情シスのための新常識ボディメイク術 第5回「腰痛解消のポイントは腹筋と背筋!」
腰痛は、二足歩行に進化した人類の宿命というのは本当!?
『腰痛』―この言葉に良いイメージを持つ人はあまりいないでしょう。そして、一日の中でこの言葉を聞く機会も多いのではないでしょうか。
「腰が痛くてね。」「この間、ぎっくり腰になっちゃって。」「私、腰痛持ちで。」日常会話で頻繁に聞こえてきそうな声である。また、あなたもその経験の持ち主かもしれません。
「腰痛持ち」…なんとも嫌なものをお持ちですね。嫌なら持たなければ良いのに…。なんてお気軽なことを言うと「そう出来るなら、とっくにしてるよ!」と言うお叱りの声が聞こえてきそうなので、今日は腰痛について考えてみましょう。
腰痛は、二足歩行に進化した人類の宿命と言われています。ですが、最近の研究では、歩行は腰痛に良い影響を与えることがわかっています。では、人類に腰痛が生まれたのはいつからなのでしょうか。古代人の遺骨の調査から、それは農耕の始まりから生まれたのではないかと考えられています。
「椎間板」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。背骨の骨と骨の間にあるクッションのようなものです。この椎間板に力が加わり、潰れて飛び出したのが「椎間板ヘルニア」です。
四足歩行ではこの椎間板にあまり負担はかかりませんが、二足歩行ではこの椎間板に負担がかかることになります。これが、腰痛は二足歩行に進化した人類の宿命であるがと言われる所以であるのですが、人類の構造はそれほどやわな方向には進化していません。立位だけでは、十分に耐えられる構造を持っています。
農耕の始まりは、腰痛の始まり!?
この椎間板に負担をかける姿勢、それが前かがみの姿勢なのです。直立して立っている姿勢より、前かがみの姿勢では、約3倍から4倍もの負担が椎間板にかかるのが計測されています。農耕作業は、ほぼ前かがみの姿勢で行われます。この長時間の姿勢によって椎間板が潰され腰痛が誕生したのです。
さて、今あなたはどのような姿勢をとっているでしょうか。机に座ってパソコンに向かっているでしょうか。トイレの便座に座って携帯画面を見ているでしょうか。この座っている姿勢は、立位よりも負担がかかることも計測されています。さらに少し前かがみになってパソコンに向かっていると、先ほど説明した農耕作業と同じようにさらに負担がかかります。現代のデスクワークもまた腰痛を起こしやすい姿勢なのです。
腰の後ろ側にある筋肉、背筋は常にあなたの体を支えているのですが、前かがみや座ってデスクワークをしている時は、前に重心のかかる体を支えようと、背筋はさらに力を必要としています。あなたの背筋は常に緊張状態にあるのです。
ここで腰の前側の筋肉、腹筋を見てみましょうか。だらしなくたるんではいないでしょうか。まさか、ぼっこりと膨らんではいないでしょうか。どちらにしろ、後側の背筋に比べて少し緊張が足りないのは事実でしょう。
腹筋に力を入れ緊張させると、腹圧が上昇します。腹圧が高まるとコルセットのように背骨の支えになり、背筋の負担が減ることになります。どうでしょう、腹筋の重要性が分かっていただけたのではないでしょうか。腹筋の緊張をうまく使うことと、疲労している背筋の緊張を取り除くことが、腰痛予防では重要となってくるのです。
さっそく、腰痛からの脱却を図っていきましょう。
それが分かればやる事は決まってきます。腹筋を鍛え緊張させる筋力をつけること。背筋をストレッチさせ緊張を緩めること。この2つなのです。ぜひ、実行して腰痛持ちからの脱却を図ってもらいたいと思います。
ではさっそく、腹筋運動にチャレンジしてみましょう。
(1)タオルを用意します。
(2)仰向けに寝て、片足の股関節を曲げ足を上げます。
(3)タオルを両手で持ち腿に当て、力を入れて押し付けながら、腹筋に力を入れ状態を起こす動作をします。足はタオルの力に負けないよう胸のほうに寄せようと力を入れ抵抗します。(ある程度、疲労するまでこの動作を繰り返します。)
(4)2セット目は反対の足を上げて同じ動作を行います。
次に、背筋のストレッチをしましょう。
(1)仰向けに寝た状態で両膝を抱え体を丸めます。(15秒くらい)
(2)仰向けの状態で両肩は床につけたまま下半身をひねります。(15秒くらい)
(3)これを左右行います。
今回は腰痛について、人類が始めた農耕文化やデスクワークに伴う姿勢から考えてみました。腰痛は、進化で得た肉体の構造を超えた使い方を人類がして来た結果だということも出来ます。それを生み出し実行したのは人の頭脳です。そしてそれによって生まれた腰痛に対処する方法を考えるのも、また人の頭脳なのです。頭脳と腰痛、次回はそのあたりについてもう少し考えてみましょう。