NTTドコモ|法人向け共通ID「ビジネスdアカウント」でSSOを実現

株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、法人向けの携帯電話で1500万回線の契約を持つ。従来から契約企業がポイントをためて、端末の購入や修理代金にポイントを充てるサービスはあったが、新たなサービスを展開する。
それが、回線契約を保有する法人向けの共通IDサービス「ビジネスdアカウント」であり、2021年5月13日(木曜)から提供が開始される。

この共通IDサービス「ビジネスdアカウント」とは一体どのようなもので、どのようなメリットがあるのだろうか。

 

共通IDサービス「ビジネスdアカウント」とは

法人企業の利用者(ユーザー)単位で発行される共通IDであり、法人のユーザーが無料で利用できる共通IDである。このアカウントを利用することで、ユーザーはサービスごとに異なるID・パスワードを管理する煩わしさから解放され、IDひとつで、ドコモやドコモのパートナーが提供する各種サービスを利用することができものである。

<出典:ドコモHP>

言ってしまえば、「シングル・サイン・オン(SSO)」サービスである。
「ビジネスdアカウント」は、ドコモやドコモのパートナーが提供するサービスに対応するほか、「ドコモビジネスWi-Fi」や「ドコモビジネスプレミアクラブ」などの会員限定サービスでも利用することが可能であるという。

さらに、リモートワーク推進、労務管理・経費精算などの業務効率化、健康経営支援など幅広いサービスも展開し、2021年度上期中に50種類以上の提供をめざして準備を進めていくという。

<出典:ドコモHP>

SSOであればまず気になるのは、対応するサービスの種類であろう。残念ながら、現時点での対応が決まっているサービスとしては「ドコモビジネスWi-Fi」や「NewsPicksを利用した新しいメディアサービス」程度であり、SSOとしての利用価値はないと言わざるを得ない。
対応サービスがなければ、いくらSSOが無料であってもその意味はなく、今後どこまで対応するサービスが増えるのか、”ドコモ”ブランドが試されるところであろう。
しかしながら、自社で使っているクラウドサービスの多くが仮に「ビジネスdアカウント」対応になった場合は、無料で使えるSSOとして検討の余地が出てくることは間違いない。併せてモバイル端末のID管理もできるので、情シスとしては一考の余地はあるであろう。

 

特長(1)各種サービスを”便利に”利用

  • 法人企業において、これまで使用するサービスごとに異なるID・パスワードを使い分けてサ ービスを利用していたものが、IDひとつで、シングル・サイン・オン(SSO)が可能ため煩わしいID・パスワードの管理から解放され“便利に”ご利用いただけます。
  • 登録された利用者情報は、「ビジネスdアカウント」対応サービスや会員限定サービスに連携され、初回登録時の情報入力など手間を削減できる。


<出典:ドコモHP>

特長(2)各種サービスを”安全に”利用

  • 「dアカウント」で推奨しているFIDO認証を活用したパスワードレス認証(パスワード無効化設定)を行うことができる。
    スマートフォンからの生体認証などを利用し、パスワードを無効化することで万が一パスワードを盗み取られた場合にも第三者による不正ログインを防ぎ、より安全に各種サービスを利用することが可能である。
    尚、パスワードレス認証を設定済みのスマートフォンがあれば、PCなど他デバイスでの利用時にも使うことができ、PCに生体認証機器が追加されたに等しい。
  • 24時間365日体制のセキュリティ監視などの対策により、セキュアな環境で各種サービスが利用可能なのは興味深いところではないだろうか。


<出典:ドコモHP>

※サービスの仕様上、ナンバーキーを選択しての認証は、ビジネスdアカウントを利用している場合でも、画面上にはdアカウントのロゴが表示される
サービス開始に併せた「ビジネスdアカウント」発行キャンペーンなども行っており、ポイント獲得の特典などもあるが、情シスの視点から見た場合、「すぐにこれを採用しましょう!」という程のメリットは現時点では感じられない。
法人契約の電話回線の方で魅力があり、契約するとなった場合は、勿論、入っておいても損はないだろう。

 

こんなサービスもある事を頭に入れておき、たまにチェックしてみることをオススメしたい。

 

【執筆:編集Gp ハラダケンジ】

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