【情シス女子】第18回 「芝居も仕事も人に喜んでもらえることがうれしい」神えりさん
ガイアックス R&D事業部 神えりさん
今回の情シス女子は、ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などソーシャルメディアの構築・運用代行などを手がけるガイアックスのR&D事業部に所属する神えり(じん・えり)さんです。情シスとしてPCの設定などの仕事に励むかたわら、舞台俳優やラジオのMCなどで活躍しています。そんな神さんに仕事への想いと二足のわらじをはく楽しさを聞きました。
(取材・文:ミノシマタカコ 撮影:大塚七恵 ヘアメイク:内藤瑛貴)
<神えりさんプロフィール>
R&D事業部所属。医療事務関連の専門学校卒業後、ヘルプデスクやサーバー保守などの仕事を経て、2015年に中途でガイアックスに入社。会社では情シスとして働く一方で、芝居の俳優やMCのタレントとしても活動するエンターテインメント系の情シス女子。
PC好きで医療の世界から情シスに進路変更
――医療事務の勉強をしていたそうですが、なぜシステム関連の仕事に?
医療の専門学校に行って医療事務の勉強をしていたんですが、その一方で在学時から卒業後にかけて、3年くらいパソコン教室に通っていました。そこでインストラクターの資格を取ったのをきっかけに、PCなどが好きだったので医療事務からITに志望を変えて就職しました。
――インストラクターの仕事は考えなかったのですか?
本当はやりたかったんですけれど、なかなか仕事が見つかりませんでした。私は芝居をやっているんですが、自分の時間もある程度は確保する必要があったんです。そういう事情もあったのとPCの知識を生かせたらと思って卒業後は派遣会社に登録しました。そこでの初めての仕事がユーザーサポートだったんです。
ユーザーサポートの仕事は、「わからないことを教えてあげる」という部分でインストラクターと共通する部分がありました。そして、「わからないことを調べて改善する」という部分もあって、そこに面白みを感じました。
――ユーザーサポート以外にはどのような仕事をしていたのですか。
光ファイバー回線の開通調整担当やサーバー保守、ヘルプデスクの仕事をしました。ヘルプデスクでは「フィールドサポート」という、ユーザーのところまで直接出向いてPCの不具合をチェックする仕事をしていました。
――今はどのような仕事をしているのですか?
R&D事業部という技術開発の部署で、主に新しく入社する人のアカウント作成やPCの設定、PCに関連する購買の手配をしています。
これまでの仕事では、基本的に決められた仕事の範疇の中で作業を行ってきました。今いる会社では、業務をよりよくするためにどうしたらよいのか、自由に考えて仕事ができます。与えられた仕事以外で、自分で考えて改善していけるというところが、今までの仕事と違って面白いです。
それから、今までの会社は私がいなくても仕事が回るように、同じ仕事をしている人がたくさんいました。でも今の会社で私がいる部署は、3人だけのチームで動いているんです。だから、期限が決まっている中でスケジュール調整をして、新しく入社する人にPCを渡すことができた時などには「やりきったなー」という達成感を感じます(笑)。これは今の仕事の中でもやりがいを感じる部分ですね。
――それ以外に、やりがいを感じていることはありますか。
社員の人たちの困ったことを解決した時、その人たちが「よかった」と言って笑顔になるのを見るとすごくうれしいです。例えば、ネットワークにつながらないPCにドライバを入れ直して改善した時、サーバーにアクセスできるように設定した時、その時に喜んだ顔を見ることができると、とてもやりがいを感じます。
トラブルから緊急時には冷静に対処する姿勢を学ぶ
――逆に大変なのはどんな時ですか?
緊急の案件で、PCを引き渡すまでの日数が少ない時ですね。最近では、同じ日に一気に4人の人が入社することがありました。その場合には、PCの準備はもちろんですが、アカウントの作成で他部署との調整も必要になるんです。そうなると、自分が抱えている仕事と調整をつけながら、PCを引き渡す希望日に合わせて準備をしなければいけません。そういう時は結構大変だなと感じます。
――効率よくやるためのなにか工夫はしていますか。
業務はかなり細かく優先順位をつけるようにしています。例えば、午前中までに終わらせればよいのか、最悪明日まで残してよいのかを決めたり、作業時間が長いものに対して今日はどこまで進めるかを決めたりしています。
ただ、「1日にここまでやりたい!」という思いはあっても、それをやると別の仕事が手つかずになることがあります。だから、「本当はもうちょっとやりたいけどここでやめる」というように割り切るようにも時にはしています。
――入社して1年ほどだそうですが、大きな失敗はありましたか?
あります(笑)。メーリングリストを管理するシステムがあるのですが、チェックボタンを1つ入れ忘れると、関連しているグループ全体に新規ユーザー登録の通知が行ってしまうという仕組みになっているんです。一度、そのチェックボックスを入れ忘れて、関係者全員に新規ユーザーのアカウントとパスワードを送ってしまったことがあります。
――それは、どうして分かったのですか?
社内から「アカウントとパスワードが届いたんだけど」と問い合わせがあって、調べたらメーリングリストのシステムから送られていることが分かったんです。すぐ先輩に相談して、誰にメールを送ったかを調べてひとつずつシステムから削除しました。
ミスが分かった時には一瞬「どうしたらよいのだろう。。」と、パニックになってしまいました。でも先輩が冷静に「どうしたらよいか」ということを考えてくれて、すぐに対応してくれたので助かりました。
――メーリングリストの登録者は社内だけだったのですか?
幸いにも社内の人だけでした。その失敗があってから、必要な個所にチェックが入っているか見直すようにしています。それから、何かあった時にはあせっても仕方ないので、気持ちを落ち着けたうえで、どのように対処すればリカバリーできるかを考えることを学びました。
仕事と芝居、二足のわらじで奮闘中!
――プライベートで活動している芝居は「趣味」というレベルではなさそうですね(笑)。
そうですね(笑)。もともと専門学校の時に旗揚げした劇団に入り、2年ほど活動していました。それがとても楽しかったんです。その後、仕事をしながら舞台に出るのが難しくなったのでフリーになってYouTubeの番組MCや司会、ライブのMCなどやっていました。沖縄で放送されているラジオのMCは今もやっています。お芝居はどうしても2~3か月の時間がとられてしまうので、今は単発のものだけをやっています。
ラジオ番組(左)とYouTubeの番組に出演した時の神さん
――芝居にはどんな楽しみがありますか?
一番楽しいのが、見ている人が喜んでくれている様子を、すぐ目にすることができることですね。私は、お芝居を見ている人が「うわー!」ってなっている顔を見るのが好きなんです。そういう意味では喜んでいる姿を見たいということが、お芝居でも仕事えも原動力になっていますね。
――芝居などの活動が仕事に生かされていると思うことはありますか?
お芝居では自分が嫌いなキャラクターを演じることがあります。その時には、「どうしてその人がこんな風に考えるのか、辛いのか、笑っているのか」といったことを深く掘り下げて考えて役作りをするんです。
ファッション感覚がずれたオペラ歌手の卵の役で舞台に出演した時の神さん
そのおかげで、仕事で、いろいろな感情を持った人に会った時に、ただ相手を受けとめるだけではなく、例えば、怖い顔をいている人が「どうしてこんな怖い雰囲気になっているのかな?」と相手の気持ちを想像して、冷静に状況を分析できるようになりました。だから、どんな人に会っても「あの人は嫌だ!」とはならないんです。これが役立っていることですね。
情シスは「IT関係の悩み相談所」
――神さんにとって情シスはどんな仕事ですか?
社内の「IT関係のお悩み相談所」で、社員がそれぞれ円滑に仕事するためのサポートだと思います。
――今後、仕事でこんな風になりたいという目標はありますか。
今は基本的に社内のユーザーサポートがメインで、プログラムやサーバーをコマンドでコントロールする技術がないんです。だから、今後はプログラムを組んだり、サーバーで障害が起きた時に確認できるようになりたいなと思っています。
最後に情シスとしての目標を書いてもらいました!
<インタビューを終えて>
サービス精神が旺盛で「人に喜んでもらいたい!」という気持ちが、取材時の様子からも感じられた神さん。今の仕事は、自分が「うれしいと思ってもらえること」を突き詰めた結果、たどり着いたものなのかなと思いました。仕事と芝居やMCをこなしていくのは大変だと思いますが、2つの世界で、これからもどんどん活躍することを期待してます!
ガイアックス
http://www.gaiax.co.jp/
●事業内容:ソーシャルメディア、シェアリングサービス、インキュベーション事業
●本社:東京都品川区西五反田1-21-8 KSS五反田ビル8階
●設立:1999年3月
●従業員数:126名(2015年12月時点)
●売上高:52億1400万円(2015年12月期連結)
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