として働ける
  • 昇進や昇給を目指しやすい

ITシステム全体を俯瞰する立場として働ける

システムアーキテクトは、単一のシステムにとどまらず社内全体のシステム設計に携わることができます。また、経営戦略やIT戦略といった上位方針を基に、社内のITシステムを最適化するためのシステム方式の選定やインターフェース策定なども実施します。
そのため、社内のIT部門のなかでも上位者の立場でシステム全体を俯瞰することが可能です。


昇進や昇給を目指しやすい

システムアーキテクトは取得難易度の高いIT国家資格であるため、取得することで社内の高度IT設計者としての認知獲得が期待できます。システムアーキテクトは立場上、社内のIT戦略策定やITシステム全体の統括に関わることもあり、IT責任者としての昇進や昇給を目指しやすいポジションであると言えるでしょう。
加えて、システムアーキテクトを取得していれば、社内だけでなく社外への転職時にもアピールできます。

 

システムアーキテクトに求められるスキルや適性

システムアーキテクトに求められるスキルや適性としては、主に以下の3点が考えられます。

  • 経営視点でITを考えること
  • 新しい技術やトレンドをキャッチアップする
  • 業界固有の業務やアプリケーションへの理解

経営視点でITを考えること

システムアーキテクトには、経営視点が必要です。企業がIT投資を行う場合、まず経営戦略があり、そのうえでIT戦略が策定されます。そのため、システムアーキテクトとして社内のシステム設計を実施するうえでは、経営視点でITを考えることが重要です。
あくまでIT化は売上拡大やコスト削減の手段として捉え、経営への貢献を重視する姿勢を追求していきましょう。

新しい技術やトレンドをキャッチアップする

システムアーキテクトとして社内のシステム全体を設計するためには、最適な技術やソリューションを熟知していることが必要です。
IT技術は急速に進化しているため、常に新しい技術やトレンドをキャッチアップしていくことが求められます。
たとえば、金融系システムでは依然としてメインフレームを使った運用も存在します。しかし、これから新規にシステムの全体設計を行う場合は、ブロックチェーン技術やノーコード開発といった先進技術を取り入れた開発・運用効率化が大事なポイントとなるでしょう。

業界固有の業務やアプリケーションへの理解

所属する業界固有の業務プロセスや商習慣を理解し、業界のベストプラクティスとなるシステム方式やアプリケーションの選定も大切な観点です。
たとえばERPなどのパッケージを選定する場合は、自社の業務プロセスに適したパッケージの選定やカスタマイズの方向性などの知見も求められます。
システムアーキテクトは、システム全体を俯瞰する視野の広さと、業務プロセスを理解する洞察力の深さが必要な立場であると言えるでしょう。

 

まとめ

システムアーキテクトは、ITシステムの全体設計や開発方針の策定などをリードする高度なエンジニアを対象とした情報処理技術者試験です。合格率は約17%(令和3年度)であることから、難関資格であると言えます。経済産業省の調査では、システムアーキテクトの平均年収は778.2万円です。
システムアーキテクトを取得することで、社内でもITシステム全体を俯瞰できる人材としての認知を獲得できるでしょう。IT責任者のポジションに就くなど、昇進や昇給を目指しやすい資格であると言えます。
システムアーキテクトとして活躍するためには、経営視点を持つことや、最新技術へのキャッチアップ、業界プロセス・アプリケーションへの十分な理解が重要です。
システムを俯瞰する広い視野と最新技術を含めた深い技術力を武器に、システムアーキテクトとしてのキャリアアップを目指していきましょう。

 

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