先進テクノロジのハイプ・サイクル(2021年)-ガートナー

Gartner, Inc. (以下Gartner) は先日「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2021年」を発表した。
このハイプ・サイクルは、「信頼の構築」「成長の加速」「変化の形成」の3つの包括的なトレンドに集約される。

 

信頼、成長、変化を通じてイノベーションを促進する主要な先進テクノロジを明らかに

ガートナーによる分析の結果、企業は競争優位性を確保するために、非代替性トークン (NFT)、ソブリン (主権) クラウド、データ・ファブリック、ジェネレーティブAI、コンポーザブル・ネットワークなどの先進テクノロジを検討する必要に迫られることになる。アナリストでバイス プレジデントのブライアン・バーク (Brian Burke) 氏は、次のように述べている。「テクノロジ・イノベーションは、競争で差別化を図るための鍵であり、多くの業界における変革を推進する要因となっています。画期的なテクノロジが次々と登場し、最も革新的な企業でさえも追随するのが困難な状況です。先進企業は、継続する戦略的な変化と不確実な経済状況において信頼と新たな成長機会を獲得するために、2021年版のハイプ・サイクルに登場する先進テクノロジを活用することになるでしょう」「先進テクノロジのハイプ・サイクル」は数あるハイプ・サイクルの中でも独特のものである。
1,500を超えるテクノロジを分析した上で知見を引き出し、今後5~10年にわたって高度な競争優位性をもたらす可能性が高い、押さえておくべき先進的なテクノロジおよびトレンドを簡潔にまとめたものであり、企業経営を行う上でも大いに参考にするところはあるであろう。 (図1参照)

図1. 先進テクノロジのハイプ・サイクル:2021年
出典:Gartner (2021年8月)
アナリストでバイス プレジデントのメリッサ・デイヴィス (Melissa Davis) 氏は次のように述べている。「デジタル・ビジネス・トランスフォーメーションに引き続き重点を置く企業は、変化を加速させる必要があり、先進テクノロジを巡るハイプ (過熱状態) に惑わされるべきではありません」また、アナリストでバイス プレジデントのフィリップ・ドーソン (Philip Dawson) 氏も次のように述べている。「本ハイプ・サイクルでは、企業が追跡すべき重要な先進トレンドのほか、特に注視すべきテクノロジを、『信頼』『成長』『変化』というテーマを設定することによって包括的に把握できるようにしています」 

先進テクノロジのトレンドにおける3つのテーマ

信頼を構築する:

信頼 (トラスト) にはセキュリティと信頼性 (リライアビリティ) が求められる。信頼は、ITがビジネス価値を提供するための回復力のあるコア/基盤として、イノベーションの構築にも拡張できる。
この基盤は、設計済みで再現性があり信頼できる、実証されたスケーラブルな作業プラクティスとイノベーションによって構成されなくてはならない。

例えば、現在、デジタルおよびクラウド・テクノロジ/サービスの市場を支配しているのは、米国とアジアのプロバイダーである。その結果、多くの欧州企業がこれらの地域にデータを保管しているため、政治的な不安に加え、データ・コントロールの維持と現地規制の遵守に関する懸念が生じている。
各国は、ソブリン・クラウドを用いてデジタル/データ・ソブランティ (主権) を確保することにより、データ保護コントロール、データ・レジデンシ要件、保護主義、インテリジェンス収集を法的に適用できるようになる。

ここで注目すべきテクノロジは、ソブリン・クラウド、NFT、機械可読法 (機械で読める法律)、分散型アイデンティティ、分散型金融 (DeFi)、準同型暗号、アクティブ・メタデータ管理、データ・ファブリック、サービスとしてのリアルタイム・インシデント・センター、従業員コミュニケーション・アプリケーションである。

成長を加速する:

信頼できるコア・ビジネスが確立されると、回復と成長が可能になる。企業は、テクノロジ・リスクとビジネス・リスク許容度のバランスを取り、短期的な目標を達成できるようにする必要があるといえる。
イノベーション主導のコア・ビジネスのスケーラビリティが高まると、成長が加速し、デリバリと価値が拡大する。

例えば、ジェネレーティブAIは、製薬業界で創薬のコストと時間を削減するために使用されている先進テクノロジである。Gartnerは、2025年までに、新薬や新材料の30%以上がジェネレーティブAI手法を用いて体系的に発見されるという仮説を立てている。ジェネレーティブAIは、多くの分野で設計を拡張・加速するだけではなく、ジェネレーティブAIがなければ人間が見逃していたかもしれない新たな設計を「発明」する可能性も秘めている。

注視すべきテクノロジは、マルチエクスペリエンス、インダストリ・クラウド、AI主導のイノベーション、量子機械学習 (ML)、ジェネレーティブAI、デジタル・ヒューマンである。

変化を形作る:

変化とは従来、破壊的なものであり、カオス (混沌) につながりがちであるが、企業はイノベーションによって変化を形作り、カオスに秩序をもたらすことができるという。そのために必要なのは、変化のニーズを予測し、それに合わせて自動的に調整できる技量である。

例えば、コンポーザブル・ビジネス・アプリケーションは、変化し続けるオペレーションのビジネス環境により適したアプリケーション・エクスペリエンスを実現する。コンポーザブル・アプリケーション・テクノロジを基盤とし、コンポーザブル・シンキングを用いて構築されるコンポーザブル・ビジネスによって、企業はビジネス機会を認識して活用し、予期せぬディスラプションに対応することが可能になる。
また、変化する顧客ニーズを顧客が望む時に満たすことで、顧客のロイヤリティを維持できるようになる。

新たな変化を形作ろうとしている企業が検討すべきテクノロジは、コンポーザブル・アプリケーション、コンポーザブル・ネットワーク、AI拡張型設計、AI拡張型ソフトウェア・エンジニアリング、物理学に基づくAI、インフルエンス・エンジニアリング、デジタル・プラットフォーム・コンダクター・ツール、データ指向ネットワーキング、自己統合型アプリケーションである。

 

「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2021年」は、幅広いイノベーション、テクノロジ、ビジネス・トレンド、主要業種をカバーしている90以上のGartnerハイプ・サイクルの1つだ。
「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2021年」については、「The Gartner Hype Cycle for Emerging Technologies, 2021」と題した無料のウェビナーでも詳しく解説している。

 

 

CIOをはじめとするITエグゼクティブにとって世界で最も重要なコンファレンスである「Gartner IT Symposium/Xpo 2021」では、先進テクノロジのトレンドについてのさらなる分析を紹介している。

「Gartner IT Symposium/Xpo」(バーチャル開催) の開催日時と地域は以下のとおりである。興味がある方は個別にお問い合わせいただきたい。

10月18~21日:北米・中南米
10月25~27日:アジア太平洋 (APAC)
11月8~11日:欧州・中東・アフリカ (EMEA)
11月16~18日:日本
11月30日~12月2日:インド

 

 

Gartner ITプラクティスについて

Gartner ITプラクティスは、CIOをはじめとするITリーダー向けに、組織がデジタル・トランスフォーメーションの推進を通じてビジネス成長をリードするための知見やツールを提供している。
詳細については、https://www.gartner.com/en/information-technology をご参照ください。


Gartnerについて

Gartner, Inc. (NYSE: IT、S&P 500) は、世界有数のリサーチ&アドバイザリ企業である。ビジネス・リーダーが今日のミッション・クリティカルなビジネス課題の解決を実現し、将来にわたって成功する組織を築くために欠かせない知見、アドバイス、ツールを提供している。

Gartnerのリサーチは、エキスパート主導かつ、実務担当者からの情報に基づき、データを重視したもので、この比類なきサービスにより、お客様が重要な課題に対して正しい判断を下せるよう導く。業界や企業規模を問わず、ほとんどすべての職務領域にわたり、Gartnerは信頼されるアドバイザーならびに客観性を備えたリソースとして、国内のみならず世界100カ国以上、1万4,000社を超える企業に支持されている。


本レポートは、ガートナージャパン様の”Article”の内容を元に作成しております。
ソース:https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20210824

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