国内データセンター向けイーサネットスイッチ市場予測-IDC
IT専門調査会社 IDC Japanは、国内データセンター向けイーサネットスイッチ市場予測を発表している。
無線/有線を問わず、現代社会に欠かせないのがネットワークであり、イーサネットスイッチを通じて世の中の動きを見てみるのも興味深い。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大は、企業ITシステムのクラウドシフトとオンプレミスITシステムに対する投資の優先度低下といった傾向をいっそう強め、国内データセンター向けイーサネットスイッチ市場にも影響を与えている。
2020年の国内データセンター向けイーサネットスイッチ市場全体は、前年比成長率マイナス8.0%と大きく落ち込み、購入者別では、企業によるデータセンター向けイーサネットスイッチの購入額が大きく低下している。
しかしながら、その一方で、クラウド事業者向けについては、COVID-19の感染拡大で経済活動が停滞したにもかかわらずプラス成長を維持している。
2021年以降も、企業ITのクラウドシフトや、動画をはじめとするインターネット上のサービスの留まることのない利用拡大が、データセンターインフラストラクチャの拡張につながり、イーサネットスイッチの需要を牽引すると予想される。テレワーク一つとっても、VPNで社内ネットワークに入り、社内のファイルサーバーを使わなければいけない理由は、よほどの専用システムでもない限り、ほとんどないのが現状である。(セキュリティが追い付いてこないと大変なことになるかもしれないが)
このような背景もあり、イーサーネットスイッチ市場全体は2025年までプラス成長を続け、2020年~2025年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は3.8%と予測する。
また、今後の市場を牽引するクラウド事業者向け市場において、2020年~2025年のCAGRは10.5%と高い成長を続け、市場規模は442億2,400万円に達するとみている。
国内データセンター向けイーサネットスイッチ市場 支出額予測、2019年~2025年
Note: 企業および事業者のデータセンターに配備されたと推定されるイーサネットスイッチの支出額
Source: IDC Japan, 10/2021
また、IDCでは、データセンターを中心に導入が広がりつつあるハードウェアとソフトウェアを分離したホワイトボックススイッチ市場についても予測している。
2018年から二桁成長を続ける国内ホワイトボックススイッチ市場であるが、成長の余地は今なお多く残されている。メガクラウド事業者のデータセンターへの投資拡大とホワイトボックススイッチの採用比率の高まりから、クラウド事業者によるホワイトボックススイッチへの支出は増加を続け、国内ホワイトボックススイッチ市場の2020年~2025年のCAGRは28.2%と高い成長を予測している。
このことからもオンプレミスのデータセンター基盤としてのイーサネットスイッチの需要は、減少が続くとIDCではみている。
ただし、データセキュリティや信頼性の観点から、オンプレミスの企業ITシステムを利用し続ける企業は相応に残り、2025年時点でも市場全体の27.4%を占めると予測している。
IDC Japan コミュニケーションズのグループマネージャーである草野 賢一は、次の湯に述べています。
「企業をターゲットにするデータセンター向けイーサネットスイッチベンダーは、IPファブリックの導入などモダナイゼーションを促進するために、モダンなデータセンターネットワークが持つ運用管理の効率化や省人化のメリットを訴求すべきである。ネットワークやアプリケーションの可視化/自動化ソリューションとIPファブリックを活用して、データセンターの運用管理を自動化し、専門性をできるだけ排除したデータセンターネットワークを企業に提案していくべきである」
より詳細な内容はIDCが発行した国内データセンター向けイーサネットスイッチ/ホワイトボックススイッチ市場予測、 2021 年~ 2025 年 にその詳細が報告されている。
この調査レポートは、データセンター向けイーサネットスイッチ市場やホワイトボックススイッチ市場の2021年~2025年の市場予測と今後の展望を提供している。
本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。