国内クライアント仮想化関連市場規模予測-IDC

IT専門調査会社 IDC Japanは、2019年の調査実績をもとに2021年~2025年の国内クライアント仮想化関連市場規模について予測を行い、その結果を発表している。
今回の予測では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大によって、経済、社会、ICT市場全体が影響を受けると考え、Baseline(基本シナリオ)、Optimistic(楽観シナリオ)、Pessimistic(悲観シナリオ)の3つの予測シナリオを作成した。

国内クライアント仮想化ソリューション市場 COVID-19 シナリオ(Baseline/Optimistic/Pessimistic)別売上額予測/前年比成長率、2020年~2025年


Note:
・2019年は実績値 2020年以降は予測
Source: IDC Japan, 6/2020

国内クライアント仮想化市場には、シンクライアント市場、クライアント仮想化ソフトウェア市場、クライアント仮想化ソリューション市場の3つの市場が含まれる。このうち、クライアント仮想化ソリューション市場は、Baseline(基本シナリオ)では、2021年はプラス成長(4.9%)となり2022年以降もリモートワーク/在宅勤務の拡大および定着化によって堅調に推移するとみている。2019年(COVID-19の感染拡大前)の水準に戻るのは、国内経済/ICT市場の回復よりも半年から1年早い2022年以降と予測する。

Optimistic(楽観シナリオ)では、2021年に8.1%成長と回復し、経済やICT市場全体が正常化し、同年には2019年の水準まで戻るとみている。その後はリモートワーク/在宅勤務の大幅な利用者数/企業数の増加が見込まれ、市場全体も成長が継続される。

Pessimistic(悲観シナリオ)では、2023年までマイナス成長(それぞれ-5.0%、-1.0%、-1.0%)となり、プラス成長に転じるのは2024年以降とみている。世界/国内経済、共に停滞し、社会そのものの在り方が大きく変容し、クライアント仮想化市場全体もその影響を受けると考えられる。

2021年はGDPおよびIT投資が共に前年比プラス成長に転じるため、クライアント仮想化市場も投資と需要が復調し、特に、在宅勤務/リモートワーク環境の整備が進み、シンクライアント化端末、DaaS(Desktop as a Service)、モバイル仮想化ソリューションなどを中心にクライアント仮想化ソリューション全般の需要が拡大するとIDCでは予測する。
また、クライアント仮想化技術の進化とユースケースの拡大に伴い、ITインフラリソースの効率化、動的運用、最適化、自動化という要素を取り込みながら、持続性/柔軟性を取り込んだハイブリッドソリューションへ進化すると考えられている。

COVID-19の収束後も、国内の全ての企業において、在宅勤務/リモートワークのメリットが認知されます。自宅が、より快適に働ける環境へと整備され、地方自治体の補助などもあり、郊外/地域などへ移住するケースもその比重を増すと考えられる。
オフィスは縮小/最適化され、コワーキングスペースなど新しい役割を担う事になる。
総じて在宅勤務の割合が増加し、根本的に働き方が変革されると考えられる。
結果として在宅勤務の増加に伴い、情報漏洩対策を確保し、安全安心なエンドポイント環境を提供するクライアント仮想化の需要が高まるであろう。

「2021年は、「ネクストノーマル(The Next Normal:次なる常態)」へ向けた準備段階の時期であり、サステナビリティ(継続性)とレジリエンシー(回復力)が求められている。「自宅のオフィス化」と「オフィスの再定義」が重視されるであろう。ハイブリッドソリューションへ進化するクライアント仮想化は、ネクストノーマル時代のエンドユーザーコンピューティングの施策として需要が拡大する」とIDC Japan PC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストである渋谷 寛氏は述べている。

 

今回の発表はIDCが発行した国内クライアント仮想化市場予測、 2021 年~ 2025 年 にその詳細が報告されている。
このレポートでは、2020年~2025年の国内クライアント仮想化市場について予測を行っており、その対象はシンクライアント市場、クライアント仮想化ソフトウェア市場、クライアント仮想化ソリューション市場の3つの市場である。

 


本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ47729921

 

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