国内ネットワーク機器市場シェア-IDC
IDC Japanは、イーサネットスイッチ、ルーター、企業向け無線LAN機器からなる国内ネットワーク機器市場について2018年のベンダーシェアを発表。これによると、シスコシステムズが、2017年に続き、2018年も47.9%と半数近いシェアを獲得し、3つの製品分野および企業向けと通信事業者向けの2つのユーザーセグメント別でもリーダーであることが分かった。
無線LAN機器市場の成長を原動力として、健全な成長を遂げている企業向けネットワーク機器市場においても、シスコシステムズが2017年と同様に半分近いシェアを有している。そして、シスコシステムズに続くアライドテレシスとヤマハも、それぞれイーサネットスイッチとルーター市場という安定基盤を持ちながら、無線LAN機器市場の成長の波を捉えている。
企業向けネットワーク機器市場では、「安定基盤」+「無線LAN機器市場での成長」が、近年の成功の方程式になっているとIDCでは分析する。
国内ネットワーク機器市場 ベンダー別 支出額シェア実績、2018年
Note: 企業向けおよび通信事業者向けのルーター、企業向け無線LAN機器、コンシューマー向けを含むすべてのイーサネットスイッチの合計
Source: IDC Japan, 7/2019
製品分野別に見ると、成長を続ける企業向け無線LAN機器市場では、市場と共に成長するベンダーも多く、2018年の上位9ベンダーのうち、半数以上に当たる5社が前年を上回る実績を上げている。特に目を引くのはリーディングベンダーであるシスコシステムズが、市場成長率を大きく上回る35.4%増を達成した点である。同社の無線LAN製品ラインナップは、主にオンプレミスの無線LANコントローラーを活用するCisco Aironet/Catalystシリーズと、クラウド管理型無線LANシステムのCisco Merakiで構成されていますが、いずれの製品ラインナップも、高成長に寄与したとIDCではみている。
また、国内通信事業者向けネットワーク機器市場は、企業向け市場とは対照的に低迷を続けている。国内移動体通信事業者の大規模なLTEサービス向け投資が終息した2015年以降、4年間に渡って低調な状況が続く。
低迷を脱する次の大きなビジネス機会として、通信事業者向けネットワーク機器ベンダーが期待を寄せる5Gサービスであるが、このネットワーク機器の選定においては、「5Gサービス展開の迅速化、省力化にいかに寄与できるかが重要なポイントになる。5G基地局の迅速な展開を阻害する要因として、設置に関わる人材不足が挙がる中で、ネットワーク機器の設置や試験を自動化し省力化する重要性がいっそう高まる」とIDC Japan コミュニケーションズのグループマネージャーである草野 賢一氏は述べている。
本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ45377819