国内ITインフラストラクチャサービス市場予測(2018~2022)-IDC
IDC Japanは、国内ITサービス市場におけるITインフラストラクチャの設計/構築、アウトソーシング、サポート&トレーニング、セキュリティの各領域の影響を定量的に切り出した、国内ITインフラストラクチャサービス市場予測を発表。これによれば、2017年の国内ITインフラストラクチャサービス市場規模は2兆5,315億円、2017年~2022年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は1.1%と予測する。
・2017年の国内インフラストラクチャサービス市場規模は2兆5,315億円
・2017年~2022年の年間平均成長率は1.1%
・ITインフラ運用管理の負担軽減、基幹システムのクラウドマイグレーションの需要が高まる
ITインフラの設計/構築を中心とするITインフラストラクチャコンサルティング&インテグレーション市場は、既存システムの更改/入れ替えをきっかけとしたクラウドマイグレーションに伴うITインフラ再構築の需要などにより、2017年の前年比成長率は1.3%となった。2018年以降、成長率は低下し、2021年にはマイナス成長になるとみられるが、2022年にはIoTなどのデジタルトランスフォーメーション(DX)領域でITインフラ整備の需要が期待できることなどから、再びプラス成長を示すとIDCではみている。故に、2017年~2022年のCAGRは0.2%になるとIDCでは予測している。
国内ITインフラストラクチャサービス市場 支出額予測: 2017年~2022年
Note: 2017年は実績値、2018年以降は予測
Source: IDC Japan, 11/2018
ITインフラストラクチャアウトソーシング市場は、クラウドやデータセンターサービスの利用拡大や、複雑化するITインフラ運用管理の外部委託需要などに支えられ、2017年の前年比成長率は3.1%と堅調。2018年以降もこの傾向は継続し、安定した成長率を維持して、ITインフラストラクチャサービス市場全体を牽引するセグメントになるとみられている。故に、2017年~2022年のCAGRは2.7%になるとIDCでは予測している。
また、ITインフラストラクチャサポートサービス市場は、引き続きハードウェアサポート&保守の縮小傾向の影響が強く、2017年~2022年のCAGRはマイナス1.1%になると予測する。
ITインフラストラクチャセキュリティサービス市場は、多くの企業において情報セキュリティ対策に対する意識の高まりが持続していることから、2017年も5.5%の前年比成長率を示した。この傾向は2018年以降も継続し、主にマネージドセキュリティサービスに牽引されて安定した成長率を維持するとみられる。その結果、2017年~2022年のCAGRは5.9%になるとIDCではみている。
企業の間でクラウドファーストの考え方が徐々にスタンダードになりつつある一方で、クラウドの利用拡大が必ずしも企業にとって負担の軽減につながらないという状況が起きているという。
ITサービスベンダーは、海外のリソースも積極的に活用して企業のITインフラ運用管理の負担を軽減させつつ、基幹系システムのクラウドマイグレーションの需要を積極的に取り込む必要があるとIDCは考えている。
本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/201811282Apr.html