2021年CEOサーベイ:成長に向けた3つの変更点-ガートナー

ガートナーは2021年CEOサーベイを実施。これは30カ国以上の465人のビジネス・リーダーから回答を得た結果である。10年以上にわたって毎年実施されているCEOサーベイは、ビジネス・リーダーのビジネスに対する姿勢や最優先課題を調査するものとなっている。
そして2021年の結果から「CEOは新規セグメントでの成長に賭け、デジタル・イニシアティブへの投資を増やす予定」であることが分かったという。

コロナ禍を乗り越え、さらなる成長へ向けて

2020年は大半の期間、CEOは新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) によって緊急事態となったビジネス・オペレーションに自社のエネルギーとリソースを集中させてきた。既存のオペレーションやサプライチェーンを活用することで、COVID-19対策としてすぐに必要とされている消耗品やサービスを提供できた企業もある。
衣料品メーカーはマスクや個人防護具 (PPE) を提供し、化学薬品会社は手指消毒剤を製造し、運送業者は船や飛行機の経路を変更して人工呼吸器を届けました。しかし今、CEOは既にその先を見据えているという。

ガートナーのアナリストで、ディスティングイッシュト バイス プレジデントのクリスティン・モイヤー氏は、次のように述べている。
「CEOは、大規模なワクチン接種プログラムによって、2021年半ばには多くの地域でウイルスの感染拡大が食い止められ、景気拡大につながると考えています。大多数のCEOは、短期間でのV字回復を予想しており、この機会を生かそうと既に動き始めています」
企業の多くは2020年に深刻なディスラプション (破壊) に直面したものの、成長を重視する姿勢は例年と変わらない。ただし、以下のような変更点が見られる。

第1の変更点:CEOは成長機会を求めて新規市場に着目

CEOの60%は、企業の売り上げが2021年末までに2019年の水準に戻ると予想しており、他の30%のCEOは2022年までに回復すると考えている。
売り上げの回復にはもっと時間がかかると予想しているCEOはわずか10%程度であった。回答者の半数以上が「成長」をビジネスの優先課題の上位3項目に選んでいるのも、こうした前向きな見方を裏付けているといえよう。しかし、単純に既存ビジネスからの売上増加を見込んでいるCEOは、2020年よりも減少しているのである。CEOは今、成長機会の源泉として新規市場に着目している。但し、「新規市場」の意味はセグメント化や隣接分野に注力することであり、大規模な地理的飛躍は重要視されていない。実際、北米、欧州、アジアの企業の大多数のリーダーは、自社がある地域を主要なビジネス・チャンスの源泉として挙げている。

第2の変更点:「従業員」の優先順位は上昇、「コスト削減」は低下

パンデミックの影響により、CEOはこれまでと違う新たな領域を重視して他の領域を断念することを迫られたといえよう。
最も急上昇した優先課題は「従業員」であり、前年比で24%増加し、2021年は回答したCEOの24%が優先事項のトップ3に選んでいる。これは、2020年がどれほど人材に打撃を与え、2021年に組織が目標を達成する上で有能な人材が果たす役割がいかに重要かをCEOが認識していることの表れといえる。一方で、2020年と比べて順位が最も下がった優先課題の1つは、「コスト管理」である。コスト管理を優先課題として挙げたCEOの割合が14%から11%へと減少し、回答者数が前年比で17%減った結果、7位に後退している。この減少は、パンデミックの際に経費を削減するために、容易に達成可能なコスト削減を2020年にすでに行った結果と考えられる。
一部の企業は、予想される循環的な景気減速に対応するために、2018年後半の時点でコスト削減を開始していた。しかし、コスト管理が議題から完全に外れたわけではなく、CEOがCOOとCFOに注力するよう求めている最優先課題であることに変わりはない。

第3の変更点:投資計画は、CEOが野心的にデジタル領域で成長を追求することを示唆

「デジタル能力」は、投資を増やすと回答したCEOの割合が2020年よりも高くなった唯一の領域であった。
「IT」「人材育成/組織文化開発」「プロダクト機能強化」といった、通常はCEOから高い支持を得られる領域については、投資の意向を示すCEOの割合は減少している。興味深いことに、投資意欲が最も落ち込んだ領域には、当然と思われる項目と想定外の項目が入り混じっている。具体的には、「固定資産」と「資本設備」の両方が急落した。これは、ハイブリッド型ワーク・モデルが施設の必要性に影響を与えていることを示す兆候である。

「法務/コンプライアンス/リスク・マネジメント」「人材採用」「マーケティング」でも大幅な減少が見られたものの、ガートナーのアナリストは、企業が緊急事態への備えが不十分であったり、必要な人材採用にためらいがあったりすることを示す危険な兆候ではないと考えている。

 

この調査結果の傾向は日本においても概ねズレはない。例えば、コロナ禍でテレワーク(在宅勤務)が加速した企業においては、都心の一等地に賃料の高いオフィスを構えている必要はなく、実際にフロア面積を半減した企業などもあった。このような理由から「資本設備」に目が向かなくなったことはうなずける。
そして、新しい生活様式における企業活動を支えるためには”DX”が求められる、または必要不可欠であるという企業も多いのではないだろうか。その意味でも、今後「デジタル能力」が企業の必須能力となることは間違いないだろう。


Gartnerについて

Gartner, Inc. (NYSE: IT、S&P 500) は、世界有数のリサーチ&アドバイザリ企業である。ビジネス・リーダーが今日のミッション・クリティカルなビジネス課題の解決を実現し、将来にわたって成功する組織を築くために欠かせない知見、アドバイス、ツールを提供している。

Gartnerのリサーチは、エキスパート主導かつ、実務担当者からの情報に基づき、データを重視したもので、この比類なきサービスにより、お客様が重要な課題に対して正しい判断を下せるよう導く。業界や企業規模を問わず、ほとんどすべての職務領域にわたり、Gartnerは信頼されるアドバイザーならびに客観性を備えたリソースとして、国内のみならず世界100カ国以上、1万4,000社を超える企業に支持されている。


本レポートは、ガートナージャパン様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.gartner.co.jp/ja/articles/ceos-see-growth-in-2021-marked-by-3-shifts

【海外発プレスリリース】
資料原文は、Gartnerが海外で発信したプレスリリースであり、ガートナージャパン様により編集し、和訳したものです。
原文を含めGartnerが英文で発表したリリースは、以下よりご覧いただけます。
https://www.gartner.com/smarterwithgartner/

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