「鉄腕アトム」があなたの家に! 講談社、手塚プロ、ドコモら5社が「ATOMプロジェクト」を開始

2017/02/23

「週刊 鉄腕アトムを作ろう!」を4月4日に創刊

このプロジェクトは「手塚治虫生誕90周年記念企画」として企画されたプロジェクト。第一弾として読者が雑誌を買い続けるスタイルとなる「付録雑誌形式(パートワーク)で家庭用二足歩行ロボット「ATOM」を組み上げる『コミュニケーション・ロボット 週刊 鉄腕アトムを作ろう!』を4月4日から発売する。

完成版の人口知能ロボット「ATOM」

完成版の人口知能ロボット「ATOM」

ロボットは手塚プロダクションが監修した。ATOMは物語に出てくるアトムの3分の1の大きさで身長44cm。重量は1400gと軽量で、子どもでも難なく抱きかかえることができる。

創刊号には特別付録として、「創刊スペシャルDVD(63年版、80年版、03年版アニメの初回収録、オリジナルコンセプトムービー+機能紹介ムービーほか)」「ATOM 透視設計図」、「特製ピスケース」が付く。2018年9月までにすべてのパーツがそろう全70巻を刊行する。価格は創刊号が830円(税別)。通常号は1843円(同)。全70巻集めると18万4474円(同)になる。

ATOMは「ドライバー1本で組み上がる」をキャッチコピーに簡単に作り上げられるようなっているが、組み立てが苦手なユーザーに対しては、組み立て代行サービスをVAIOが提供する。

「週刊 鉄腕アトムを作ろう!」にATOMキット

「週刊 鉄腕アトムを作ろう!」にATOMキット

会話を重ねるごとに親密度が高まるAIを搭載

ATOMは二足歩行機能をはじめ、通信機能や人工知能を搭載することで人との会話も実現した。ATOMの声は、2003年からアニメ「鉄腕アトム」の声を担当している声優の津村まことさんが担当。ロボット本体のOS(基本ソフト)とフロントエンドAI(人工知能)は富士ソフトが設計を行った。会話はクラウドを使って成長していく設計になっており、NTTドコモと講談社が共同開発した。

ATOMに搭載されているメインボードやCPUボード

ATOMに搭載されているメインボードやCPUボード

ATOMは頭部に搭載されたカメラで人の表情や人の顔を見分け、顔認識機能で12人までを認識することができる。登録されている人に伝言を残すことも可能。会話機能では「子ども・成人男性・成人女性・お年寄り」の4属性にユーザーを分類し、属性に合った会話や言葉の使い分けも行う。

また、会話を重ねていくことで覚えることが増え、ATOMとの親密度を高めていくことができる。W-Fi経由で外部コンテンツとの連携もできるため、ニュースや天気予報といった情報を会話の中で話すことも可能だという。

胸には2.4インチ液晶ディスプレイを内蔵。絵を映しながら絵本の読み聞かせやアニメ「鉄腕アトム」の傑作選、YouTubeを楽しむことができる。表示するコンテンツは子供向けから大人向けまで継続的に提供していく予定。会見ではディスプレイからラジオ体操の映像を映し出し、ATOMが一緒にラジオ体操を行う姿も紹介された。

世界に類を見ないユニークなロボット

会見には、モデリングとキャラクター監修を行った手塚プロダクションの取締役で手塚治虫の長男である手塚眞氏、ATOMプロジェクトで全体のプロデュースから企画を行った講談社の野間省伸社長、対話シナリオの設計技術支援を行ったNTTドコモの吉澤和弘社長、ロボティクスの設計開発やOSとフロントエンドAIの開発を行った富士ソフトの坂下智保社長、メインボードの基板実装やATOM組み立て代行サービスを行うVAIOの大田義実社長が登場。それぞれプロジェクトに対する思いを述べた。

左から坂下智保・富士ソフト社長氏、吉澤和弘・NTTドコモ社長氏、野間省伸・講談社社長、手塚眞・手塚プロダクション取締役、大田義実・VAIO社長

左から坂下智保・富士ソフト社長氏、吉澤和弘・NTTドコモ社長氏、野間省伸・講談社社長、手塚眞・手塚プロダクション取締役、大田義実・VAIO社長

手塚氏は「手塚治虫が生み出した鉄腕アトムは1963年に日本初のテレビアニメになったそれから約50年、いよいよ本当のロボットが誕生する」と話した。野間社長は「ATOMは世界に類を見ない、ユニークなロボット。ぜひ家族の一員にしてもらいたい」とATOMへの期待についてコメント。

ドコモの吉澤社長は「アトムが生活に貢献する身近な存在となれるよう、さらに対話プラットフォームを磨き上げたい」と技術面での意気込みを述べた。富士ソフトの坂下社長は「介護ロボットで培った技術やノウハウをこの鉄腕アトムに全てつぎ込んだ」とアピール。VAIOの大田社長は「鉄腕アトムのアニメが放送され、僕はアトムが見たくて親に頼み込んでテレビを買ってもらった。今回のプロジェクトに参加できることに運命を感じている」と述べた。

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