ライセンス管理とは?情シス担当者必見の3大ポイントをご紹介!
数あるバックオフィス業務の中でも、複雑かつ扱いが難しいイメージのある「ライセンス管理」。たしかに、デバイスの多様化やソフトウェアの契約形態の変化によって、年々複雑化している傾向があります。
実際、担当者の方の中には、頭を抱えている方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、ライセンス管理について詳しく解説します。ライセンス管理の概要や有識者の見解など基本的な内容から、複雑化の原因となる課題や対策までご紹介!
新米情シス担当者必見の内容をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
ライセンス管理とは
ライセンス管理とは、購入したソフトウェアが「使用許諾契約書」通りに使われているかを管理することを指します。
ソフトウェアは実体のあるハードウェアとは異なり、容易に複製できてしまいます。そのような不正使用を防ぐため、製品に付随させる利用権が「ライセンス」です。つまり、メーカーが定めたルール通り、正しくソフトウェアを使えているか自社で管理するのが「ライセンス管理」となります。
なお、ライセンスに違反してしまうと著作権法違反となり、違約金を払わなくてはなりません。場合によっては、億を超える賠償金の支払い命令や社内PCを利用できず業務停止に陥ってしまうケースもあるため、ライセンス違反は非常に社会的・金銭的リスクの高い行為といえます。
またライセンス管理を正しく行うことで、ライセンス関係コストの削減も可能です。自社のライセンス契約状況を見直し、余剰ライセンスやPCや社員への割り当てを最適化することで無駄なコストをカットできます。
したがってライセンス管理は、リスク回避だけでなくコスト削減といった直接的なメリットにもつながる重要な業務です。
使用許諾契約書とは
使用許諾契約書とは、メーカーとユーザーの間で交わされる法的効力を持った契約書のことです。
一般的に、使用許諾契約書はソフトウェアのパッケージ内に証書として同封されています。またソフトウェアのインストール時にも表示されることが多く、同意しなければ行程を進められないケースがほとんどです。
なお、使用許諾契約書内で定められている代表的な項目としては、以下のようなものが挙げられます。
- 顧客とメーカーの間で交わされる法的な契約書であることを示す文章
- 利用に関する規約(1ライセンスで使用できるデバイスの数など)
- メーカーの要求に応じて報告義務があることを示す文章
- 「監査権」や「利用実態調査権」などメーカーの権利 など
もちろんメーカーや製品によって記載されている内容は異なるため、同封されている使用許諾契約書をしっかりと確認することが重要です。
【有識者は語る】ライセンス管理に関する5つのツイート
ライセンス管理に関する有識者たちのツイートをピックアップしたので、全体像をしっかり掴むためにご確認ください。
■Sさん
OSSのライセンス管理はエンジニアの責任の範疇ですよ、セキュリティとかと同じで自分ごとですよ、法務か誰かがよしなにしてくれるわけじゃないよ |
引用:https://twitter.com/stomita/status/1361662939871076353
■Sさん
インフラエンジニアになるなら一番先に覚えるべきはVBAやな。サーバーラック図や、サーバー管理台帳、OSのライセンス管理台帳、IP管理台帳、障害管理表、Ansibleのplaybook管理台帳、全部ExcelなのでVBA覚えると現場で無双できる。その次にようやくTera Termマクロだな。Terraformじゃないよ。 |
引用:https://twitter.com/nepinepimate3/status/1375435099898929156
■Yさん
ワインタイムパスワードのハードウェアトークンは、高価だしライセンス管理も大変で、エンジニアを増員しても「10人のエンジニアがサーバにログインできなくて待ってる状態」みたいな笑えない状況が生まれる。 |
引用:https://twitter.com/yugo_yamamoto/status/273793306994032642
■Kさん
情シスは発注手続きが多いから、営業上がりでミスなく事務手続きを遂行できるならば、高く評価したい。ライセンス管理とか理解が難しい仕事はたくさんある。この能力はエンジニアよりも情シス・営業の方が1枚も2枚も上手だと思っています。 技術的な細かい所はやっているうちに覚えるので問題なし。 |
引用:https://twitter.com/running4rabbit/status/1521724617031053314
上記のツイートからもライセンス管理の複雑さや難しさが伝わってきます。自社におけるコンプライアンスを遵守するためにも、責任を持って取り組むべき業務といえるでしょう。
ライセンス管理を複雑にする課題とは
一般的に複雑な業務と認識されていることも多いライセンス管理ですが、おもに2つの課題がその原因となっています。
1つ目の課題として挙げられるのが、膨大なソフトウェアを管理しなくてはならない点です。ソフトウェアの数だけ存在する使用許諾契約の内容を読み解き、管理しなくてはならないため工数も膨れ上がってしまいます。
2つ目の課題となるのが、メーカーや製品によってライセンス形態が異なる点です。なお、代表的なライセンス形態としては以下のようなものが挙げられます。
- ユーザー許諾ライセンス
- マシン許諾ライセンス
- セカンドライセンス
- プリインストール
- サーバーライセンス など
上記のように、さまざまなライセンス形態に合わせた管理を行う場合、膨大な工数と専門的な知識が必要となってしまうため、効率的に管理するための解決策が必要です。
ライセンス管理を適切に行うための3大ポイント
複雑な部分も多いライセンス管理を効率化するためのポイントをご紹介します。なお具体的なポイントは以下の3点です。
- 管理対象を明確に定める
- ライセンス管理台帳を作る
- ライセンス管理ツールを活用する
どれも重要度の高いポイントとなりますので、ぜひご確認ください。
管理対象を明確に定める
正確なライセンス管理を行うためには、管理対象を明確に定める必要があります。なお一般的に管理対象は以下の2つに分かれます。
- ライセンス管理の対象となる組織(部署や子会社など)
- ライセンス管理の対象となる資産(ソフトウェアやPC、サーバーなど)
また管理対象を明確に定めたら、管理レベルを設定することも重要です。対象となる組織や資産に対して、管理内容の詳細や棚卸しの頻度などをレベル付けする必要があります。
ただし、社内で扱う膨大な数の管理対象のレベルを設定するだけでも、非常に手間や時間がかかってしまうため、監査の有るものや価格の高いものなど優先順位をつけて管理を進めたり、関連データを一元管理したりといった対策も重要です。
なお、データ一元管理について詳しく知りたい方は下記の記事も合わせてご確認ください。
関連記事:「データ一元管理とは?導入前に知っておきたい3つのメリット・デメリットを解説」
ライセンス管理台帳を作る
社内で使用するソフトウェアの使用許諾条件をまとめた「ライセンス管理台帳」を作成することで、利用状況やライセンスの種類を一覧で把握できます。
なお、ライセンス管理には以下の2種類の台帳が必要です。
- 購入したソフトウェアの名前や購入日付、形態などを明記する「ライセンス台帳」
- ライセンス許諾に関する情報をまとめた「ライセンス関連部材台帳」
上記2種類の台帳を活用し、関係する情報を一元管理することで、煩雑なライセンス管理の工数を減らせます。
ライセンス管理ツールを活用する
複雑なライセンス管理を効率化するために、ツールの導入を検討しましょう。ライセンス管理ツールを導入することで、管理対象やレベルの設定、ライセンス管理台帳の作成の効率化をサポートしてくれます。
ただし、ライセンス管理ツールはあくまで業務をサポートするものであるため、有効活用するには専門スキルや知識を持った担当者が必要です。
近年では、ライセンス関連知識を補完してくれるサービスもあるため、専門的な知識をもつ担当者がいなかったり、自社のノウハウが育っていなかったりした場合は活用してみるのも良いかもしれませんね。
なお、ライセンス管理を含むバックオフィス業務を総合的にサポートする「バックオフィスシステム」を導入するのもおすすめです。詳細を知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
関連記事:「バックオフィスシステムとは?業務効率化に期待できるシステム・ツール4選」
まとめ
バックオフィス業務の中でも管理項目が複雑で工数も膨れやすい「ライセンス管理」。また、企業のコンプライアンス遵守が重視されている現在、責任重大な業務でもあります。
工数が膨大でありながら、ミスは許されないライセンス管理を的確に処理するためには、関連情報を一元管理でき、必要な情報を迅速に引き出せる管理ツール・システムの導入が急務です。
それに伴って、システムを使いこなせる担当者の採用、管理台帳やノウハウの作成など社内の環境整備も進めていきましょう。
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