システム監査技術者は独学でも取得できる?勉強方法や注意点を解説
システム監査技術者は、情報システムの監査を担う監査人や責任者を対象とした情報処理技術者試験です。
システム監査技術者の資格取得を考えている方にとっては、難易度や独学での取得可否などが気になるのではないでしょうか。
そこで本記事では、システム監査技術者資格の概要や難易度、独学での取得可否、独学方法などを解説していきます。
この記事の目次
システム監査技術者とは?
はじめに、システム監査技術者の試験概要や過去問情報、問われる知識・スキルについて見ていきましょう。
システム監査技術者の概要・難易度
システム監査技術者は、情報処理推進機構(IPA)が実施している情報処理技術者試験の高度区分の一種です。情報処理系では希少な国家試験であり、情報システムの監査に関する高度な知識・技能を測る資格となっています。
試験は年に1回秋期に実施され、合格率は約16%(令和3年度)です。プロジェクトマネージャやITストラテジストなどの他の高度区分と同様に合格率は低く、難関資格であるといえます。
試験時間や出題形式は下表のとおりです。
午前Ⅰ | 午前Ⅱ | 午後Ⅰ | 午後Ⅱ | |
試験時間 | 9:30~10:20(50分) | 10:50~11:30(40分) | 12:30~14:00(90分) | 14:30~16:30(120分) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 多肢選択式(四肢択一) | 記述式 | 論述式 |
出題数 解答数 |
出題数:30問 解答数:30問 |
出題数:25問
解答数:25問 |
出題数:3問 解答数:2問 |
出題数:2問 解答数:1問 |
参考:システム監査技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
システム監査技術者の過去問と解答・講評リンク
システム監査技術者の過去問と解答、講評リンクを以下に掲載します。
事前に過去問を解いて自分自身の間違いやすい箇所などを把握し、受験に備えていくことが大切です。
午前Ⅰ:問題、解答
午前Ⅱ:問題、解答
午後Ⅰ:問題、解答、講評
午後Ⅱ:問題、解答、講評
参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:問題冊子・配点割合・解答例・採点講評(2022、令和4年)
システム監査技術者で問われる知識・スキル
システム監査技術者試験では、主に以下に関する知識・スキルが問われます。
- 情報システムの企画から保守までの一連のプロセスにおけるリスクとコントロール
- 法令やガイドラインに準じた監査計画の立案および実施、管理
- 適切な監査要点の設定や監査技法の適用
- 監査結果の論理的な整理および改善提案、事業場のフォローアップ
上記のとおり、システム監査技術者は情報システムの監査を担う監査人や責任者を対象とした試験といえるでしょう。
システム監査技術者は独学でも合格が狙える
システム監査技術者試験は、独学でも合格は可能です。
システム監査技術者試験の受験には年齢や職歴、特定の講座受講などの条件はなく、独学でも筆記試験で必要な得点を満たせば合格できます。
ただし、システム監査技術者は十分な情報システムの開発経験や監査経験がある前提で問題が出題されるため、これまでの業務経験を基にしっかりと準備することが求められるでしょう。
参考までにシステム監査技術者試験の最年少合格年齢は22歳であり、全試験区分のなかで最も高いことからも、特に経験が求められる試験であるといえます。
システム監査技術者の独学方法
システム監査技術者を独学で取得するためには、以下に挙げる方法で学習していくことが効果的です。
- 過去問題を繰り返し解いて試験に慣れる
- システム監査の事例を調査する
過去問題を繰り返し解いて試験に慣れる
システム監査技術者試験にはおおよその出題傾向があるため、過去問題を解いて出題傾向を掴むことが合格への近道です。
特に独学の場合は、身近に教えてくれる講師などがいないため、過去問題を頼りに試験対策をするのが王道の対策であるといえます。
過去問題を解いて、自分が間違えた箇所の原因や対策をしっかりと行い、時間を置いて再度過去問題を繰り返し解いていくことが有効な勉強方法となるでしょう。
システム監査の事例を調査する
過去問題に加えて、システム監査の事例についてインターネットや書籍などで調査しておくことも有効です。
さまざまな業界におけるシステム監査の事例を知っておくことで、論述問題を解く際などの題材にできます。
システム監査技術者の合格を独学で目指す際の注意点
システム監査技術者の合格を独学で目指す際は、以下の点に注意しましょう。
- システム監査の専門用語や流れを把握する
- システム監査人としての視点で試験に臨む
システム監査の専門用語や流れを把握する
システム監査技術者の合格を独学で目指す際は、標準的なシステム監査の流れや専門用語などを押さえていくことが重要です。
独学の場合は、セミナーやスクールなどで専門家から教えてもらえる機会がないため、我流でのシステム監査手順にならないよう注意する必要があります。
たとえば、経済産業省が公表している「システム監査基準」や「システム管理基準」に目を通し、システム監査・管理における標準的な基準を習得するようにしましょう。
システム監査人としての視点で試験に臨む
システム監査技術者試験は、システム監査人を対象とした試験であり、試験内容もシステム監査人による回答を前提としています。
そのため、システム監査人としての実務経験がなかったとしても、試験ではシステム監査人の立場・視点で回答することが必要です。
たとえば、システム監査を受ける側の立場として論述問題に回答した場合、不合格となる可能性が高まるため注意しましょう。
まとめ
システム監査技術者は、情報システムの適切な管理・運用状況を監査する専門家を対象とした試験です。受験にあたって特定のセミナー受講などの条件はなく、必要な得点さえ取れれば独学でも合格できます。
しかし、十分な開発経験や監査経験を前提とした難関資格であるため、合格するためには過去問対策や監査事例の収集などの準備が不可欠です。
経済産業省が定めたシステム監査基準やシステム管理基準などもしっかりと読み込み、独学での合格に向けた準備を進めていきましょう。
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