ブロックチェーンとは?仕組みや実装事例を知識ゼロでもわかるように解説
ブロックチェーンは、WEB3.0の中核となる技術であり、今後さらに加速が見込まれています。
難しいイメージのあるブロックチェーンですが、近年よく耳にするようになった暗号資産やNFTなどもブロックチェーンを活用した技術です。
今回は、ブロックチェーンを構成する4つの技術に分解して1つずつご紹介します。
ブロックチェーンの仕組みについて理解した上で、メリット・デメリットは何があるのか、既に活用している企業の例についても併せてご確認ください。
この記事の目次
ブロックチェーンの仕組みは4つのSTEPを組み合わせた技術
ブロックチェーンとは、ある一定数のデータをブロックに入れ、ブロックとブロックをチェーンで繋ぎ、データの入ったブロックが全てひと繋ぎになっている状態をいいます。
ブロックチェーンの仕組みは、4つのSTEPを組み合わせた技術で構成されていますが、1つ1つの技術は従来よりある技術です。
4つの技術を組み合わせた考え方が革新的で話題となり、今やWEB3.0には欠かせません。
ここではブロックチェーンの仕組みを構成する4つの技術について、1つずつ順番に解説します。
暗号化技術
暗号化技術とは、データを決められた数だけブロックに詰め、ブロックを順番に並べてチェーンで繋いだような状態にする技術です。
1つのブロックに入れられる容量は決まっているので詰められるデータに限度があり、いっぱいになると次の新しいブロックへデータを詰めます。
データがいっぱいになったブロックには、1つ前のブロックをハッシュ関数と呼ばれるある計算方式を通して算出したハッシュ値というラベルのようなものを必ず一緒にブロック内に入れます。
ランダムな文字列で形成されたハッシュ値は暗号化された状態で、逆算することはできません。
1つ前のハッシュ値を次のブロックに組み込むことで、常に前のブロックと次のブロックが繋がった状態となるため、改ざんが限りなく不可能になります。
コンセンサスアルゴリズム
コンセンサスアルゴリズムとは、ブロックに詰めたデータを全員で確認し、全員で合意形成を行う方法です。
ブロックチェーンでは、全員で同じデータを共有し、全員が同じデータを所有します。
そのため、どこかのデータが破損や改ざんをされてしまった場合でも、他の人が同じデータを持っているのですぐに照らし合わせて解決できます。
ただし、全員でブロックを持つためには、誰かが正しいブロックを1つ作り、正しいデータとして認めることが必要です。
誰が正しいブロックを作るのかを決める方法は複数あるため、プロダクトによって手段は異なりますが、ルールの合意方法をコンセンサスアルゴリズムといいます。
P2P
P2PとはPeer to Peerの略で、全ての参加者が対等であり権力の差がない状態を指します。
ブロックチェーンを利用した技術では、誰でもノードと呼ばれるブロックチェーンの入ったコンピュータになることができます。
ノード同士が間に何も挟まず、常に直接的に接続する通信方式がP2Pの技術です。
DLT(分散型台帳技術)
DLTとはDistributed Ledger Technologyの略で、日本語では分散型台帳技術といいます。
ブロックチェーン上のデータに関して、誰が・誰に・いつ・どれだけ取引したのかなどの情報を、全員で記録を持ち、全員で監視をする、非中央集権型の方法です。
DLTにより、1人のデータが改ざんされても他の全員のデータとの整合性が取れないので、すぐに分かるようになると同時に改ざんは限りなく不可能であるといえます。
ブロックチェーンのメリット
ブロックチェーンにおけるメリットは下記4つです。
- データの改ざんが難しい
- 24時間365日無停止のサービスが提供可能
- データのバックアップが不要
- みんなで監視し、記録を持つので管理者が要らない
ブロックチェーンは4つのSTEPから成り立つ技術であり、データの改善は限りなく不可能なため透明性が高い点はメリットといえます。
また、ノード同士のネットワークにより構築されるので24時間365日無停止のサービスが提供可能となります。
全てのデータは全員で保持をして監視しているため、バックアップが不要であり、権限の強い特定の管理者は不要です。
ブロックチェーンのデメリット
ブロックチェーンにおけるデメリットは下記2つです。
- 処理スピードが遅い
- データがあまり入らない
ブロックチェーンでは、基本的にP2Pネットワークにより誰でもノードとなり、ノード同士を直接繋げられることでネットワークを構築しているため、個々の接続機器に処理が依存され、処理スピードが遅くなるデメリットがあります。
また、データには容量に限りがあるのでサイズがあるデータを入れることは難しく、重いデータをブロックチェーンで取り扱うことは向いていません。
ブロックチェーンの仕組み活用事例
ブロックチェーンの仕組みを既に活用し、サービスを展開している企業は年々増えています。
複数の種類があるブロックチェーンは、活用方法も幅広くあります。
この記事では2社の活用方法を解説しますので参考にしてください。
企業の具体的なブロックチェーン活用事例についてもっと知りたい方は、下記の記事を併せてご確認ください。
関連記事:ブロックチェーンとは?活用事例や自社に導入する際のポイントを解説
アート流通 × ブロックチェーン/Startbahn Inc.
Staetbahn Inc.では、アート流通においてブロックチェーン技術を活用しています。
ブロックチェーンネットワークを利用したことにより、作品の証明書の発行や、作品の売買・贈与・展示・保管・修復などの来歴情報を自動で管理することが可能となりました。
ブロックチェーンの仕組みを活用することで、アートにおける真正性の担保や二次流通の際の正しい価値評価を実現できるようになったのです。
生産業 × ブロックチェーン/Walmart Inc.
Walmart Inc.では、生産業においてブロックチェーン技術を活用しています。
食品サプライチェーンでは、食品の生産者や加工工場、卸業者など多くの工程と業者が存在します。
ブロックチェーンネットワークを利用することで、全ての工程を時系列にチェーンで繋ぎ、DLT(分散型台帳技術)により、どの業者からも管理ができるようになりました。
ブロックチェーンの仕組みを活用することで、生産業における食品の追加や特定が可能となり、業務処理の効率化によりコスト削減も実現したのです。
まとめ
ブロックチェーンの仕組みは、「暗号化技術・コンセンサスアルゴリズム・P2P・DLT(分散型台帳技術)」の4STEPを組み合わせた技術です。
暗号化されたブロックを順番に並べてチェーンで繋ぎ、全員でデータを共有・監視することで改ざんを限りなく不可能にするだけでなく、誰でもノードとなりノード同士が直接通信できる仕組みです。
ブロックチェーンを活用している企業は増えており、分野は暗号資産だけでなく、アート流通や生産業にも広がっています。
ブロックチェーンの仕組みを理解し、サービスへの活用や新しいビジネスとして取り入れることは、今後の企業価値に大きな影響を与えるでしょう。