国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーティブワークスペース市場予測-IDC
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大により急速に広まった在宅勤務(テレワーク)。
ワクチンの広まりと共にCOVID-19は終息迎えるであろうが、ワクチン注射にボトルネックがある現状では、今のペースではあと2年、これから改善したとしても少なくともここ1年はまだまだ続きそうな状況である。
また、新しい生活様式の一部として働き方の多様性が着目された今、コロナ禍以前の元通りに戻ることはないと思われる。
そのような環境の中、IT専門調査会社 IDC Japanは、国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーティブワークスペース市場予測を発表した。
2020年の国内ユニファイドコミュニケーション(UC)/コラボレーティブワークスペース市場は、前年比成長率が8.7%、市場規模(売上額ベース)が4,084億7,800万円となっている。
2020年の同市場は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による三密回避の必要性から急速に需要が増加したWeb会議アプリケーション、コンテンツ共有アプリケーションなどのコラボレーティブワークスペース市場を中心に高い成長率で推移している。
COVID-19の感染拡大は国内経済に大きな影響与え、2021年も先行きが不透明な状態が継続しているものの、三密回避など顧客や従業員の行動様式の変容によるユーザー企業における抜本的な働き方改革の動きや、デジタル空間での顧客エクスペリエンス向上施策などの影響もあり、2020年の同市場の成長要因となったと見ている。
その一方で、中小企業および、流通/サービス/公共など対面を前提としてきた業務が多い業種において在宅勤務の導入率は未だ相対的に低い状況にある。一部の飲食店では配膳ロボットなどを使うことで、対面の機会を減らす努力を行っているものの、在宅勤務とはままならない。
国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーティブワークスペース市場予測、2021年~2025年
Note: 本市場予測は、2021年3月末時点における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響および見通しを考慮したものである。
Source: IDC Japan, 5/2021
また、IDCが行った調査において、「働き方改革、在宅勤務促進」の項目で投資強化を行うと回答した企業が多い一方で、在宅勤務における生産性では「顧客とのアポイントメント調整/提案」「社内メンバーへの教育/業務進捗確認」「社内外関係者との調整業務」など調整や相手方の反応に応じた対応を行う業務において、生産性の低下を挙げる割合が高いなどデジタルワークスペース活用の高度化が必要な状況もある。
このような調査結果からIDCでは、2021年以降の同市場の推移について、リモートワークの適用範囲拡大、高度化、Web会議をはじめとした非接触ソリューションに蓄積されたデータ分析/活用需要の拡大により、堅調に成長すると予測している。
その結果、国内UC/コラボレーティブワークスペース市場は2020年~2025年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)4.0%で推移し、2025年には4,968億1,500万円になるとIDCでは予測する。
その内、国内UC市場については2020年~2025年におけるCAGR0.9%で推移し、2025年には1,760億4,100万円になると予測する。
また、国内コラボレーティブワークスペース市場の2020年~2025年におけるCAGRは6.0%で推移し、2025年には3,207億7,400万円になるとIDCでは予測している。
尚、本市場予測は、2021年3月末におけるCOVID-19の影響および見通しを考慮している。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストの太田 早紀氏によれば「国内UC/コラボレーティブワークスペース市場が今後も成長していくために、ITサプライヤーは中小企業へのリモートワーク導入サポートおよびユースケース拡大、デジタルワークスペース活用の高度化を通じた継続的な働き方改革支援、非接触ソリューションに蓄積されたデータ活用による新たな事業機会の開拓を行い、継続的な国内におけるデジタルワークスペース活用の向上を検討すべきである」という。
今回の発表はIDCが発行した国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーティブワークスペース市場予測、 2021 年~ 2025 年 にその詳細が報告されている。本調査レポートでは、国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーティブワークスペース市場の2020年の実績と2021年~2025年の市場予測を提供している。
本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ47686221