情報セキュリティインシデントとは?種類や事前対策、事後対応を解説

情報セキュリティインシデントとは、会社や組織の大事な情報資産をおびやかす事件や事故を指します。企業で働くご担当者の方にとっては「情報セキュリティインシデントは他人事ではないので、対策方法などをよく理解しておきたい」という方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、情報セキュリティインシデントの概要や代表的な種類、事前対策、事後対応を解説していきます。

 

情報セキュリティインシデントとは?

はじめに、情報セキュリティインシデントの概要や防止すべき理由について解説します。

情報セキュリティインシデントの概要

情報セキュリティインシデントとは、会社や組織が持つ情報資産に対して、重大な事態に発展しかねない事件や事故のことを指します。情報セキュリティインシデントが発生する要因はさまざまであり、たとえば以下のようなケースが挙げられるでしょう。

  • 外部からのサイバー攻撃による被害
  • 内部不正
  • 従業員による人的ミス
  • 自然災害による設備故障

要因は多岐にわたるものの、いずれの要因にも共通して言えることは、社内の情報資産の流出や破損につながる事態になりうるということです。

・なぜ情報セキュリティインシデントは防ぐべきなのか?

情報セキュリティインシデントを防止すべき理由は、社内の機密情報や顧客情報の漏えいにつながるおそれがあるためです。社内の機密情報や顧客情報が漏えいした結果、社会的信用の失墜や顧客離れを引き起こし、企業の存続が危ぶまれる事態にもなりえます。

また、情報漏えいに対する損害賠償や対応コストなどが発生し、金銭的にも甚大な影響が生じてしまいます。

大切な顧客や自社の従業員、株主などのステークホルダーを守るためにも、情報セキュリティインシデントを防止していきましょう。

 

情報セキュリティインシデントの代表的な種類

ここでは、情報セキュリティインシデントの代表的な種類を以下4つ解説します。

  • マルウェア感染
  • 不正アクセス
  • パソコンなどの端末の紛失や盗難
  • 自然災害による設備やサーバーの故障

①マルウェア感染

マルウェアはパソコンなどの端末に悪影響を与えるソフトウェア全般を指し、マルウェア感染は代表的な情報セキュリティインシデントの1つです。たとえば、コンピュータウイルスやトロイの木馬などが挙げられ、マルウェア感染によるパソコンの強制操作により情報流出やメールの不正送信などの被害が生じます。

マルウェア感染の事例については、以下の記事も合わせて参考にしてください。

関連記事:「【2022年最新版】国内のマルウェア感染事例7選|事例から上半期の傾向をご紹介

②不正アクセス

外部から社内ネットワークへの不正アクセスにより、機密情報の流出やデータの改ざんなどの被害が挙げられます。不正アクセスを防ぐためには、類推されにくいパスワードの使用や定期的なセキュリティパッチの適用が大切です。

不正アクセスの原因など詳細を知りたい方は、以下の記事も合わせて参考にしてください。

関連記事:「不正アクセスの原因とは?企業が取るべき防止策も紹介

③パソコンなどの端末の紛失や盗難

パソコンやスマートフォン、USBなどの端末を紛失したり、盗難に遭ったりする事例も情報セキュリティインシデントの1つです。

④自然災害による設備やサーバーの故障

自然災害によって社内設備やサーバーが故障し、社内の重要な情報が消失してしまうこともあるでしょう。自然災害などを完全に防ぐことは困難ですが、こちらも情報セキュリティインシデントの1つです。

 

情報セキュリティインシデントの事前対策

情報セキュリティインシデントに対して事前にできる対策として、以下の3点を紹介します。

  • 定期的に従業員教育を実施する
  • 情報資産やアカウント情報の棚卸しを行う
  • 対応体制や連絡ルートの整備

①定期的に従業員教育を実施する

情報セキュリティインシデントの原因の1つに、従業員の情報セキュリティリテラシーの低さが挙げられます。パスワード設定や端末管理など、情報セキュリティに関する従業員への教育を定期的に行うことが重要です。

②情報資産やアカウント情報の棚卸しを行う 

社内のパソコン端末やシステムで使用しているアカウント情報などの棚卸しを行い、常に最新情報として管理しておくことも大事なポイントです。

③対応体制や連絡ルートの整備

万が一、情報セキュリティインシデントが発生した場合でも迅速な対応ができるよう、あらかじめ社内の対応体制や連絡ルートを決めておきましょう。

 

情報セキュリティインシデントの事後対応

情報セキュリティインシデントが発生した際には、以下に示す手順で事後対応を行うことが大切です。

  • 被害拡大の防止
  • 連絡ルートを使って関係者に連絡
  • 原因調査・対策実施
  • 再発防止策の検討

①被害拡大の防止

情報セキュリティインシデントが発生したら、まずは被害を最小限に食い止めることが肝要です。たとえばマルウェア感染などの場合は、感染したパソコンなどの端末をインターネット接続から切り離し、二次感染を防ぐようにしましょう。

②連絡ルートを使って関係者に連絡

被害拡大防止の初動対応をしたあとは、あらかじめ整理しておいた連絡ルートを使って、責任者や関係者に緊急連絡を行います。

③原因調査・対策実施

情報セキュリティインシデントの原因調査を行うとともに、インシデントを解決するための対策を行います。責任者や関係者を集めて、緊急対策会議などを開催する場合もあるでしょう。

④再発防止策の検討

次回以降、同様の情報セキュリティインシデントが発生しないよう再発防止策を検討し、社内への周知を行います。今回発生した情報セキュリティインシデントの教訓を受けて、同じインシデントを繰り返し発生させないことが大切です。

 

まとめ

情報セキュリティインシデントとは、サイバー攻撃や内部不正、人的ミスなどによって重要な情報資産の流出・破損につながるセキュリティ事故です。要因は、マルウェア感染や不正アクセス、情報機器の紛失・盗難、設備故障など多岐にわたります。

「ヒト」「モノ」「環境」といったさまざまな要素が関係するため、情報セキュリティインシデントを完全になくすことは困難であるのが実態です。しかし、適切な事前対策や事後対応を行うことで、情報セキュリティインシデントの被害を最小限にとどめることはできます。

情報資産の最新化や従業員教育、連絡ルートの整備などを行い、情報セキュリティインシデントに対して万全に備えていきましょう。

 

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