業務標準化とは?進め方からメリット・デメリットまで解説!平準化との違いも紹介
誰でも同じ成果を出せるように手順やタスクを構築する「業務標準化」。
業務の属人化を防ぎ、担当者が変わっても同じ品質を保てるため、突然の人事異動などにも素早く対応できます。
しかし、従業員のモチベーション低下を招いたりする可能性もあるので事前準備が重要です。
そこで本記事では、業務標準化について詳しく解説します。
業務標準化の定義やメリット・デメリットなど知っておきたい基本から、進め方や平準化との違いまで幅広く紹介するので、検討している方は参考にしてください。
この記事の目次
業務標準化とは?
業務標準化とは、誰でも同じ成果を出せるように「業務フロー」と「タスク」の2つを整えることです。
業務フローを標準化した状態は、作業手順が明確でチーム内に共有されるので、担当者が抜けたり変更になったりしても問題なく業務を進行できます。
タスクを標準化すると、マニュアル通りに仕事を行えば担当者に関係なく同じ品質に仕上げることが可能です。
担当者はもちろん、作業拠点を変更する場合でも業務標準化が行われていれば、スムーズに移行できます。
業務フローやプロセスの可視化について詳しく知りたい方は、以下の関連記事も合わせてご確認ください。
関連記事:業務プロセス可視化とは?自社に導入する方法やシステムの選び方を紹介
業務標準化のメリット
業務標準化のメリットは、以下の3点です。
- 業務の効率化・軽減化
- 属人化の防止
- 業務品質の向上
誰が作業しても同じ品質に到達できるので、担当者変更や新入社員の育成など人事の悩みを解決できるでしょう。
業務の効率化・軽減化
誰でも取り組めるように業務を整理することで、効率化につながります。
何年も前のマニュアルで作業していたり、新しい業務が追加されたものの見直しをしていなかったりと、作成当時のまま放置している場合も多いのではないでしょうか。
プロセスの無駄を省けば従業員の負担が軽減されるため、離職防止にも有効です。
効率良く作業が進められると残業を削減できるので、コストカットや企業イメージのアップにもなります。
属人化の防止
誰でも同じ成果を出せることで業務が特定の人に付くことを防げるため、人事異動や退職などがあってもスピーディーに対応できます。
特定の人しか業務に取り組めない状態が続くと担当者変更の際にクライアントからクレームが出たり、引き継ぎに時間がかかったりするため労力が必要です。
レベルや社歴に関わらず多くの人が習得できるようになるため、全体的なスキルアップにもつながります。
また、経験者が増えることでフォローしやすい環境を整えられるのもポイントです。
業務品質の向上
誰が行っても同じ品質になるため、仕上がりにばらつきがなくなり全体的な品質向上につながります。
品質が一定になることで顧客からの信頼度や満足度が向上し、結果的に業績を安定させることが可能です。
チーム内でフローやタスクの情報共有をすることでミスや漏れに気づきやすくなり、トラブルを予防できます。
海外など別の拠点に業務を移行するときも、成果の出る方法を標準化しているため最短で同品質にできるでしょう。
業務標準化のデメリット
業務標準化のデメリットは、以下の2点です。
- 全業務を標準化するのは難しい
- 業務プロセスが決められることで従業員のモチベーション低下を招く可能性がある
標準化に適した業務を選ぶことが重要で、専門性が問われるような業務や高いレベルが求められる業務は適さないと言えます。
業務フローやタスクを決められると仕事の面白さが感じられない人もいるので、従業員の適性を見定めることが重要です。
チームで情報を共有し、意見を取り入れながらマニュアル作成を進めると失敗しないでしょう。
業務標準化の進め方
業務標準化の進め方には、以下の5つの工程があります。
- 業務内容の全体像・課題を把握
- 標準化すべき業務のランク付
- 業務の整理・効率化
- マニュアルやフローの作成
- 運用と定期的な見直し
フローが明確化するのはもちろん、無駄を省けるのですっきりした気持ちで働けるようになるでしょう。
それぞれの工程について、詳しく解説します。
1.業務内容の全体像・課題を把握
業務のプロセスや難易度を可視化して、顧客や他部署を含めた全体像を把握しましょう。
既存のマニュアルやフロー図、作業手順書などがあれば参考にし、現在の作業状況と異なる点もピックアップします。
全体像が確認できたら、現状の課題と今後考えられる課題の両方を洗い出してください。
他部署との関わりが深い業務は事前に現状課題や希望などをヒアリングをしておくと、標準化した後の動きもスムーズです。
2.標準化すべき業務のランク付
標準化すべき業務を選定し、優先順位を明らかにしましょう。
全業務を一気に改善するには人員も時間も必要になるので、優先度の高い案件から確実に取り組むのがおすすめです。
「属人化している」「品質が安定しない」など課題が明確な業務や、誰もが取り組む基本業務を見直してください。
例えば工程数が多く納期が遅れがちな業務や特定の人が不在になると滞る業務などは、手をつけやすく改善しやすいと言えます。
3.業務の整理・効率化
標準化する業務が決定したら、課題を解決できるように業務内容・フローを整理しましょう。
不要な工程を削除したり、順序を入れ替えたりすることで業務内容をシンプルに効率化していきます。
フローチャートなどを利用して、可視化しながら検討すると整理しやすいです。
どうしても効率化が進まない部分があれば、システムやツールを変更することも視野に入れてください。
最後に最適な手順や難易度になっているか、無駄な工程がないかをチェックします。
4.マニュアルやフローの作成
担当者が変更になっても対応できるように、マニュアルやフローに落とし込みましょう。
既存のマニュアルや手順書があれば、修正・追記しながら進めると短い期間で作成できます。
最初から完璧なマニュアル作成を目指すと途中で挫折する場合もあるため、大きな見出し・骨組みを決めてから少しずつ進めてください。
作業工程はもちろんトラブル時の対処方法も含めて作成すると、新しい担当者も想定しながら仕事ができます。
5.運用と定期的な見直し
マニュアルの運用を開始し、年単位や担当者変更時などのタイミングで見直しと改善を行いましょう。
古いマニュアルのまま運用を続けることは、トラブルの原因となるので注意が必要です。
見直しを含めたPDCAを上手く回すことでブラッシュアップされ、さらなる効率化を目指せます。
チームの意見を取り入れながら改善すると、当事者意識が生まれるためマニュアルを守った行動を維持することが可能です。
業務標準化と平準化の違い
「業務標準化」と「業務平準化」は一見すると同じ意味に見えますが、別の目的・意味を持った言葉です。
業務平準化とは従業員間の業務量の偏りをなくすことを指し、負担を均一化することを言います。
業務量にムラがなくなるため、残業時間や有給取得などの偏りや不満を解消することが可能です。
標準化は「誰でも同じ成果を出せる」「品質を均一にする」ことを目的としており、平準化とは違うことを覚えておきましょう。
まとめ:業務標準化を通して仕事の効率化を図ろう
業務標準化はプロセスを見直して再構築することで、誰でも同じような成果を出せるようになることです。
業務品質を一定に保てるため、顧客からの信頼を獲得し業績アップも狙えます。
効率化が考えられたマニュアルがあることで、人事異動や担当者変更、新入社員の育成時にも有効です。
作業拠点が変更になる際にも、慌てず対処できます。
ただし、全業務を標準化することは困難であり、汎用性やレベルを考えて業務選定をしてください。
マニュアル作成後は定期的に見直しと改善をすることで、常に使いやすい形を保ちましょう。
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