国内携帯電話端末の出荷台数調査(2021年度上期)-MM総研

ICT市場調査コンサルティングのMM総研は、2021年度上期(2021年4月~9月)の国内携帯電話端末の出荷台数を調査し、その結果を発表している。

 

スマートフォン出荷のうち5G対応が774.8万台で過半を占める

2021年度上期の総出荷台数は前年度上期を上回る1611.5万台(前年度同期比10.5%増)となった。内訳をみると、スマートフォンが1472.4万台(9.3%増)でそのうちSIMフリースマートフォンは267.1万台(29.7%増)。フィーチャーフォンは139.1万台(25.7%増)となった。
スマートフォン、フィーチャーフォンともに出荷台数は前年度同期実績を上回る結果となった。
5Gスマートフォンは774.8万台(586.9%増)と約7倍に拡大しスマートフォン出荷全体の過半数を占めた。
フィーチャーフォンはauの22年3月の3Gサービス終了に伴う、買い替え施策の影響があったことが伺える。

予測では、2021年度通期の総出荷台数は3672万台(4.6%増)で、そのうちスマートフォン出荷台数は3393万台と前年度比3.6%増となる見込みだ。市場活性化への貢献が期待される5Gスマートフォンの出荷台数は2021年度通期で2230万台、スマートフォン出荷に占める比率は65.7%と予測する。

 

Appleが10期連続で1位を獲得

2021年度上期のメーカー別総出荷台数シェア1位はAppleで、上期実績としては10期連続で1位を獲得。以下、2位シャープ、3位京セラ、4位SONY、5位Samsungの順となった。
スマートフォン出荷台数シェアは当然ながら1位はApple。2位にはフィーチャーホンを持たないSONYが入り、以下、3位シャープ、4位Samsung、5位OPPO、6位FCNTとなっている。


<出典:MM総研>

 

2025年度のスマートフォン出荷台数は3494万台で、全て5G対応に

2021年度通期のスマートフォン出荷台数は3393万台(3.6%増)とMM総研では予測する。
前回予測時(2021年5月)の3444万台(5.1%増)から若干下方修正となるがプラス成長の見通しである。
その理由としては、底堅い買い替え需要のほか、2022年3月以降に順次3Gサービスが終了することに伴う、フィーチャーフォン利用者によるスマートフォンへの切り替え促進、各社の新料金サービスの開始に伴うプラン変更や乗り換え(MNP)、楽天モバイルユーザー増加に伴う新たな端末需要などが追い風となることが見込まれる。
しかし、世界的な半導体不足の問題により、この影響を受ける端末は出荷台数が伸び悩む懸念もある。

5Gスマートフォンの出荷台数は2021年度通期で2230万台(スマーフォン出荷に占める5G比率65.7%)と予測する。
2021年度には5G対応が60%超となる見通しであり、その後も5Gスマートフォンへの買い替え需要がけん引し、2025年度のスマートフォン出荷台数の全てが5Gスマートフォンになると予測する。

しかしながら、国内市場においては不確定要素もある。電気通信事業法の一部改正により、2021年10月1日以降に販売する端末は“SIMロック原則禁止”となった。
これにより携帯電話/スマートフォンの市場構造が変化する可能性もある。
MNOが販売するスマートフォンはSIMロックがかからない状態で販売されるため、キャリアで購入した端末をすぐに他社のSIMに差し替えて利用することができる。
キャリアが扱うモデルには対応する周波数帯という課題も残されているが、携帯電話業界全体の変化は激しく、今後もスマートフォン市場は熾烈な競争が続くことは間違いない。


■携帯電話出荷台数に含まれる端末
① 従来型携帯電話(以下、フィーチャーフォン。Android OSの二つ折り端末を含む)
② スマートフォン
・回線ブランド別(7分類):NTTドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイル(Y!mobile)、UQモバイル、楽天モバイル、その他SIMフリー
・SIMロックフリー:UQモバイル、楽天モバイル、その他SIMフリー(メーカー直販やMVNO・量販店・代理店等を経由して販売)が含まれる。以下、SIMフリーと記載
③ 総出荷台数(①+②)

■スマートフォンの定義 以下を条件としてMM総研による分類
①以下OSを搭載 (Android、iOS、Windows)
②音声通話が可能 (画面7インチ以上でヘッドセット利用を想定した端末は含まない)
③アプリやソフトウェア等のカスタマイズが可能
④OS環境として(アプリ)開発仕様が公開されていること
⑤キャリア及びメーカーがスマートフォンと位置づけている製品
※調査時点のため、今後の端末発売状況等に応じて予告なしに変更する可能性があります


■編集後記

国内市場はiPhoneがおよそ半分を占めるという世界的に見ても特異なマーケットである。
車では『最新のポルシェが、最良のポルシェ』などと言われるが、iPhoneについても過去を振り返ればこれが当てはまるだろう。
だからこそ、”使い続ける”ことはなく、買替需要が間違いなく生まれる。
スマートフォン出荷台数を見ればApple一強であることは明白であるが、端末のSIMフリー化による端末流通の自由度がiPhoneにとって吉と出るのか、凶と出るのか、今後の動向に注目したい。


本レポートは、MM総研様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=515

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