2020年【10大予測】国内クライアント仮想化市場-IDC
IDC Japanは、国内クライアント仮想化市場における、2020年に起きると予測される主要な事象を、ITサプライヤー向けにTop 10 Predictionsとして発表した。
<2020年 10大予測>
1.使い方の多様化に伴い、多くの代表的なユースケースが市場を牽引する。
2.国内におけるWindows Virtual Desktopの開始によって、パブリッククラウドDesktop as a Serviceが本格的な検討段階に入る。
3.ハイブリッドクラウド環境におけるマイクロソフトのライセンス条項が鍵を握る。
4.モバイルシンクライアント、Chromebookなどの専用デバイス需要が拡大する。
5.オンライン資格確認など法規制対応およびビジネスリスク対策の一環として、VDIが再注目される。
6.ワークスペース、ワークプレイス、ワークソースが働き方改革にとって重要な要因となる。
7.地域創生に紐づくIT施策の一つとしてVCC(Virtual Client Computing)活用が拡大する。
8.クライアント仮想化関連テクノロジー(セキュリティ対策、簡素化/自動化、ユーザーエクスペリエンス向上)の需要が高まる。
9.事業継続性のための仕組みが強化される。
10.5Gにおけるエッジコンピューティングの仕組みをVDIに生かした実証実験が開始される。ローカル5G、Wi-Fi 6、SD-WANなどネットワーク技術の進化が検証段階に入り、促進要因となる。
多くの先進的テクノロジーにより、クライアント仮想化がデジタルワークスペースへ、さらにインテリジェントワークスペースへと進展している。2020年は、インテリジェントワークスペースがさらに進化、深化する年とIDCではみている。
クライアント仮想化市場の拡大要因は「供給サイドのコアテクノロジーおよび関連技術の進化」と「需要サイドの使い方の多様化」の2点に集約される。前者では、Predictions 2、3、8、10が、後者では、Predictions 1、4、5、6、7、9がそれぞれ該当する。
「2020年は、多くの新規テクノロジーが運用段階に入り、ユースケースもさらに増加するであろう。VCCサプライヤーは、多くの選択肢から最適なソリューションを選定し、ユーザー企業と共創しながら前進することが求められている」とIDC Japan PC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストである渋谷 寛 氏は述べている。
今回の発表はIDCが発行したJapan Virtual Client Computing 2020 Top 10 Predictions にその詳細が報告されている。
本調査レポートでは、2019年までの国内クライアント仮想化市場(シンクライアント端末市場、クライアント仮想化ソフトウェア市場、クライアント仮想化ソリューション市場(オンプレミス/DaaS))全体の概況、ユーザー動向、関連企業の動向分析を基に、2020年の該当市場に影響を与える10項目についてまとめている。
5Gの登場で、(料金も含めて)業務使用に適した回線が確保できるのであれば、脱FATクライアントを目指すことで、データセキュリティへの安心は買える。DaaSやVDIなど、その手法は既に存在し、それぞれの使い方に適したサービスを選ぶことができるようになるであろう。もはやデバイス(端末)は認証と表示、入力をつかさどるだけのデバイスとなるのか、2020年は目が離せない。
本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ45977820