【情シス女子】第32回 「機械ができることは機械にやらせるようにする!!」秋山幸香さん

  • 2017/2/24
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2017/02/24

ウフル 協創推進本部 情報システム室 秋山幸香さん

ウフル 協創推進本部 情報システム室 秋山幸香さん

今回の情シス女子は、IoT(モノのインターネット)ソリューションやマーケティングクラウドなどを手がけるウフルで、協創推進本部 情報システム室に所属する秋山幸香(あきやま・さちか)さんです。事務や営業、プログラマーなど経て、今は情シスとして社内システムを担当しています。一児の母でもある秋山さんに情シスになった経緯、仕事への考え方を聞きました。(取材:ジョーシス編集部 文・構成:佐保祐大 撮影:ヨシナガトモヒコ ヘアメイク:土屋璃紗)


<秋山幸香さんプロフィール>
ウフル 協創推進本部 情報システム室所属。短大卒業後、銀行での事務やWeb広告営業、システムインテグレーターでのプログラマーなどを経て、2011年ウフル入社。入社後はセールスフォース導入のプロジェクトに4年半携わる。産休から復帰後は顧客サポートに所属。その後、情報システム室に異動。現在は社内システムのアップグレードなどを担当する。趣味は仕事という“男前”な情シス女子。


管理者不在の社内システム対応がきっかけで情シスに

――秋山さんの部署と業務について教えてください。

私が所属する情報システム室は、会社の社内システム全般、例えば、基幹業務ソフトなどの改修や構築を行うソフト面と、会社にあるPCなどを含めたハード面の両方の管理を行っています。また、SFA(セールスフォースオートメーション、営業支援システム)という営業が使うツールやCRM(顧客管理情報)も扱っています。

――その中で、秋山さんの仕事は?

私の担当はセールスフォースを使ったシステム構築と改修、メンテナンスです。セールスフォースにはプロジェクトの収支管理ツールや勤怠管理システムも入っていて、その管理を行っています。

――情報システム室は希望して異動したのですか?

私は最初、コンサルタントとして入社して、その後に社内結婚、そして出産で産休に入りました。産休から復帰した後は、子どもの世話があったので、時間の融通がきく顧客サポートの部署にいたんです。

ただ、復帰した当時は会社の社員数も少なくて社内システムの管理をする人が誰もいませんでした。それで顧客サポートにいた私が手の空いた時に対応していました。そうしたら、なし崩し的に情シスの仕事をやるようになったんです(笑)。でも情シスの仕事は、サポート業務の合間でできるものはなかったので、専任の担当になりました。

――もともとITには強かったのですか。

私が中学生の時にWindows95が発売されたのですが、そのころからパソコンを触っていました。パソコンは誕生日プレゼントで親に買ってもらったんです。富士通のFMVで当時は40万円ぐらいする高価なものでした(笑)。

パソコンを初めて触っていたのはインターネットが出てくる前で、パソコン通信(※注)がはやっていたころです。だから私も基本的にはパソコン通信にパソコンを使っていたんです。パソコン通信では知り合った人とメールもしていました。メールの交換を通して、出始めのインターネットの接続方法などを教えてもらっていたんですよ。メールの相手は研究者などで、私が中学生だと伝えると驚いていました(笑)。

高校の時には友達に頼まれてHTMLのタグ打ちでホームページを作ったりしていましたね。大学は情報も扱う学科に入学したので、プログラミングの授業もありました。ただ、その内容が難しくて自分には向いていないんじゃないかと思いました。だから大学卒業後の仕事は事務職や営業職を希望しました。

――でも前職ではプログラマーをしていましたよね?

そのころ(SI会社在籍時)はITバブルの終わりかけの時で、業界全体でエンジニアの人手が足りていませんでした。それで、大学の時にプログラミングを少しやっていて、社内でITに詳しい私に声がかかり、プログラマーの仕事をすることになりました。だから、プログラマーになりたくてなったのではなくて、縁があってプログラミングをやっていたって感じなんです(笑)。

“コミュニケーションスキルが重要“と実感

――今の仕事ではどんなところにやりがいを感じますか?

「どうやったらもっと効率よくできるだろう?」と考えながら工夫して仕事をすることにやりがいを感じます。

私が出産する前の会社は社員も少人数で、ツールを社員全員が使っていたのでシステムが分からない人がほとんどいませんでした。しかし、産休から復帰した時には人数が倍近く増えていていたんです。

人数が増えると当然、ITに詳しくない人もいます。だから、システムをいきなりアップグレードすると分からない人がたくさん出てくるようになったんです。そこで、「導入の予告」「説明会の開催」「マニュアルの配布」と3段階に分けてから導入するようにしました。そうしたら混乱もなく進められるようになったんです。

今まではシステムをアップグレードする時などは事前通達を行わずにやっていましたが、このことからアップグレードや何かを導入する前には時間をかけた方がいいことが分かりました。また、会社の規模や使う人によって柔軟にシステムを変えていく必要も分かったんです。

――これまで失敗したと思うことはありますか。

新しいツールを導入したり変更を伝える時に、いろいろな人から「分からない」という同じ質問がくるので、「また同じか・・・・・・」と思って正直、無愛想に対応したり、質問に対して十分に回答していなかったりすることが多かったんです。そういうコミュニケーションの部分で失敗していたなと思います。だから、ヒューマンスキル、コミュニケーションスキルが重要と、今では思うようになりました。

――では、どう改善したのですか?

対応を丁寧にするのはもちろんですが、ふとした時に社内の人に「何かある?」と声をかけて疑問点をそれとなく聞いたり、分からないことを想像したりするようにしています。また、Q&Aを用意する、セールスフォースにあるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)機能を使うといった工夫もしています。私としては、失敗しないように「情報システム室として社内の人にサービス精神を持って対応する」ということを常に心がけています。

「社内の人にサービス精神を持って対応すること」を心がけているという秋山さん

「社内の人にサービス精神を持って対応すること」を心がけているという秋山さん

――秋山さんの仕事でのモットーは?

「タスクの効率化」です。そのために今、プログラミングで、ちょっとした機能を作っています。それは「自動化できるところはプログラムでやってしまおう」と思っているからです。そして、自動化で手の空いた分でほかの仕事を行うようにしています。こうすることで効率的に仕事ができると思っています。

これは「私しかこの業務はできない」ということをなくす意味もあります。私は子どもがいるので毎日夜遅くまで会社にいることが難しい。ほかの人に仕事を任せることもできますが、その人もずっと会社にいるとは限らないですよね。

それなら「仕事を機械にやってもらった方がいい」と思ったんです。だから自動返信など、今は人力でやっていることをどんどん機械にやってもらうようにしています。これは業務の属人化を防ぐことにもつながります。

仕事も海外ドラマも“考えること”が楽しい

――趣味は仕事だそうですね。

そうです(笑)。ただ、仕事が好きだからといって出世したいとか偉くなりたいとか考えたことはありません。主人からは「昭和の人みたいだな」と言われています(笑)。

私は考えることが趣味だと思います。だから、昔からゲームやパズルが好きなんです。学生時代はゲームばかりやっていました。今は家庭と仕事だけなので、その中で自分の楽しいことは何かなと思うと、やはり「考えること」が多い仕事になるんです(笑)。

お子さんと家のリビングにて。メジャーな海外ドラマはほとんど見ているといいます(権利の関係で画面は加工しています)

お子さんと家のリビングにて。メジャーな海外ドラマはほとんど見ているといいます(権利の関係で画面は加工しています)

趣味ということでは海外ドラマを見ることも好きですね。古いものでは「Xファイル」、最近のものでは「ウォーキング・デッド」など、メジャーな作品はすべて見ていると思います。海外ドラマは超常現象などの現実に絶対起きないフィクションやストーリーの伏線を解きほどいていく作品が好きです。そうしたドラマはいろいろ考えられるので(笑)。日本でやっているようなリアリティーを感じさせるようなドラマとかは見ないですね。

小さい部署だからこそ、いろいろと工夫ができる

――秋山さんにとって情シスとはどんな仕事ですか?

私がいるのは小さな部署なんですが、小さいからこそ、いろいろと工夫がしやすい業務と思っています。例えば、Q&Aを作っておくことや、つまずきやすいところを予想して何らかの対応しておくこと、誰が見ても分かるように簡潔なマニュアルを提供することなどです。こうした工夫は日々の小さな気付きから生まれることが多いです。

――今後、仕事やプライベートでやりたいことは?

仕事では「タスクのほとんどを自動化できたらいいな」と思っています。ルーチンワークなどはまさにそう。私は「機械ができることは機械がやればいい」と思っているので、自分のできることは全て機械に任せていこうと思っています(笑)。そして、空いた時間で別のことをする。それが会社に対する付加価値の提供にもなると思います。

プライベートではお菓子作りですね。以前、パン教室に通っていて、作るだけでなくて酵母まで勉強しました。でも、これ以上やるとほかのことをする時間がなくなると思って、断念しました。私は凝り性なのでどんどんのめり込んでいってしまうんです。だから、お菓子作りも仕事に影響が出るかもしれないので、老後の楽しみにしようと思っています(笑)。

最後に仕事でのモットーを書いてもらいました!

最後に仕事でのモットーを書いてもらいました!

※注:専用ソフトなどを使って、パソコンとホスト局のサーバー間で通信回線経由でデータ通信を行うサービス。全盛期は1980年代後半から1990年代。

<インタビューを終えて>
「自分のやっていることは全て機械に任せたい」と語る秋山さん。インタビューからはストイックでアグレッシブに業務を取り組む姿勢を垣間見ることができました。これからも攻めの姿勢で活躍していく秋山さんに期待しています!


ウフル
http://uhuru.co.jp/

■事業内容:IoTソリューション、マーケティングクラウド、パブリッククラウド事業
■本社:東京都港区虎ノ門4-3-13 ヒューリック神谷町ビル4F
■設立:2006年2月
■従業員数:159名
■売上高:非公開


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