国内システム/サービス管理ソフトウェア市場予測(2021~25)-IDC

IT専門調査会社 IDC Japanは、国内システム/サービス管理ソフトウェア市場の2020年の実績と2021年~2025年の予測を発表した。
調査の結果、2021年の国内システム/サービス管理ソフトウェア市場は前年比5.4%増の3,029億7,300万円になると見込む。
2020年~2025年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は6.3%となり、2025年の市場規模は3,899億800万円になると予測している。

2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるIT投資控えやシステム構築/更改案件の減少の影響を受け、前年比成長率が0.4%とほぼ横ばいに推移した。ベンダー別売上額シェアでは、1位から日立製作所、富士通、NECとなり、順位に変動は見られなかった。
2021年は国内経済が回復に向かい、新規ITシステム導入やITシステム更改への投資が回復するとIDCではみている。
これに伴い、2021年のシステム/サービス管理ソフトウェア市場も再び成長基調に入り、前年比成長率が5.4%になると予測している。2022年以降はさらなる成長が見込まれることから、6%以上の前年比成長率が継続するとみている。

今後、COVID-19の経験に基づいた事業継続の強化策として、ITシステムはオンプレミス環境からクラウド環境への移行が加速することが見込まれる。
それに伴い、ITシステム運用もクラウド環境への対応が図られ、運用の自動化と可視化、そしてサービス管理の強化が行われていくとみている。
さらに、オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境のような複雑なITシステムに対しては、ログやメトリクスデータなどIT運用に関連する情報を分析して改善を図っていくITオペレーション分析の活用が拡大していく。さらに、そうした分析にAIを組み込むことで分析精度の向上や障害予測、運用の自律化を実現するAIOps(AI for IT Operations)の導入も本格化していくと考えている。

国内システム/サービス管理ソフトウェア市場予測:2019年~2025年


Source: IDC Japan, 8/2021

ITシステムやITサービスの管理機能をクラウドサービスとして提供するシステム/サービス管理クラウドサービス市場が高い成長を続けている。
2020年の実績は前年比40.9%増の219億900万円となり、2021年は前年比39.8%増の306億2,500万円と見込む。
2020年~2025年のCAGRは32.0%、2025年には877億300万円に達するとIDCでは予測している。

2020年のベンダー別売上額シェアでは、1位からServiceNow、New Relic、マイクロソフトとなっており、いずれも非常に高い成長を達成している。
他のベンダーもクラウドサービス戦略を強化しており、これから競争がさらに激しくなるとみられている。

「ITサプライヤーは、マルチクラウド化の進展によってますます複雑化かつ分散化していくITシステム環境の将来を見据え、それに対してクラウドサービスやAIOpsを活用した次世代のITシステム運用管理ソリューションを提供していくことが必要である」とIDC Japan ソフトウェア&セキュリティのグループマネージャーである入谷 光浩氏は述べている。

 

今回の発表はIDCが発行した国内システム/サービス管理ソフトウェア市場予測、 2021 年~ 2025 年 と国内システム/サービス管理ソフトウェア市場シェア、 2020 年:クラウドサービスへのシフトが加速 にその詳細が報告されている。

 


本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ48177021

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