ヘルプデスクは将来性のない職業?噂の真相とおすすめキャリアパス3選
業界未経験者でも現実的に目指しやすいIT関連職種といえるのが「ヘルプデスク」です。近年、急激に需要が増すIT業界へ参入するための転職先として考えている方も多いようです。
しかし「ヘルプデスクは将来性がない」という意見が挙がっているのも事実です。現在、ヘルプデスクで勤務している方の中には、将来に不安を覚えている方もいるのではないでしょうか?
そこで本記事では、ヘルプデスクの将来性について解説します。ヘルプデスクは将来性がないと言われる3つの理由とおすすめのキャリアパスについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
ヘルプデスクの将来性とは
IT業界の中でも、将来性を危惧されることの多い「ヘルプデスク」。
前提情報として、まずはヘルプデスクの仕事内容や一般的なIT業界内における印象など、基本的な部分をチェックしていきましょう。
ヘルプデスクの仕事内容
ヘルプデスクとは、社内や顧客からのIT関連のお問い合わせに対して回答を行う業務・部署です。電話やチャットを活用し、PCやシステムの操作を説明したり、ヒアリングによってトラブルの原因を探ったりします。
なお、一般的にヘルプデスクは以下の2種類に分類されます。
- 自社の社員からの問い合わせに応える「社内ヘルプデスク」
- 自社製品やサービスを利用する顧客からの問い合わせに応える「社外ヘルプデスク」
2種類のヘルプデスクは問い合わせを受ける対象が異なるため、求められる能力や知識が異なるのも特徴です。
ヘルプデスクに対する世間一般の印象とは
ヘルプデスクに対する世間一般の評価として、ツイッターから気になる意見をピックアップしました。
■Kさん
ヘルプデスクってどういう製品に対してやってるかで全然辛さが変わる気がするけど、何にせよ将来性なさそう |
引用:https://twitter.com/karin_0624/status/1004295778809012224
■Kさん
ご大層にITガーとか言ってますが、自分はITヘルプデスク(コールセンターみたいなもん)職なんで、IT業界階層の底辺の人間なのです。 ぶっちゃけ、ITの知識スッカラカンでも出来る仕事です。 前職が全くITとは無関係って人も多いですからね。 ただ将来性は…お察しください。 |
引用:https://twitter.com/kuzuyalife/status/971227635660582913
■Eさん
ヘルプデスク、他部署向けのちょっとしたVBAツール作成、新システムの導入などが来期から私の職務のスコープ外になる模様 払いはよくて残業はほぼなくて、リモートワークOK、負う責任は軽い。 |
引用:https://twitter.com/ezio_games/status/1131751839542730753
上記の意見から、ヘルプデスクはIT関連知識がなくても勤められる反面、将来性が不安という認識が一般的なようです。ただし、ヘルプデスクにはIT業界未経験者も数多く勤務しており、業界への足がかりとして一定の需要はあるように感じます。
ヘルプデスクの将来性が懸念される3つの理由
ヘルプデスクの将来性が懸念されるおもな理由としては、以下の3点が挙げられます。
- AIに仕事を奪われる可能性がある
- 長期間続けてもスキルが身につきにくい
- 非正規雇用が多く年収も低い
それぞれの理由をもう少し深掘りしていきましょう。
AIに仕事を奪われる可能性がある
ヘルプデスクの将来性が危惧される大きな理由として、AIに仕事を奪われてしまう可能性が挙げられます。
AIに関する技術が急速に進歩している現在、従来までは人間が行っていた問い合わせ対応を「チャットボット」に置き換える企業も増加しているようです。
ただし、チャットボットは複雑な質問やあらかじめ回答を用意していない質問には応えられないため、現時点ではまだヘルプデスクに従事する人材が必要ですが、この先、徐々に仕事が減っていくことが予想されます。
長期間続けてもスキルが身につきにくい
ヘルプデスクには、IT関連の専門的なスキルが身につきにくいといったデメリットがあります。
基本的にヘルプデスクの業務にはマニュアルが完備されているケースが一般的です。そのため業界未経験の方でも、流れに沿って作業するだけで業務を遂行できます。
その分、業務内で身に付く技術が少ないため、将来的にIT業界で活躍したいと考えている方にとって、大きな不安要素といえるでしょう。
ヘルプデスクの業務内で発揮できるシーンは少ないですが、自身のキャリアプランを想定し、自主的にスキル・技術を身につけることが重要です。
非正規雇用が多く年収も低い
ヘルプデスクは収入面の不安要素も大きい職業といえます。
2021年に転職・求人サイトdoda(デューダ)が行った「平均年収ランキング」によると、技術系(IT/通信)の平均年収は「438万円」でした。
しかし、ヘルプデスクのみに絞った平均年収は「345万円」と100万円近くも下がってしまいます。この数値はその他IT関連職の平均年収の中でも最下位であり、報酬的には充実しているとは言い難いことが分かります。
また、ヘルプデスクは非正規雇用の求人が多いことも、年収が少なくなってしまう一つの原因といえるでしょう
【将来性で選ぶなら】ヘルプデスクからのキャリアパス3選
ヘルプデスクからの代表的なキャリアパスとしては、以下のような選択肢が挙げられます。
- プログラマー・SE
- 社内SE
- インフラエンジニア
将来の不安を解消するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
また、将来性の高いIT関連職へキャリアアップしたいなら、資格を取得するのも有効です。
関連記事:「情シスにおすすめの資格7選|ジャンル別に取るべき資格をご紹介」
プログラマー・SE(システムエンジニア)
ヘルプデスクからのキャリアパスとして、プログラマーやSE(システムエンジニア)も一つの選択肢です。なお、プログラマーとSEの違いは以下の通りです。
- プログラマー:SEから提示された「案件定義書」や「基本設計書」をもとに、設計やコーディング、テストなどを行う職種
- SE(システムエンジニア):クライアントの要求を叶えるため、システムの詳細や使用技術の選定、基本的な設計などを行う職種
すなわち、コーディングなど実行部隊がプログラマーであるのに対して、設計や指示出しなど上流工程も担当するのがSEとなります。
なお、プログラマー・SEを目指すには、プログラミング言語に関する知識・スキルや論理的思考力が必要です。ヘルプデスクで学んだトラブル解決法を活かして、コーディングによるバグ修正などを行うのにも役立ちます。
社内SE
ヘルプデスクからのキャリアパスとして、社内SEを選択するのも有効です。なお、社内SEと一言でいっても下記のような幅広い業務に従事しています。
- 社内システムの企画・開発
- システムの保守運用
- ネットワーク・サーバーの導入
- セキュリティ対策
- 問い合わせ対応
上記のように、社内SEの一つの業務としてヘルプデスクが設置されている企業もあるため、スキルや知識が認められれば、担当業務を変更してもらうことも比較的現実的といえるでしょう。
なお、社内SEの年収などもう少し具体的な情報が知りたい方は、下記の記事も合わせてご確認ください。
関連記事:「社内SEは年収どのくらい稼げる?大手企業における社内SEの年収も大公開!」
インフラエンジニア
ヘルプデスクで培った知識・経験を活かして「インフラエンジニア」にキャリアアップするのも選択肢の一つです。
なおインフラエンジニアとは、サーバーやネットワークなどのIT基盤を扱うエンジニアを指し、おもに以下の3種類に分かれます。
- サーバーの構築・運用・保守を担当する「サーバーエンジニア」
- 安定したネットワーク環境の設計・構築・運用に携わる「ネットワークエンジニア」
- ネットワークやシステムをIT攻撃から守る「セキュリティエンジニア」
いずれにせよ、ヘルプデスクに勤めることでサーバーや回線など各種トラブル発生時の対処法が身につくため、比較的目指しやすい部門といえます。ただし、実務的なスキルやより専門的な知識の習得は必須です。
まとめ
未経験者でも担当しやすいIT業界への足がかりとなる職業「ヘルプデスク」。その敷居の低さは魅力である反面、将来性を危惧される大きな要因とも言えます。
ヘルプデスクの将来性を不安視するのであれば、より高次元の職業へのスキルアップを検討するべきです。ただし、ヘルプデスクでの業務では習得できるスキル・技術が限られるため、自身で学習を進めていかなければなりません。
得意分野や興味のある部門を検討し、理想とするキャリアパスに必要なスキルセットを身につけていきましょう。
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