国内企業向けネットワーク機器市場予測(2021~2025)-IDC

IT専門調査会社 IDC Japanは、企業向けイーサネットスイッチ、企業向けルーター、企業向け無線LAN機器で構成される国内企業向けネットワーク機器市場に関する市場動向と予測を発表している。

2020年の国内企業向けネットワーク機器市場は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で経済活動が停滞したにもかかわらず、「GIGAスクール」構想に向けたネットワーク構築が進み、プラス成長を達成している。
同市場の2020年の前年比成長率は10.1%で、市場規模(支出額ベース)は2,704億2,200万円となった。

GIGAスクール構想に伴うネットワーク構築需要は、イーサネットスイッチ市場と無線LAN機器市場に大きな影響を与えた。特に無線LAN機器市場においては、前年比成長率で54.2%と大きく成長し、市場規模は468億5,100万円と過去最大を記録している。
また、2020年の同市場においてGIGAスクール向けが占める割合は、4割近くに達したとIDCではみており、成長のほとんどをGIGAスクール向けが担ったこととなる。

国内企業向けネットワーク機器市場支出額予測、2019年~2025年


Note: 企業向けルーター、企業向けイーサネットスイッチ、企業向け無線LAN機器の合計値
Source: IDC Japan, 6/2021

今後の国内企業向けネットワーク機器市場に関して、無線LANをネットワークアクセスの中心に据えた企業ネットワークの進展に伴う無線LANの新規需要は今後も期待できるものの、基本的には成熟市場であるとみている。
2020年~2025年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は、GIGAスクール特需に沸いた2020年が起点になることもあり、高校向けのGIGAスクール需要もあるものの企業向けネットワーク機器市場全体(支出額ベース)でマイナス2.3%と予測している。

IDCでは、自社ネットワーク外の管理プラットフォームを用いてネットワーク機器の管理やネットワークの制御を実現するクラウド管理型ネットワークソリューションの動向に注目している。
クラウド管理型ネットワークソリューションの中で最も先行しているクラウド管理型無線LAN機器市場について、2020年のGIGAスクール向け特需の影響を除いた2019年から2025年の6年間のCAGRは、13.1%と予測している。

市場の関心が高まるクラウド管理型ネットワークソリューションについて、IDC Japan コミュニケーションズのグループマネージャーである草野 賢一氏は、「各社が注力するクラウド管理型ソリューションで差異化を図るためにも、アジャイル開発を基にした短期間での機能リリースがソリューションの強化に有効である。また、サブスクリプション型サービスの顧客の満足度を維持向上するためにも、高頻度の機能追加は効果的であり、顧客の継続利用に対する意欲を高めることが期待できる」と述べている。

 

今回の発表はIDCが発行した国内企業向けネットワーク機器市場予測、 2021 年~ 2025 年 にその詳細が報告されている。
本調査レポートは、企業向けイーサネットスイッチ、企業向けルーター、企業向け無線LAN機器で構成される国内企業向けネットワーク機器市場に関して、2021年~2025年の市場予測と今後の展望を提供している。


メッシュWi-Fiでも共通規格として「EasyMesh」が立ち上がったり、Wi-Fi 6対応ルーターも徐々に製品化されつつある。企業向け製品でもこれらの新技術が投入されることで、ここ2~3年は入れ替わることが予想される。
成熟産業ではあるが、今後はセキュリティを軸に数年規模での入れ替わりが起きるのではないだろうか。

【編集Gp ハラダケンジ】


本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ47713921

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