キッティングとは?基本的な流れと手作業・クローニングの長所短所を紹介

  • 2023/1/24
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ユーザーが利用する前に、OSのインストールなどパソコンの設定を整える「キッティング作業」。
パソコンがなければ仕事が成り立たない現代では、必要不可欠な作業です。

ネットワークなど基本設定はもちろん、業務に必要なソフトのインストールも行うため長時間の作業となる場合もあります。
新入社員の入社前や人事異動前などにキッティング作業の流れを確認し、業務改善も考えたいという方も多いでしょう。

そこで本記事では、キッティング作業の定義や手作業・クローニングの基本的な流れについて解説します。
メリット・デメリットや必要な知識についても紹介するので、キッティング作業を見直したいと考えている方は参考にしてください。

 

キッティング作業とは

キッティング作業とは、パソコン導入時にユーザーが利用できるようにセッティングすることです。
社員が増えたり、人事異動が出たりするタイミングで作業する場合が多く、設定する台数や種類によって作業時間に大きな差が出ます。
IT人材の不足が深刻化しており、少ない担当者で大量のキッティング作業をすると膨大な時間を要するため効率化が必要です。
キッティング作業をアウトソーシングできるサービスも増えており、IT担当者の業務軽減はもちろんスペースや梱包材の処理が不要なので人気となっています。

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キッティング作業の基本的な流れ

キッティング作業の基本的な流れは、以下の2種類に分かれます。

  • 手作業の場合
  • クローニングの場合

それぞれの流れについて、詳しく確認しましょう。

手作業の場合

手作業の場合は、1台ずつ設定の作業をします。
キッティングの流れは、以下の通りです。

  1. OSのインストール
  2. ネットワーク・アカウントなど各種設定
  3. 必要なアプリケーションのインストール
  4. セキュリティの設定
  5. 動作確認
  6. 管理ラベルの貼り付け・台帳への記帳

基本的な流れは変わりませんが、営業部・総務部・業務部など部署によって利用しているソフトやアプリが異なる場合は随時対応する必要があります。
また、システム権限が社員によって違う場合があり、設定前にパソコン使用者の役職や担当業務を確認しておくとスムーズです。
手作業は1台ずつ実施するため、設定するパソコンが手元にあり、台数が少ない場合に有効な方法となります。

クローニングの場合

クローニングの場合は、マスターPCを作成して各パソコンに複製します。
キッティングの流れは、以下の通りです。

  1. マスターPCの作成
  2. SYSPREPによる一般化の実施
  3. マスターイメージ(標準イメージ)抽出
  4. 各パソコンのブートオーダーを変更
  5. クローニング(複製)
  6. 個別のキッティング作業
  7. 動作確認
  8. 管理ラベルの貼り付け・台帳への記帳

クローニングはマスターPCさえ作成できれば簡単に複製できるので、大量のパソコンに対して同じ設定を行うときに向いています。
マスターイメージはUSBなどを介してクローニングができるため、パソコンを移動する手間も不要です。

 

キッティング作業の作業方法によるメリット・デメリット

キッティング作業の作業方法によるメリット・デメリットを、手作業・クローニングの2種類に分けて解説します。
デメリットも踏まえた上で作業方法を選びましょう。

手作業のメリット・デメリット

手作業のメリット・デメリットは、以下の通りです。

メリット デメリット
・台数が少なければ短時間で完了する
・複数の機種の場合は効率が良い
・時間・人件費がかかる
・品質にバラつきがある
・設定するパソコンが別拠点にある場合は移動や搬送が必要になる

手作業のメリットは、少量であれば短時間で完了できる点だと言えます。
個別に細かな設定を行いやすいため、機種が多い場合も効率良く作業可能です。

ただし、台数が多ければ多いほど時間と人件費がかかるので注意してください。
IT部門がある企業は人海戦術で乗り越えられる場合もありますが、担当者が1人で大量のパソコンをキッティングするのは現実的ではありません。
別拠点にパソコンがあるなど手元に対象のパソコンがない場合も、設定担当者が移動するかパソコンを搬送する手間がかかります。

クローニングのメリット・デメリット

クローニングのメリット・デメリットは、以下の通りです。

メリット デメリット
・大量のパソコンを効率良く準備できる
・マスターPCのデータを残しておけば万一の場合にも役立つ
・品質が均一になる
・マスターPC作成に時間がかかる
・専門的なノウハウや人材が必要になる

クローニングのメリットは大量のパソコンをスピーディーに作業できる点で、手作業で同数を設定した場合に比べて大幅に作業時間を削減できます。
しかし、機種が多くなると対応するマスターPCも増えるので、さらに人員を必要とするのがネックです。
専門知識を持った人材が必要になるので、IT担当者が1人しかいないなど体制の整わない企業で実施するのは難しいでしょう。

 

キッティング作業に必要とされる知識

キッティング作業に必要とされる知識は、手作業とクローニングによって違いがあります。

手作業の場合は、IPアドレス、CPUの型番などのデータ収集・ラベル管理・設定の保存などが必要です。
パソコンを適切に管理するため、どの機種に対してどのような設定を行ったか記録しておくことが求められます。

クローニングの場合はライセンスの購入や管理が必要で、ライセンスの上限数を超えると認証が通らないので注意してください。
IDが複製される可能性もあるため、アプリケーション側にクローニングする場合の注意点を確認しておくとトラブルがなく安心です。
また、キッティング作業はスケジュール管理が非常に大切で、遅れることで社員育成や業務引継ぎなどあらゆる業務に支障が出ます。
パソコンを必要とする部署と導入時期も含めて事前に打ち合わせするのがおすすめです。

 

まとめ

キッティング作業とは、ユーザーがパソコンを利用できる状態にセットアップする作業のことです。
パソコンの数が少なければ「手作業」、多ければ「クローニング(複製)」を選ぶのが一般的となっています。

手作業は大量のパソコンを設定するときは膨大な時間がかかるため非効率ですが、数が少なければスピーディーに設定することが可能です。
クローニングは各パソコンに複製するので効率的ですが、マスターPCの作成に労力がかかります。

手作業では各パソコンの設定状況などの記録・管理、クローニングではライセンス管理が重要です。
社員がスムーズに業務を始めるためにも、スケジュール管理を徹底しながら進めましょう。

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