DNSとは何?役割や仕組みなどを初心者向けにわかりやすく解説
ドメイン名をIPアドレスへ変換するシステム「DNS」。
人間が認識しやすいドメイン名とインターネット上の住所であるIPアドレスを対応させることで、Webページの閲覧を可能にする必要不可欠な仕組みです。
何となく理解している方も多いですが、Webエンジニアを目指すのであれば基本中の基本と言えます。
正しく理解しておかないと、設定やエラーが発生した場合に適切な対処ができないので注意が必要です。
そこで本記事では、DNSの定義やドメイン名とIPアドレスの関係について詳しく解説します。
名前解決の仕組みやDNSエラーの原因・対策についても紹介するので、参考にしてください。
この記事の目次
DNSとは
DNSを理解するためには、以下を理解することが重要です。
- DNSの役割
- ドメイン名とIPアドレスの関係
役割やドメイン名とIPアドレスの関係を把握すると、ドメイン取得後のDNS設定をよりスムーズに行えるでしょう。
DNSの役割
DNSとは「Domain Name System」の略で、ドメイン名をIPアドレスへ変換するシステムのことです。
ドメイン名を入力すると処理を行うDNSサーバーへ問い合わせを実施し、DNSサーバーからIPアドレスが返答されてデバイスにWebサイトが表示される仕組みとなっています。
ドメイン名をIPアドレスに変換することを「名前解決」と呼ぶので、覚えておきましょう。
ドメイン名とIPアドレスの関係
ドメイン名は人間用に分かりやすくした表向きの名前、IPアドレスは実際のインターネット上の住所という関係性を持っています。
IPアドレスは数字の羅列なので人間にとっては認識しづらく、判別しやすいドメイン名を活用しています。
両者を変換するDNSがあることで、あらゆる人がインターネットを簡単に利用可能です。
ドメイン名は4つの階層構造になっており、DNSサーバーも対応した階層構造になっているのも特徴です。
DNSにおける名前解決の仕組み
DNSにおける名前解決の仕組みは主に3段階となっており、以下の通りです。
- DNSサーバーへ問い合わせする
- DNSサーバーからIPアドレスが返答される
- Webサーバーへデータ要求・実行・表示される
それぞれの段階について、詳しく解説していきます。
1.DNSサーバーへ問い合わせする
第1段階として、ユーザーが入力したドメイン名からDNSサーバーに対してIPアドレスの問い合わせを行います。
最初に問い合わせを行うのは、ルーターなどのローカルDNSサーバーです。
直近にアクセスしたサイトのIPアドレスはローカルDNSサーバーに保持されているため、すぐに返答があります。
新しくアクセスするサイトはローカルサーバーに保持されていないので、問い合わせを行うのはDNSサーバーの頂点であるルートサーバーに対してです。
2.DNSサーバーからIPアドレスが返答される
第2段階として、DNSサーバーからドメイン名と対応したIPアドレスが返答されます。
新規でアクセスするサイトは、ルートDNSサーバーへの問い合わせでは終わりません。
その後ドメイン名の階層に従ってDNSサーバーに問い合わせを続け、該当するIPアドレスを見つけます。
ドメイン名入力後すぐにWebサイトにアクセスできるので、簡単な処理で表示できると感じる方も多いでしょう。
背景では、高速でいくつものサーバーに問い合わせを実行しています。
3.Webサーバーへデータ要求・実行・表示される
第3段階として、判明したIPアドレスからWebサーバーにリクエストを行い、データが送信されると画面にWebサイトが表示されます。
以前に訪問したサイトはDNSキャッシュサーバーから処理されるため、スピーディーに表示されるのが特徴です。
ドメイン名とIPアドレスの紐付けがうまくできていないと、正しく表示ができないので設定する際は注意しましょう。
DNSエラーと原因
DNSエラーについて知るためには、定義や原因・対策について知る必要があります。
DNSエラーが起きるとWebサイトが閲覧できないなどのトラブルになるため、事前に理解を深めましょう。
DNSエラーとは
DNSエラーとは、ドメイン名とIPアドレスの変換がうまくいかないことで、名前解決ができずWebサイトが表示されない状態を指します。
「このサイトにアクセスできません」「ページを表示できません」「IPアドレスが見つかりません」などの表示が出ている場合は、DNSエラーが原因です。
コーポレートサイトやECサイトでDNSエラーが起きると、企業イメージや業績にダイレクトに影響するので注意してください。
DNSエラーの原因・対策
DNSエラーには、以下の原因が考えられます。
- インターネットに繋がっていない
- アクセスが集中している
- DNSサーバーの故障
- ネットワーク構成が共有接続である
DNSエラーの原因は、基本的にパソコン側の一時的な不具合による可能性が高いです。
インターネットに接続されていないと、そもそも通信ができないためエラー表示が発生します。
DNSサーバーの故障や過剰なアクセスにより不具合がある場合も接続できず、復旧するまではWebサイトの閲覧などは不可能です。
エラー発生後の対策としては、まずインターネットに接続されているか確認してください。
多くの場合は一時的な不具合なので、ルーター・モデム・パソコンを再起動することで解消される可能性もあります。
エラー表示が出ても焦らずに、接続状況や電源などを再確認することが重要です。
またGoogle DNSやCloudflare DNSなどパブリックDNSに変更すると、DNSエラーを解決できるでしょう。
まとめ
DNSは人間が認識するためにつくられたドメイン名を、インターネットの住所であるIPアドレスへ変換するシステムのことです。
ドメイン名をIPアドレスに変換することを「名前解決」と呼び、DNSサーバーへの問い合わせ・IPアドレスの返答・Webサーバーへデータ要求や実行の3段階から成り立っています。
DNSエラーとは、ドメイン名とIPアドレスの紐付けがうまくできていない状態のことです。
「このサイトにアクセスできません」の表示が出る場合はDNSエラーが発生しており、アクセス集中などの原因が考えられるので再起動や接続確認をしましょう。