国内ITインフラストラクチャサービス利用者調査(2021)-IDC

IT専門調査会社 IDC Japanは、国内企業および団体678社のCIO、IT部門マネージャーまたはそれに準ずる人を対象としてITインフストラクチャサービスへの投資動向に関する調査を行い、その結果を発表しています。
利用者視点でITインフラ関連サービスを利用するにあたっての注目点など、ベンダーの気になる結果も含まれていることにも注目です。

 

企業にITインフラストラクチャサービスへの支出の中で、2021年度に投資が予定されているテクノロジー領域を尋ねたところ、サイバーセキュリティおよびリモートアクセスを挙げる回答が産業分野を問わず共通して多く、回答率は全体でそれぞれ1位、2位を占めています。一方、例えば製造業における5Gのように、特定の産業分野で重視される領域も見られています。
コロナ禍の現在、オフィスで働くという従来のスタイルはもはや過去のものとなりました。新しい生活様式で求められる働き方を実現するためにもサイバーセキュリティの強化はIT部門にとって重要な課題となっています。

ITインフラ関連サービスにおけるベンダー選定要因を尋ねた結果を産業分野別に見ると、多くの産業分野においてサイバーセキュリティの強化が信頼性/可用性や価格と共に重視されています(図参照)。

ITインフラ関連サービスの利用にあたりベンダー検討で重視する点(産業分野別、抜粋)

Notes:

  • n=678
  • 全体での回答率1位~7位の項目を抜粋
  • サンプルサイズが小さい「通信/サービス」「政府/公共」は省略

Source: IDC Japan, 9/2021

一方、大規模で複雑なITインフラ環境を持つ企業の多い金融、製造、情報サービスでは、プラットフォーム上で標準化、定型化されたas-a-Serviceの形でITインフラを提供する統合プラットフォーム型ITインフラストラクチャを重視するとの回答率が20%を超えています。

クラウドインフラストラクチャの利用理由においても、従業員規模などによって需要の差異が見られました。
例えば大企業においては、パブリッククラウド、プライベートクラウド共、IoT(Internet of Things)基盤やHPC(High Performance Computing)基盤のような大容量かつ高速なデータ伝送や処理を必要とする用途への導入や、海外拠点対応のための利用などを挙げる回答率が高くなっています。

As-a-Service型サービスや5Gなど、新しいビジネスモデルやテクノロジーが加わる一方、大容量、高速な通信へのクラウド活用も進み、それがITインフラサービスの従業員規模や産業分野ごとのニーズの違いを顕在化させつつあります。
「サービスベンダーは、新しいテクノロジーや従業員規模/産業分野ごとのニーズの違いを組み込んだ上で標準化したサービスメニューの設計に注力し、迅速かつ効率的なITインフラストラクチャの提供を目指すべきである」と、IDC Japan ITサービスのシニアマーケットアナリストである吉井 誠一郎氏は述べています。

 

今回の発表はIDCが発行した2021 年 国内 IT インフラストラクチャサービス利用者調査 (JPJ47045521)にその詳細が報告されています。
本レポートでは、ユーザー企業のITインフラストラクチャサービスに対する支出動向、課題や取り組み、クラウドインフラストラクチャサービスの利用動向などに対する調査結果とそれに基づく分析をまとめています。

 

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