【情シス女子】第25回 「情シス、人事、総務、広報とオールマイティーな人を目指したい」千須和瞳さん

2016/11/18

ARアドバンストテクノロジ 経営管理部 情報システムグループ 千須和瞳さん

ARアドバンストテクノロジ 経営管理部 情報システムグループ 千須和瞳さん

今回の情シス女子は、クラウドの自動化ソリューション、コンタクトセンターソリューションなどのITサービスを提供するARアドバンストテクノロジで、経営管理部情報システムグループに所属する千須和瞳(ちすわ・ひとみ)さんです。現在は社内外にいるエンジニア社員や社内の営業社員が使うシステムのサポートを行っています。新卒で入社し社外での常駐エンジニア業務を経て本社に勤務した千須和さん。同社では珍しいキャリアの持ち主といいます。その理由とは? (取材・文:ミノシマタカコ 撮影:松波賢 ヘアメイク:眞田かほり)


<千須和瞳さんプロフィール>
ARアドバンストテクノロジ 経営管理部 情報システムグループ所属。大学では情報科学を学ぶ。新卒でARアドバンストテクノロジ入社。社外の常駐エンジニアを経て、現在は本社で社内外にいる社員のITのサポートを行っている。野球観戦とおみこし担ぎが趣味というアクティブ系情シス女子。


常駐した外資系企業で情シスとして鍛えられる

――新卒入社で最初はどのような仕事をしていたのですか?

入社当初は、EC(電子商取引)の会社に出向して、サービス推進企画グループの常駐エンジニアとして働いていました。その後、外資系企業に情シスとして出向になりました。2社目は国内の支社数も多い、とても大きな会社で問い合わせが多かったのが印象的でした。今は、本社の広報、総務、人事を兼務しながら、情シスの仕事をしています。

――4つ兼務とは大変ですね。情シスとしては、どのような業務をしているのですか。

社内にいる営業やエンジニア、そして社外で常駐として働いているエンジニアが使う社内システムのヘルプデスク的なサポート業務を行っています。またPCの貸し出しやアカウント管理などもしています。

――エンジニアから、なぜ情シスになったのですか?

「もっといろいろな人とかかわる仕事がしたい!」という思いがあったんです。その時に「情シス」という仕事を知り、希望を伝えたら異動させてもらえました。そこで、2社目になる外資系企業で情シスとして働くようになったんです。そして、その会社では情シスとして鍛えられました(笑)。

――例えば、どんなことですか?

外資系だからと思うのですが、社内にいる人の3~4割が外国人でした。日本語は話せるのですが、難しい話になると通じないことも多かったんです。おかげで外国人の方と話すことに対して、臆することがなくなりました。また、ITの知識がない人も多かったので、細かくわかりやすく丁寧に説明することが求められました。人によってサポートの仕方が変わってくるので、かかる手間と求められているサポート内容のバランスをとるのが大変でした。

社員が大好きで本社への異動を希望

――同じ情シスでも外部と本社で働くことは違いますか?

外部に出向している時は1人で常駐することが多かったので心細い部分がありました。今は本社なので「同じ会社の社員と働いている!」という実感があるんです。上司や同僚がすぐ身近にいて、いつでも相談できるのもうれしいし、楽しいです。

私はコミュニケーションが好きなので、いろんな社員の人と雑談できる今の仕事が楽しい。外部にいた時にもお客さんと雑談はしましたが、今ほどリラックスはできませんでした。今いる本社は笑い声が飛び交う職場なので、毎日ワクワクしながら出社しています(笑)。

――今の部署への異動も希望だったんですか?

そうです。私は人と接する仕事が好きでしたし、何よりも社員のみんなが好きなんです(笑)。今年(2016年)6月に募集があり、前の職場での仕事をしながら働いて、8月から本社勤務となりました。

私の会社では今まで技術職からコーポレートの部署に異動した例はあまりないようなんです。また、新卒でエンジニアとして働いた後にコーポレートに異動というのは、新しい試みと言われました。その点はプレッシャーを感じています(笑)。新卒採用も毎年増えていますし、いずれエンジニアからコーポレートの部署に異動したい人もいると思うんです。だから、私が成功事例となれるようにがんばりたいです。

――本社勤務の大変さはありますか?

会社は外部に常駐していて本社に顔を出せない人が多いんです。そのため、社員からの問い合わせは必然的にメールか電話になります。そうなると、顔を見て話せないので、食い違いが出ないように伝え方には気を付けています。

おみこしを担ぐことで逃げない姿勢を学んだ

――趣味は野球観戦だそうですね。応援する球団はありますか?

中日ドラゴンズです! 愛知県出身ではないんですけど(笑)。友達が中日ファンで、初めて生で見たプロ野球の試合が中日対ヤクルトだったんです。その時の試合が本当に楽しくて。それ以来ハマってしまいました。「熱烈な野球ファンは怖い」という印象があったのですが、実際は違って、分からないことは優しく教えてくれたりします。それから、点が入った時に知らない人と一緒に盛り上がれるのも楽しいんです。

――もう1つの趣味がおみこしを担ぐことだとか?

こちらも知り合いの紹介で参加したらハマってしまいました(笑)。今は担ぎ手の会に所属しています。おみこしは活気のある雰囲気が楽しいんです。ただ、担ぐとあざができたりと痛いこともあります(笑)。でも、それが頑張った勲章だと自分では誇りに思っているんです。父も以前は担ぎ手でした。私がみこしの担ぎ手になったことを喜んでいるので、ずっと続けていこうと思っています。

おみこしを担ぐ千須和さん。左は所属する「祭祀會」のはんてんを着て駒澤大学で。右はパレード用のはんてんを着てさいたま市の浦和で。いずれも一番手前が千須和さん。

おみこしを担ぐ千須和さん。左は所属する「祭祀會」のはんてんを着て駒澤大学で。右はパレード用のはんてんを着てさいたま市の浦和で。いずれも一番手前が千須和さん。

――趣味が仕事に役立ったことはありますか?

野球観戦、おみこしを通じて年配の人と話すのが得意になりました。これは上司などと話す時に役立っています。それから、おみこしを担ぐことでがまん強くなりました。おみこしの担ぎ手にはどんなにつらくても担ぎ続けなければいけない。忍耐が求められるんです。担ぎ手が途中で抜けたら、すごくカッコ悪い。私は社会人になりたての頃はつらいことや嫌なことから逃げがちだったんです。でも、おみこしを担ぐようになって忍耐強さが身に付いたと思います。今では自分の限界と戦いつつ、カッコよく見せようとがんばっています(笑)。

情シスは区切りのない仕事、サポート役は苦じゃない

――千須和さんにとって、情シスとはどんな仕事ですか?

会社によっていろいろとは思いますが、私の中では社員の人たちが業務を円滑に進めるために裏から支える仕事だと思っています。スポットが当たるような業務ではない。でも、私はサポート役の情シスの仕事は苦じゃないんです(笑)。

会社にいる人たちみんなが好きだという千須和さん。周りの人とはいつもコミュニケーションをとっている

また、ITシステムの開発は終わりがありますが、情シスには、そういう仕事の区切りや切れ目という終わりはありません。その代わりに、サポートを通して人から感謝されるなど、日々気持ちが暖かくなるような瞬間がある。それが情シスの仕事のいいところだと思います。

――今後、仕事での目標はありますか。

情シスの仕事にとどまらず、人事、総務、広報と、すべてをオールマイティーにこなせる「何でも屋」を目指していきたいです。ただ、今は情シスの業務以外はあまりできていません(笑)。今後はバランスを取っていきたいですね。

私の会社では、以前1人の方が情シスをやっていたんです。だから、社員のみんなは情シスというと、その人のイメージが強く残っているんです。そこで、これからは私が情シスというイメージを社内に広めていきたいと思っています。「千須和もいるよ~!」と声を出して(笑)。

最後に今後の目標を書いてもらいました!

最後に今後の目標を書いてもらいました!

<インタビューを終えて>
「情シスで逃げの姿勢が前向きに変わりました」。千須和さんは情シスになったことで自分の中で起きた変化をこう話してくれました。今では苦手なことをあえて自分のタスクに取り入れているそうです。情シス、広報、総務、人事と4つの業務を担当するのは、このことが理由の1つにあるのかなとも思いました。会社、仕事、社員のみんなが大好きという千須和さん。これからも情シスの仕事を通じて社員の人たちに温かい愛を注ぎ続けてください!


ARアドバンストテクノロジ
http://ari-jp.com/

●事業内容:ITコンサルティング、プロフェッショナルサービス
●本社:東京都渋谷区渋谷1-14-16 渋谷野村證券ビル8F
●設立:2010年1月
●従業員数:232人(2016年11月時点)
●売上高:非公開


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