デジタル化推進のために必要なIT組織文化の4つの重要な指標-ガートナー

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の影響により、デジタル・ビジネスはかつてないスピードで加速しています。
多くのCEOは短期間でのV字回復を期待しており、この機会を生かそうとデジタル能力への投資を続けています。
CIOとITチームは、こうしたデジタル戦略とその実現への鍵を握っていますが、実際にIT組織文化はこの課題に適応できているのでしょうか。ガートナーの記事より「デジタル化推進のために必要なIT組織文化の4つの重要な指標」について、紹介します。

ガートナーのアナリストでバイス プレジデントのダニエル・サンチェス・レイナ氏は、次のように述べています。
「多くのCIOは、IT部門の従業員による現在の仕事の進め方が、デジタル化を推進するためのものとは異なると認識していますが、凝り固まった非生産的な振る舞いを取り除く方法を知っているCIOはほとんどいません。そうしたCIOには、何を変えるべきかを判断できる確実な方法が必要です」

 

組織文化とは、学術的な概念ではなく、組織内における個人の優先事項を決定するものです。組織文化は、長い時間をかけて常態化した振る舞いと行動で構成され、仕事の進め方や優先順位の決定に影響を及ぼします。CIOに求められているのは、デジタル・トランスフォーメーションとデジタル・アクセラレーションを推進するために、IT組織文化を確実に整合させることです。そして、そのためにどのような振る舞いと行動が必要かという点が問われています。ビジネスモデルが変化すれば、最適な振る舞いと行動も変化します。
そのため、IT組織文化とデジタル化を推進するために必要とされることとの間にギャップが広がるのは当然と言えます。しかしCIOは、こうした文化面でのギャップを意図的かつ積極的に診断し、対処しなければなりません。整合性に欠ける振る舞いや行動を常態化させてしまうと、現在および将来にわたって、次第に仕事の進め方が優先事項に対処するのに適さないものになっていきます。さらに悪いことに、IT組織文化が実際にデジタル化の推進を妨げてしまうこともあります。

要するに、デジタル化の推進に適したIT組織文化は、ビジネスモデルの明確な目的に常に整合していなければなりません。そのために、CIOが対処しなければならない事項があります。

 

IT組織文化はビジネスモデルやビジネス戦略と足並みがそろっているか

>デジタル面で成熟したIT組織文化を構築するためには、CIOはまず、現在のビジネスモデルとそれに対応するビジネス戦略における以下の4つの重要な要素について、ITチームの即応性がどの程度であるか判断する必要があります。

  1. 外部の顧客/市民:外部の顧客/市民/ステークホルダー、その業界/セクターの環境、それらに影響を与える外部要因について、IT組織はどの程度熟知し、即応しているか
  2. 価値提案 (バリュー・プロポジション):外部の製品/サービス環境について、IT組織はどの程度熟知し、即応しているか
  3. 能力:ミッション遂行に必要な能力 (情報、テクノロジ、人材、スキル、資産、各エコシステムのステークホルダー) について、IT組織はどのように準備し、調整し、測定しているか
  4. 財務:企業全体の財務状況 (収益源、コスト、リスク、資金調達モデル、財務KPI) について、IT組織はどの程度熟知し、即応しているか

また、意図 (影響を与える要因や環境に対する認識と理解) および行動 (物事を実現するためのチームの献身) の観点から、IT組織の強度を評価することも有益です。

デジタル化を推進するためのIT組織文化の適合性は?

ビジネスモデルとの整合性を評価したら、CIOは現在の成熟度に基づいて、IT組織文化の改善策を講じる必要があります。ガートナーの評価ツールでは、以下のように成熟度レベルを測定できます。

  • レベル1/不整合:IT組織文化は整合性に欠け、その認識もありません。
  • レベル2/認識:IT組織文化は整合性に欠けますが、ある程度認識しています。
  • レベル3/対応:IT組織文化はデジタル・ビジネスのニーズに対応していますが、完全に整合しているとは言い難い状態です。
  • レベル4/整合:IT組織文化は、現在のデジタル・ビジネスのニーズに整合しています。
  • レベル5/先進的:IT組織文化は、現在のデジタル・ビジネスのニーズに整合しており、将来にも備えています。

目標は、レベル5に到達することです。既に大仕事を成し遂げたと感じ、レベル5に達する前に止めてしまう場合もあるでしょうが、それはまだ改善の余地があることを意味します。整合性に欠けた状態で中断すれば、進歩が妨げられる恐れがあることを認識し、状況に応じて継続的に文化的な整合性を高めていく必要があります。

デジタル化に向けてIT組織文化をシフトするための行動例

ITチームが文化面の評価を完了し、デジタル化への適合性を判断したら、デジタル化の成功にとって重大な意味を持つ、あらゆるギャップの解消に向けて行動する必要があります。必要となる行動の例は、以下のとおりです。

外部の顧客/市民

企業が外部の顧客/市民をセグメント化している方法とその理由、そして顧客/市民に到達するためのさまざまなチャネルについて、具体的な情報を共有します。また、業界や競合状況を明確に説明します。

価値提案 (バリュー・プロポジション)

チーム・メンバーでハッカソンやクイズ大会を開催し、製品/サービスのセグメンテーションと予想される成長、企業が製品/サービスの提供に使用しているさまざまなチャネル、各セグメントの主な競合他社とその競争力について具体的に質問します。これを四半期に一度の恒例行事にします。

能力

チーム・メンバーとIT戦略を共有し、組織構造、テクノロジ・リソース、人材のスキルやコンピテンシ、企業の他領域や外部関係者とのやりとりなどにおける強みと弱みについて協議します。デジタル化のゴールに向けて組織を動かすために、IT組織に欠けているものを明らかにします。

財務

「精鋭チーム (Tiger Team)」を任命し、想定される当面のニーズに対応するには、IT予算が (構造的にも内容的にも) どれだけ堅牢で柔軟性があるかを評価します。その結果を部門全体で共有し、CFOやCEOに提示する論理的根拠を考案します。

 


本レポートは、ガートナージャパン様の”Article”の内容を元に作成しております。
ソース:https://www.gartner.co.jp/ja/articles/can-your-it-team-culture-drive-your-digital-ambitions

【海外発プレスリリース】
元となっている資料は、Gartnerが海外で発信したプレスリリースの内容を一部編集し、和訳したものです。原文を含めGartnerが英文で発表したリリースは、以下よりご覧いただけます。
https://www.gartner.com/smarterwithgartner/

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