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KDDI、次世代移動通信「5G」で28GHz帯のハンドオーバーに成功 2020年商用化を目指す
- 2017/2/23
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2月22日に開催された会見では、今回の実証実について詳しい説明が行われた。5Gは通信速度が現在の「LTE」に比べて「高速・大容量」「低遅延」「多接続」が特徴。高画質の映画鑑賞や機器の遠隔操作や遠隔医療など、さまざまな分野での利用が期待されている。
次世代移動通信「5G」の特長
今回の実験では「高速・大容量」を実現するために5Gで利用候補の28GHz帯という高周波数帯を利用した。ただ、高周波数帯は大容量につながる広い帯域が確保できるが低周波数帯に比べて電波が遠くに行くほど弱まりやすくなる。
電波を遠くまで届けるため「ビームフォーミング」技術を採用
そこでKDDIでは遠くまで届けるために、電波を絞って特定の方向に集中的に発射する「ビームフォーミング」技術を活用。さらにビームを追随させる「トラッキング」という方法を使うことで接続する基地局間を切り替えるハンドオーバーに成功したと発表。また、最大3.7Gbpsのスループットも達成したと説明した。実験は東京・飯田橋周辺で行われ、通信技術には韓国のサムスン電子が協力した。
実験のデモ車両(左)と基地局
KDDIでは「低遅延」についてはユーザーの通信端末の近くでデータなどを処理する「エッジ・コンピューティング」技術、「多接続」では利用するサービスに応じてネットワークの容量を柔軟に変える「ネットワーク・スライス」を導入すると説明。こうした技術を検証しながら5Gの商用化に向け実証実験を続けるとしている。
松永彰・技術開発本部シニアディレクター
会見で松永彰・技術開発本部シニアディレクターは「5Gは1~4Gまでのステップアップの進化ではなく、飛躍的に進化する。社会の基盤を支える大きな存在になると期待している」と述べ、5Gへの期待感を示した。
また、会見では5Gをセコムが提供するサービスで活用し、次世代のセキュリティシステムを実現するための実証実験を共同で進めることも発表した。第一弾として5Gを使った監視カメラの中継実験を2017年5月から開始する。
KDDIとセコムの実証実験の概要
実験は東京・新宿で実施。警備員の制服にウェアラブルカメラを装着し、撮影した画像や映像をセコムのセンターに送る。実験では5Gの特徴を生かし高精細な画像や映像を伝送。受信した映像などから人物特定や車両登録番号の確認できるかなどを確かめる。
5Gの活用について説明するセコムの寺本浩之・企画部 担当部長
セコムではこの実験を皮切りに災害発生時の情報収集や被災地支援活動を想定した実証実験のなども行っていく予定。5Gが商用化の際には飛行船やドローン、巡回車両などを5Gの通信網で結び、新たなセキュリティサービスを展開していく計画だ。
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