賢く食べると仕事も体も幸せに! 管理栄養士 松原郁実の「情シスめし」第3回
情報システム部門で働く情シスのみなさん、こんにちは!管理栄養士の松原郁実(まつばら・いくみ)です。今回も情シスの人たちが、食事を通して、今よりもさらに健康で元気になれる「賢い食べ方」を「情シスめし」として紹介していきます。今回のテーマは「メタボ」です。
メタボは、正式には「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」といいます。この言葉を聞いたことがある情シスの人は多いでしょう。
「メタボ? 自分は太ってないし、そんな年齢じゃないし、関係ないよ!」と思った、そこのあなた!! ちょっと待ってください! 実はスリム体型でも若くてもメタボに該当する人がいるんです。だから、本当に自分がメタボではないか、この記事でぜひ確認してみてくださいね。
この記事の目次
若者、女性も予備軍になる“隠れメタボ”とは?
さて、メタボといえば「中年男性のぽっこりお腹」というイメージを持っている人は多いと思います。でも、スリム体型でも若くても女性でも「メタボ」になる可能性があります。それが「隠れメタボ」です。では、この「隠れメタボ」とはいったいどういうものなのでしょうか?
「メタボリックシンドローム」は、お腹周りを測って判定します。測定の結果、お腹周りが男性は85cm以上、女性では90cm以上で、血圧、血糖、中性脂肪やHDLコレステロールなどの血清脂質のうち2項目以上に異常が見られた場合にはメタボと診断されます。(※注1)。
一方、「隠れメタボリックシンドローム」はお腹周りが基準値未満で体格指数(BMI)が標準体型であるにもかかわらず、血液検査に異常が見られることをいいます。つまり、見た目はスリムなのに中性脂肪値が高かったり、血糖値が乱れていたりする状態のことなのです。この隠れメタボ、最近は20~30代の人でも該当する人が少なくありません。
隠れメタボの原因は加齢や代謝低下ではなく、運動不足や食生活の乱れと考えられます。そして、見た目に表れないため、本人が自覚できないことが多いのです。さらに、自覚がないためにぽっこりお腹のメタボより生活習慣病(心疾患、脳血管疾患、糖尿病、がんなど)が進みやすいといわれています。このように隠れメタボはとても厄介なものなんです。
では、隠れメタボを予防するにはどうしたらよいのでしょうか? そこで今回は隠れメタボを防ぐためのポイントを教えちゃいます!
自分のカラダの状態を把握しよう!
隠れメタボにならないためには、まず、自分の状態を把握することです。情シスのみなさんは会社で毎年、健康診断を受けていると思います。この健診の結果が役に立ちます。まず今年か昨年の診断結果を見ましょう。その中で「血圧」「血糖」「血清脂質」が基準値外の場合は生活リズムや食事の見直しが必要です。
労働安全衛生法では「事業者は労働者に対し、医師による健康診断を行わなければならない。また、労働者は事業者が行う健康診断を受けなければならない。」とあります(※注2)。仕事で忙しいとは思いますが、隠れメタボにならないためにも年1回の健康診断は必ず受けてくださいね!
自分だけの“健康ルール”を作ろう!
2つめは、食生活で“自分なりの健康ルール”を作ることです。これはひとりひとりで異なります。ただ、これだけでは分かりにくいと思いますので、例を示しますね。
<健康ルールの例>
・ラーメンを食べる時はスープを飲み干さない
・野菜料理を1品以上は食べる
・スイーツを食べる時は飲み物を無糖にする
・お酒を飲む時は同量の水も飲む(チェイサーを付ける)
・食事はゆっくりよくかんで食べる
・朝ごはんを食べる
・ノー残業デーは自炊をする
これはあくまで一例です。でも「考えるのが面倒だな~」と思う人は、このルールをそのまま使ってもらってもOKです。
日常で何気なく取り過ぎている塩分や油分に注意することは、結果的に血圧や血糖値のコントロールに役立ちます。食事制限をしたり、いきなり難しいことをしたりするのはNGです。毎日続けられることから健康のマイルールを作るのが“賢い食べ方”なんですよ!
隠れメタボを防ぐ「ねばねばキムチぶっかけうどん」
さて、今回は隠れメタボ対策には打ってつけの簡単に作れる料理一品とレシピを紹介します。その名も「ねばねばキムチぶっかけうどん」です!
この料理は血糖値や中性脂肪を正常に保つといわれている発酵食品や海藻が手軽に食べられるのでおすすめです。早く帰宅した日の夕食や休日のお昼にでも、ぜひ作ってみてくださいね。
「隠れメタボ」は自覚がないからこそ、自分で定期的にチェックしていきたいものです。そのためにも「年1回はきちんと健康診断を受ける」「糖分や塩分、油分はなるべく控えるようにする」など、できるところから食生活を整えていってみてくださいね!
【参考】
※注1:『メタボリックシンドロームの診断基準』、e-ヘルスネット、厚生労働省
※注2:労働安全衛生法第66条