【国際ドローン展】スピード重視で海外も狙うドローンベンチャー テラドローン
- 2016/4/28
- レポート
- TERRA DRONE, ドローン
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テラドローンのブース
テラドローンは、2016年3月に設立の会社だが、すでに土木測量分野で確固たる実績を築いている。同社はハード・ソフトの開発を手がけるが、その真価はベンチャー企業らしいスピードとフットワークの軽さにある。有望な市場にいち早く乗り込み、ビジネスモデルを定着させる。そのパワーは、日本発のドローンビジネスを世界に展開する強力な武器になるかもしれない。
この記事の目次
土木測量分野での確たる実績
テラドローンは電動バイクや電気スクーターなどを製造・販売する「テラモーターズ」が親会社だ。テラモーターズでは手がける電動バイクなどの技術はドローンと基本的な部分で共通項が多い。そこで、電動モーターとその制御技術を応用するべく、テラドローンを設立。ドローン事業に参入した。
「会社は設立間もないのですが、すでに仙台市で測量の実証実験を行っており、手応えはつかんでいます」と事業開発部の神薗優太郎氏は自信を見せる。
テラドローンが開発した測量用のドローン
使用された機体には、電動バイクなどで磨いた技術が詰め込まれている。神薗氏は自社の強みについて、次のように話す。
「空撮からCAD、測量までの広い範囲の業務を扱うことができるのが弊社の強みです。そうした持ち味を活かせる土木測量の分野に注力し、すでに多くの実績を積み上げています」。
抜群のスピード感で市場開拓
テラドローンの動きを追ってみると、「スピード感」が目につく。設立後からすぐに土木測量システムを構築。同時に営業活動も展開することで、すでに数十社の顧客を持ち、海外マーケットの開拓も行っている。「スピードが弊社の持ち味」と神薗氏が言う通り、フットワークの軽さが強みだ。
現在は土木測量に特化しているが、農薬散布や構造物点検というニーズも、もちろん視野に入れている。特に構造物検査はそのニーズの高さから、有望な市場だという。
「例えば、橋梁は総延長が70万橋あります。それを5年に1度は点検しなくてはいけない。どう考えても現状では人が足りていませんし、社会的な課題でもあります」と神薗氏はいい、ぜひ打って出たい分野だと力強く語る。
テラドローン 事業開発部 神薗優太郎氏
大規模倉庫などの資材管理でも、ドローンの活用は有益だと神菌氏は言う。例えば、建築資材置き場。特に海外では広大な敷地の中に数十万件もの資材が保管されている。すべてを機械管理することは難しいし、人の手を使うのもたいへんな作業になる。
「ここでもドローンが活用できます。今はまだ調査段階ですが、これら多くの選択肢から有望な市場を開拓していきます」(神薗氏)。
アジアから世界の空へ
テラドローンでは土木測量という用途に限ってみても、日本以上に大きなニーズがあると考えている。
「アジアはもちろん、測量分野のニーズが見込める国々は多々あります。国によって事情が違うので見極めは必要ですが、世界的な展開を進めていきたいと考えています」と神薗氏は力を込める。
海外進出を果たす上で役に立つのが母体の「テラモーターズ」のネットワークだ。同社は日本以外にベトナム、バングラディッシュ、インドに拠点を持つ。これはテラドローンにとって、大きなメリットになるだろう。「スピード」と「海外拠点の活用」で、世界進出を狙うテラドローン。その戦略が成功すれば、日本発のドローンがアジアや世界各国の空を飛び回る日も遠くないのかもしれない。
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