ブロックチェーンとは?活用事例や自社に導入する際のポイントを解説
ブロックチェーンは、新しいwebの概念であるweb3.0で活用される技術であり、仮想通貨の取引などでも用いられています。
しかし、企業で働くご担当者の方にとっては、「言葉は聞いたことあるけど、あまり詳しくは知らない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ブロックチェーンの概要やメリット、活用事例、活用ポイントなどを解説していきます。
この記事の目次
ブロックチェーンとは?
総務省によると、ブロックチェーンは以下のように定義されています。
「ブロックチェーン技術とは情報通信ネットワーク上にある端末同士を直接接続して、取引記録を暗号技術を用いて分散的に処理・記録するデータベースの一種であり、「ビットコイン」等の仮想通貨に用いられている基盤技術である」
※出典:総務省|平成30年版 情報通信白書|ブロックチェーンの概要
つまりブロックチェーンは簡単に言うと、「不正や改ざんができないように、複数の場所で取引を記録して信頼性を担保する仕組み」といえます。
ブロックチェーンの仕組みやメリット・デメリット、web3.0について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
関連記事:ブロックチェーンとは?仕組みや実装事例を知識ゼロでもわかるように解説
ブロックチェーンでできること
それでは、ブロックチェーンではどのようなことが可能になるのでしょうか。
ブロックチェーンを用いることで、主に以下のようなことが実現できます。
- データの改ざん防止
- 取引の透明性の確保
- トレーサビリティの向上
ブロックチェーンは、複数の場所で取引を記録することで、データの改ざん防止が可能になります。
それにより、取引の透明性や安全性、信頼性を確保できるようになります。
また、取引の流れを辿ることもできるため、トレーサビリティの向上にも役立つのです。
ブロックチェーンの市場規模
ここでは、ブロックチェーンの市場規模を見ていきます。
「矢野経済研究所」によると、日本国内におけるブロックチェーンの市場規模は以下の通りです。
年度 | 市場規模 |
2021年度 | 約783億円 |
2022年度 | 約1,471億円(予測) |
2023年度 | 約2,667億円(予測) |
2024年度 | 約4,579億円(予測) |
2025年度 | 約7,248億円(予測) |
2021年度から2025年度までの4年間で、およそ10倍近く市場が成長していく見込みであることがわかります。
つまり、ブロックチェーンは今後の将来性の高い非常に有望な市場であるといえるでしょう。
なお、ブロックチェーンには「パブリック型」・「プライベート型」といった種類や特徴が存在します。
それらについて知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
関連記事:ブロックチェーンの種類を解説 | プラットフォーム4選についても紹介
ブロックチェーンの活用事例
前述の通り、ブロックチェーンはこれからますます盛り上がりが予想される分野です。
企業のなかには、今後の将来性を見据えてすでにブロックチェーンの活用を始めている企業もあります。
以下では、ブロックチェーンの活用事例として2社の事例を紹介します。
・シヤチハタ株式会社:電子印鑑システム「NFT印鑑」
シヤチハタ株式会社は、日本で初めてNFTを活用した電子印鑑を共同開発しました。
NFTとは「Non-Fungible Token」の略で、日本語では「代替不可能なトークン」を意味します。
簡単に言うと、「偽造のできないデジタルデータ」です。
つまり「NFT印鑑」は印影データをNFT化することで、印鑑保有者や印影情報を保証できる電子印鑑となります。
これにより、従来の電子印鑑が抱えていた印影の偽造リスクの問題などをブロックチェーンを活用して解決できるようになります。
参考:日本初!NFTを活用した電子印鑑を共同開発~デジタル時代に求められる新たな電子印鑑で、あらゆるシーンのDXを支援~|シヤチハタ
・ウォルマート:食品のトレーサビリティシステム
ウォルマートは、IBM社が提供するFood Trustというサービスを使い、食品のトレーサビリティシステムを構築しています。
Food Trustは、ブロックチェーン上に構築された協業ネットワークであり、以下のような関係者同士で情報共有ができます。
- 生産者
- 加工業者
- 卸売業者
- 流通業者
- 製造業者
- 小売業者
食品の原産地や取引明細、加工情報などの情報を改変できない共有記録として食品サプライチェーン全体で共有することにより、安全かつスマートに持続可能な食品エコシステムを実現しています。
参考:Food Trustの仕組み – IBM Supply Chain Intelligence Suite
ブロックチェーンを自社に活用する際に重要となるポイント
ここでは、ブロックチェーンを自社で活用するにあたってのポイントを解説します。
・経営層や事業責任者にブロックチェーンの将来性や活用効果を丁寧に説明する
はじめに、ブロックチェーンの将来性や活用効果を社内の経営層や事業責任者にしっかりと説明し、納得してもらうことが重要です。
社内の意思決定層からの合意を得ることができないと、どんなにブロックチェーンが優れた技術でも自社導入は困難です。
他社事例や市場規模などの客観的なデータを活用しながら、ブロックチェーンによって自社で得られる効果などを社内で十分に共有していきましょう。
・ブロックチェーンなどの最新技術に詳しい技術者の育成・採用に力を入れる
ブロックチェーンはまだ歴史の浅い最新技術の一つです。
そのため、ブロックチェーン技術に詳しい技術者はまだ少ないのが現状といえます。
ブロックチェーンを自社で活用していくためには、自社への導入推進ができる技術者の育成が大切です。
自社での育成が難しい場合は、外部からの技術者の登用なども検討するとよいでしょう。
まとめ:ブロックチェーンはさまざまな分野で活用されている
ブロックチェーンは「不正や改ざんができないように、複数の場所で取引を記録して信頼性を担保する仕組み」です。
ブロックチェーンを活用することで、データの改ざん防止や取引の透明性の確保、トレーサビリティ向上などが期待できます。
ブロックチェーンは今後さらなる成長が見込まれる有望な市場であり、すでに活用事例もさまざまな分野で存在します。
自社でブロックチェーンを活用する際は、経営層などの意思決定者との合意形成やブロックチェーンに詳しい技術者の育成・採用が重要なポイントとなるでしょう。