コラボレーションツール利用状況調査(2021年9月時点)-MM総研

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(略称MMRI)は、企業の情報システム担当者を対象にコラボレーションツールの利用動向に関するWebアンケート調査を実施。その結果を公表している。
対象としたコラボレーションツールは「Web会議システム」「ビジネスチャット」「オンラインストレージ」「グループウェア」「タスク管理ツール」「クラウドPBX」「仮想オフィス/バーチャルオフィス」の7サービスであり、システム選定の決裁者及び関与・導入状況を把握している担当者を中心に、国内企業2,604社を対象としている。

 

最も使われているWeb会議システムは「Zoom」

7つのコラボレーションツールの中で最も高い導入率を示したのがWeb会議システムである。国内企業2,604社のうち導入している企業は1,329社(51.0%)、未導入企業は1,275社(49.0%)だった。導入企業の内、有料版を契約している1,241社に、最も利用するWeb会議システムを確認したところ、Zoomが60.1%と最も高く、次いでMicrosoft Teamsが21.4%、Google Meetsが7.9%となった(データ1)

【データ1】最も利用するWeb会議システム(有料版/単一回答)


<出典:MM総研>

Web会議システムの利用実態を従業員規模別にみると、規模が大きくなるにつれMicrosoft Teamsの利用率が上昇する傾向にあった(データ2)

【データ2】 最も利用するWeb会議システム/従業員規模別(有料版/単一回答)


<出典:MM総研>

Web会議システム(有料版)だけでも1社あたりの導入システム数は平均2.2となっていた。取引先の需要に応じて複数導入するなどツールを使い分けるケースの増加、SaaS利用が加速していることが伺える。

Web会議を利用するユーザーに対し、Web会議システムの導入・利用のデメリット、課題について聞いたところ、「話し相手のリアクションが分かりづらい」42.6%、「一人の話者しか話すことができない、会話のテンポが悪い」38.0%が高い数値を示した。

 

Web会議システムに望む機能は「議事録作成/文字起こし」が最多

今後追加してほしい機能としては「議事録作成/文字起こし機能、字幕機能」が47.3%と最も多い。昔からの課題であったが、ここにきてAIの力を借りてサービスレベルに達してきた感がある。
次いで「一つの会議の中で、複数人が同時に会話できる機能」いわゆるパーティトークが38.6%とリアルに近い状況を求めているようにも思える。その他には「通信環境に関係なく安定した会話ができる機能」36.8%、「コミュニケーションのタイムラグをなくす機能」31.2%と現状の不満の裏返しと思える結果が続いた(データ3)                                           

【データ3】 Web会議システムに今後望む機能(複数回答)


<出典:MM総研>

この結果から、議事録作成業務の短縮化へのニーズに加え、Web会議システムは直接対面するコミュニケーションの代替にはなるものの、より自然な対話を実現する機能追加が望まれていることが伺える。

各Web会議システムの直近の動向を見ると、Zoomは会社の着電、内線をインターネット上で受けられる「Zoom Phone」、教室や会議室など多様な背景を仮想上で再現、ホストが参加者の座席を手動で動かし配置できる「イマーシブビュー」などのリリースが決まっているほか、2022年後半には英語のみではあるものの自動翻訳、ライブ文字起こし機能のリリースを予定している。順次、多言語対応していく予定だ。Microsoft TeamsはPower Point資料にピクチャー・イン・ピクチャーのような映像を合成する機能、AIによるスピーチ改善機能「スピーカーコーチ」などの追加を2022年前半に予定している。今後Web会議システムは視覚的に自然な会話を促す機能が追加されるだけでなく、他コラボレーションツールとの連携も加速し、コミュニケーションプラットフォームとしての重要性を増していくものとみられる。

 

ビジネスチャット、オンラインストレージともに動画の共有機能を拡充

本調査の中で、Web会議システムに次いで高い導入率を示したのがビジネスチャットとオンラインストレージだ。
ビジネスチャットとして最も利用するツールを見るとMicrosoft Teamsが30.5%と最も高く、次いでSlack(20.9%)、LINE WORKS(13.0%)、Google Chat(11.6%)、Chatwork(9.0%)と続いた(データ4)
直近の傾向として、ビジネスチャットは文字だけでなく、音声、動画でやり取りできる機能の追加が目立つ。加えて従来はメールが主体であった社外コミュニケーションをビジネスチャットに代替する動きが加速、外部コミュニケーションの方法にも変化が生まれている。

【データ4】最も利用するビジネスチャット(有料版/単一回答)

 

また、オンラインストレージではGoogleドライブが32.8%と最も高く、Dropbox Business(23.2%)、OneDrive for Business(14.9%)、Box Business(8.6%)、Fileforce(3.5%)と続いた(データ5)。オンラインストレージでも動画共有ニーズが拡大傾向にあり、コロナ禍によるリモートワーク移行で外部からセキュアにアクセスできる点が利用拡大につながっている。

【データ5】最も利用するオンラインストレージ(有料版/単一回答)


<出典:MM総研>

 

Web会議システムなどのコラボレーションツールは、主軸となる機能をベースに親和性の高い機能を追加、もしくは他SaaSとのAPI連携を図ることで業務に欠かせないコミュニケーション基盤(プラットフォーム)になっていくだろう。
一方で、システム単体としてはコモディティ化が進み差別化も難しくなっている。
そのなかで大容量データへの対応などの機能強化を求められており、今後もコストパフォーマンスの高い製品・サービスを提供できるかがシステム提供事業者にとっての課題となっている。


■編集後記

DXにも背中を押され、そして新しい生活様式の名のもとに”新しい働き方”も求められ、コラボレーションツールは益々必要不可欠な存在となる。
Microsoft 365(旧Office 365)はビジネスツールとして広く普及していると思われるが、ことオンラインストレージとしての利用は3番手というのが興味深い。
無料で呼び込むGoogleドライブが1位というのはまだ理解できるが、オンラインストレージの老舗とはいえDropboxが2位につけているのは驚きも感じる。
法律で求められる要件を満たす使い勝手が良いかどうかなど、今後のカギになるのかもしれない。

国内ではデジタル庁も発足し、これにより腰の重い中小企業でも(自分たちが楽になるために)様々な分野で対応を迫られることになり、この分野はさらに進化するだろう。


本レポートは、MM総研様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=513

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