国内シンクライアント専用端末市場シェア(2019年)-IDC

IDC Japanは、国内シンクライアント専用端末市場の主要ベンダーの競合状況を分析し、その結果を発表。
2019年の国内シンクライアント専用端末市場における出荷台数は、総計 37.4万台、前年比成長率53.6%と大きく成長した。
これは2008年にIDCが当該市場を調査開始して以来、1年間あたりの最高出荷台数である。市場拡大の要因は、超大型案件の更改、Windows 7 End Of Support (EOS)における買い替え需要、働き方改革、製品品質向上と機能拡充などが挙げられる。

フォームファクター別の割合は、デスクトップシンクライアントが58.7%、モバイルシンクライアントが40.8%、オールインワン(ディスプレイ一体型)が0.5%と、モバイルシンクライアントの割合が40%を超えている。
世界の他の地域では、大部分がデスクトップシンクライアントであり、モバイルシンクライアントの割合は3%前後と低いなか、国内市場ではモバイルシンクライアントの需要が非常に高く、多くの企業で採用されるという特殊性が見受けられる。
選定ポイントは軽さ、スクリーンサイズ、性能、デザイン、堅牢性であるが、歩いて持ち運ぶ機会(電車通勤?)の多い国内市場において、特に、軽さの優先順位が高い傾向にあることがわかる。

ベンダー別出荷台数に目を向けると、以下のようになっている。
 1位:日本HP 14.4万台(シェア:38.5%)
 2位:富士通 9.8万台(シェア:26.3%)
 3位:デル 4.7万台(シェア:12.5%)
 4位:Atrust 3.5万台(シェア:9.4%)
 5位:NEC 9.7千台(シェア:2.6%)

日本HPは前年比191.5%増、富士通は前年比51.5%増となり、この2社は自社の年間当たり最高出荷台数を達成。また、デルは前年比17.5%増、Atrustも前年比14.1%増と成長しています。
この上位4社で86.7%のシェアを占めており、市場を牽引している。

日本HPは、超大型案件需要と堅牢性の高いモバイルシンクライアントによって、富士通は軽量かつスタイリッシュなモバイルシンクライアントで、それぞれ伸長がみられます。また、デルは独自仕様のWTOS(Wyse Thin OS)で、台湾に本社を持つシンクライアント専業企業のAtrsutは、その製品ラインアップの多さで追従しているとみる。

国内シンクライアント専用端末市場 ベンダー別 出荷台数シェア、2019年

Source: IDC Japan, 2/2020

「2019年は、超大型案件の更改、Windows7 EOSにおける買い替え需要、働き方改革、製品品質向上と機能拡充によって、市場は大きく拡大した。2020年は、その反動でやや減少する可能性があるものの、一定の需要は確保できるであろう。企業/政府/自治体/学校などが、シンクライアントの特性をうまく使いこなせば、働き方改革にも貢献できると考えられる」とIDC Japan PC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストである渋谷 寛氏 は述べている。


新型コロナウィルス騒動でテレワークが推進されているが、シンクライアント採用となると既存システムからすぐに置き換えるというのは難しいかもしれない。
しかしながら、5Gのサービスインにより通信環境は大きく変わることから、これを契機にシンクライアントブームが再燃する可能性はあるであろう。


本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ46050520

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