プロジェクトマネージャは、システム開発プロジェクトなどのプロジェクト責任者を対象とした情報処理技術者試験です。
プロジェクトマネージャの資格取得を考えている方にとっては、資格の価値や取得メリットなどが気になるのではないでしょうか。
そこで本記事では、プロジェクトマネージャ資格の概要や難易度、資格の価値、取得メリットなどを解説していきます。
この記事の目次
プロジェクトマネージャ資格とは?
はじめに、プロジェクトマネージャ資格の概要や難易度、PMPとの違いについて解説します。
プロジェクトマネージャ資格の概要と難易度
プロジェクトマネージャは、情報処理推進機構(IPA)が主催している情報処理技術者試験の1つです。
情報処理系の分野では希少な国家試験であり、他の高度試験区分であるITストラテジストやシステムアーキテクトなどと並んで、高レベルな知識・技能を測る資格となっています。
試験は年に1回秋期に実施され、合格率は約14%(令和3年度)です。受験者のなかでおよそ7人に1人が合格する計算になるため、難関資格といえるでしょう。
試験時間や出題形式は下表のとおりです。
午前Ⅰ | 午前Ⅱ | 午後Ⅰ | 午後Ⅱ | |
試験時間 | 9:30~10:20(50分) | 10:50~11:30(40分) | 12:30~14:00(90分) | 14:30~16:30(120分) |
出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 多肢選択式(四肢択一) | 記述式 | 論述式 |
出題数 解答数 |
出題数:30問 解答数:30問 |
出題数:25問 解答数:25問 |
出題数:3問 解答数:2問 |
出題数:2問 解答数:1問 |
参考:プロジェクトマネージャ試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
プロジェクトマネージャ資格の過去問と解答・講評リンク
プロジェクトマネージャの過去問と解答、講評リンクを以下に掲載します。プロジェクトマネージャ試験に合格するためには、過去問対策をすることが重要となるため、しっかりと受験前に過去問を解いておきましょう。
午前Ⅰ:問題、解答
午前Ⅱ:問題、解答
午後Ⅰ:問題、解答、講評
午後Ⅱ:問題、解答、講評
参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:問題冊子・配点割合・解答例・採点講評(2022、令和4年)
PMPとの違い
プロジェクトマネージャに関する有名な資格には、米国PMIが主催するPMP(Project Management Professional)もあります。 プロジェクトマネージャとPMPの主な違いは、以下のとおりです。
- プロジェクトマネージャは国家資格、PMPは米国PMIが主催する国際民間資格。
- 試験形式はプロジェクトマネージャが選択式+論述式、PMPはすべて選択式。
- 受験料はプロジェクトマネージャが7,500円、PMPが555ドル(PMI会員の場合は405ドル)。
- プロジェクトマネージャには資格更新料がないが、PMPでは3年ごとに150ドル(PMI会員の場合は60ドル)の更新料がかかる。
試験形式や受験料、資格更新の有無などを踏まえ、どちらの試験を受験するか検討するとよいでしょう。
プロジェクトマネージャは意味ない?資格の価値は人によって異なる
プロジェクトマネージャ資格は、プロジェクトマネジメントに関する希少な国家資格です。取得難易度も高いことから、価値がある資格といえます。
ただし、プロジェクトマネージャ資格の価値を十分に発揮できるかどうかは、受験者の仕事内容や本人の今後の活動次第です。たとえば、業務でプロジェクトマネジメントに従事していて、今後もプロジェクトマネジメント領域でスキルアップしたい人にとっては、価値の高い資格となるでしょう。
一方で、難関資格の取得による肩書きや職務経歴書への記載だけを目的にしている人にとっては、意味のない資格となる可能性があるため注意が必要です。
プロジェクトマネージャ試験はすごい?2つのメリット
プロジェクトマネージャの資格を取得するメリットとしては、主に以下の2つが挙げられます。
- 年収アップが期待できる
- 転職時にスキルをアピールできる
年収アップが期待できる
IT企業などでは、プロジェクトマネージャの昇給・昇進の要件として、プロジェクトマネージャ資格の取得を設定している企業も存在するため、昇給による年収アップが期待できるでしょう。
加えて、社内の重要なプロジェクトにプロジェクトマネージャとしてアサインされる機会も増え、昇進にもつながる可能性があります。
参考までに、プロジェクトマネージャの平均年収は、経済産業省の調査によると891.5万円です。
転職時にスキルをアピールできる
プロジェクトマネージャの資格を取得することで、プロジェクトマネジメントに関する高度な知識やスキルを客観的に証明できるうえに、転職時が有利になるメリットもあります。
プロジェクトマネージャに関する希少な国家資格であり、合格率も低いため、職務経歴書に記載することで面接官から高い戦力であると評価されやすくなるでしょう。
大手企業の大規模なシステム革新プロジェクトのPMポジションであれば、年収1,000万円以上も狙えます。
プロジェクトマネージャ試験の2つのデメリット
プロジェクトマネージャ試験には前述のメリットがある一方、2つのデメリットも挙げられます。
- 試験の難易度が高く、合格までの準備期間が必要
- 年に1回しか受験する機会がない
プロジェクトマネージャ試験の難易度は高く、合格するには一定の準備期間が必要です。具体的な期間は個人差がありますが、数カ月程度は要するでしょう。
また、プロジェクトマネージャ試験は年に1回(秋期)しか実施されません。合格を逃すと1年間の期間が空いてしまうため、スムーズに何度も受験できない点もデメリットです。
プロジェクトマネージャ資格がおすすめの人
プロジェクトマネージャ資格は、以下のような人におすすめです。
- プロジェクトマネジメント経験を体系的に整理したい人
- プロジェクトマネージャとしてのキャリアを確立したい人
プロジェクトマネジメント経験を体系的に整理したい人
仕事でプロジェクトマネジメントを経験している人は、自分のマネジメントのやり方が間違っていないか気になるケースも少なくありません。
しかし、プロジェクトマネージャ資格の取得に向けて勉強することで、PMBOKに基づいた体系的なプロジェクトマネジメントの知識を習得できます。資格取得を通じて、仕事でのプロジェクトマネジメント方法を見直すきっかけにもなるでしょう。
プロジェクトマネージャとしてのキャリアを確立したい人
プロジェクトマネージャとしてのキャリアを確立したい人にもおすすめできます。プロジェクトマネージャは、特定の技術のスペシャリストではなく、プロジェクト全体を俯瞰する責任者としての立場です。
したがって、スペシャリスト志向よりもジェネラリスト志向のエンジニアに向いているといえます。
まとめ
プロジェクトマネージャは、IT人材のなかでもプロジェクト責任者を対象とした情報処理技術者試験です。
合格率が約14%(令和3年度)の難関資格であることや希少なIT国家資格であることを踏まえると、プロジェクトマネージャ資格には価値があるといえます。
ただし、価値を十分に発揮できるかどうかは、受験者の仕事内容やキャリアプランによるでしょう。
プロジェクトマネージャとしてのキャリアを確立したい人やマネジメント経験の体系的な棚卸しをしたい人にとっては、プロジェクトマネージャの資格は十分に価値があるはずです。
資格取得を通じて、プロジェクトマネージャとしてのスキルアップを目指してみてください。
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