2019年 国内サーバー市場動向-IDC
IDC Japanは、2019年通年の国内サーバー市場動向を発表。2019年の国内サーバー市場全体の売上額は5,156億円と前年から1.7%増加した(図1)。 出荷台数は51万6千台で、前年から2.5%減少した。
2019年の国内サーバー市場は、売上額は3年連続で前年比プラス成長となっている。 製品別では、x86サーバー(注1)は、プラス成長、メインフレームは前年比2桁のプラス成長となっている。 その一方で、その他のサーバー(注2)は、2桁のマイナス成長となった。
図1.国内サーバー市場の推移: 2015年~2019年
Source: IDC Japan, 3/2020
x86サーバーは、売上額が前年比1.2%増の4,191億円。これは3年連続で前年比プラス成長となっている。 出荷台数を見ると前年比2.3%減の51万2,100台となっている。出荷台数はマイナス成長であったが、x86サーバーの平均単価が前年比で上昇し、売上額のプラス成長に貢献した形だ。 なお、Standard Server(注3)は、売上額が前年比3.2%増の3,612億円、出荷台数は、同0.3%減の43万6,600台。 Custom Server(注3)は、売上額が前年比9.7%減の579億円、出荷台数は、同12.7%減の7万5,400台となった。
Standard Serverの出荷台数は、データセンター用途の大口案件が大きく減少する一方で、店舗設置や組込み用途の大口案件、Microsoft Windows Server 2008のサポート終了にともなうサーバー更新需要などがあり、前年比で僅かながらのマイナス成長で踏みとどまっている。 Custom Serverの出荷台数は、ODM Directを中心に、クラウドサービスベンダー向けの出荷が減少し、2桁のマイナス成長となった。
「Standard Serverの出荷台数がマイナス成長にも関わらず、売上額がプラス成長になったのは、Standard Serverの平均単価が前年比で上昇したことによる。Custom Serverも平均単価は上昇したが、出荷台数のマイナス成長を補えず、売上額もマイナス成長となった」と、IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊 雅行氏は述べている。
メインフレームの売上額は、前年比29.9%増の699億円でした。前年の2018年は2桁のマイナス成長でしたが、2019 年は、金融を中心に、公益、製造、官公庁で基幹系システム更新の大型案件などがあり、今年は2桁のプラス成長となっている。 その他のサーバーは、前年比31.3%減の265億円であった。 前年は通信、金融、官公庁の更新案件などがありプラス成長であったが、今年は前年ほどの大型案件がなく、2桁のマイナス成長となった。
カンパニー別の売上額では、富士通が首位を維持(図2)。次いで、NEC、日本ヒューレット・パッカード(HPE)、デル テクノロジーズ(Dell Technologies)、日立の順となっている。 5位の日立は、前年から順位を1つ上げた。
出荷台数も、富士通が首位を維持し、次いで、NEC、HPE、Dell Technologies、日立の順となっており、出荷台数の順位に変動はなかった。
図2. 2019年 国内サーバー市場 カンパニーシェア【売上額】
Source: IDC Japan, 3/2020
注1: 「x86サーバー」は、x86アーキテクチャのプロセッサーを採用しWindows、Linuxなどオープン系のOSを搭載したサーバーです。Itaniumプロセッサーを搭載したサーバーやベンダー独自OSを搭載したサーバーはx86サーバーに含めません。また、「x86サーバー」と「メインフレーム」以外のサーバーを「その他のサーバー」として記載しています。
注2: 「その他のサーバー」は、「RISCサーバー」、「IA64サーバー」、「ビジネスサーバー」、「スーパーコンピュータ-」の総称として使用しています。
注3: x86サーバーは、Standard ServerとCustom Serverに分類されます。Standard Server とは、ベンダーが公開するカタログに掲載されたサーバーで、標準的なマザーボードや筐体をベースとしたサーバーです。Custom Serverとは、主にクラウドサービスベンダーが、ODM Directなどから調達するサーバーで、マザーボードや筐体が、特定の顧客や用途向けに設計されたサーバーです。
本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ46147220