今から始めるテレワーク!#1 まず何をする?

新型コロナウィルスが日本全国に広がりつつある今、国を挙げてテレワーク(在宅勤務)が求められています。「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」の中でも時差出勤と共に推奨されています。
これまでも東京五輪の混雑解消などを目的にテレワーク推進は行われてきましたが、なかなか普及には至っていませんでしたが、新型コロナウィルスがテレワーク推進するとは皮肉なものです。
そうは言ってもここにきて一気に実施を求められるようになり、何をしたらよいのかわからないといった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

本シリーズでは、仮想の電気・計装設備工事会社における導入までのストーリーを例にこれからテレワークを導入するに必要なことを紹介します。
第1回は「テレワークの為にまず何ができるのかを考える」です。

■テレワーク導入、まず何から手を付ける?

これまでにテレワークを考慮していなかった場合、その導入には最低限以下の項目について、検討・用意する必要があるでしょう。

1)テレワークを実現するツール選定/環境構築
2)テレワーク利用に際してのルール
3)テレワーク導入する際の会社制度

しかしながら、これらを決めるにあたってその前提となる条件を整理しておかないと、最適な解を選んでいるかどうかわからなくなります。
その意味では、

0)テレワークの対象者とその作業内容を把握する

という前段階が必要になります。
まずはこれから見ていくことにしましょう。

■対象者と作業内容を把握する

T社は、電力事業者関連のメンテナンスや公共工事などを手掛ける、従業員100名規模の電気・計装設備工事会社です。(と設定します)
この度、政府のテレワークの呼びかけに対し、社長直々に「わが社でも何ができるのか調査し、可能なら実施してください」という指示が管理部(情シスチームを含んでいる)に落ちてきました。
そもそもT社には情報システム関連の専任者はおらず、管理部のみんなで勉強しながら乗り越えてきたという経緯があるため、今回も手探り状態からのスタートです。

このような状況でまず初めに考えねばならないことは、だれがどんな働き方をしているかということになります。業務分掌として管理されている場合もあるでしょうが、正しくメンテナンスされていないと実際とは異ってしまいますので、注意が必要です。

このT社の場合では、本社(東京)に加え、茨木、新潟、青森に事務所を抱えています。どのように実施するのでしょうか?
それでは、T社管理部の情シス関連案件のリーダーであるAさん、ベテラン従業員のBさん、入社5年目のCさんの会話を見ていくことにしましょう。

Bさん:「茨木/新潟/青森の事務所は現場作業なので、テレワークというわけにはいきませんよね? まずは本社勤務の人を対象とするでよいですかね?」
Aさん:「そうですね。不特定多数の人との接触を避ける意味でも電車通勤をやめる方が効果が大きいかもしれませんね。事業所の皆さんは基本的に車通勤ですからね。まずは本社勤務のスタッフ30名をテレワークにすることとし、事業所との連携も忘れずに、何ができるのかを検討することにしましょう。」
Cさん:「本社勤務というと社長、顧問、工事部(の一部)、営業部、経理部、管理部が対象になりますね。」
Bさん:「本社勤務者は工事部を除いてデスクワークですので、基本的にはテレワーク可能と考えますが、実際にオフィス以外で作業ができる環境にあるかということになりますね。」
Aさん:「まずは各部の業務内容を簡潔に整理し、使っているツール(アプリケーション)を洗い出してみましょう。」

このBさんの指摘のように、IT企業にせよなんにせよ、デスクワーク系であればテレワークとすることは可能でしょう。しかしながら、業務・環境によっては場所に縛られることもあるので、業務で使用しているツール(アプリケーション)を理解しておく必要があります。

■業務の把握

では、実際にどうやって業務を把握するのでしょうか? ある程度分かっている部分は表に書き出しておきます。 横軸にNo.、部署名、項目名、使用ツール(アプリケーション)、作業概要、備考など をとり、各部における作業内容を書き出します。 地道な作業ではありますが、システム刷新などの際にも行うことになりますので、一度経験しておくのも悪くはないと思います。
このような作業に手が避けない場合は、コンサルティング会社に依頼するなど、大人な方法で解決することも選択肢の一つになります。


参考:確認表サンプル

ここでは自分たちで調査したものとして続けます。

業務内容調査の結果、管理部の皆さんは以下のように各部におけるツール(アプリケーション)の集約をしました。


全社員共通:OUTLOOK(メール、スケジュール)、Microsoft Office Business(Excel、Word、PowerPoint)、ファイルサーバー(共有PC)
社長&顧問:なし
工事部:Adobe Acrobat、電気図面用CAD、電気工事積算ソフト
営業部:なし
経理部:勘定奉行、給与奉行
管理部:なし


注)各部における差分は社員共通アプリケーション以外を記載。また、ブラウザやWindows DefenderなどのWindows 10標準搭載機能、および無料DLが可能なソフトについては表示していない。

おやおや、まだ紙と人手に頼っていたことが幸いし、もしかすると早期にテレワークを実現できることになるかもしれません。

この続きは、また次回に!

【執筆:編集Gp ハラダケンジ】

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