国内外付型エンタープライズストレージ市場実績(2019年第2四半期)-IDC
IDC Japanは、2019年第2四半期(4月~6月)の国内外付型エンタープライズストレージシステムの支出額(Value)実績を発表。これによると、2018年第2四半期の支出額は471億6,300万円で前年同期比21.9%増となった。
国内外付型エンタープライズストレージシステム市場の支出額推移、2017年第2四半期~2019年第2四半期
Source: IDC Japan, 9/2019
2019年第2四半期の外付型エンタープライズストレージシステム支出額のセグメント別内訳を見るとメインフレーム向けが36億2,000万円で前年同期比8.3%減、オープンシステム向けが435億4,300万円で同25.3%増に。メインフレーム向けは2015年の大型更新案件のピーク以降、支出が低迷している。オープンシステム向けは、サービスプロバイダー向けの需要増に加えて、いくつかの大型更新案件が貢献して大幅なプラス成長となった。
2019年第2四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム市場では、中央官庁や地方自治体の大型更新案件がプラス成長に大きく寄与しました。すなわち、これらの案件を除くと比較的ゆるやかな成長であったと考えらる。これらの案件では主にハイブリッドフラッシュアレイ(HFA)が採用されたため、オールフラッシュアレイ(AFA)の支出額は、前年同期比で2桁のプラス成長が続いたにも関わらず、支出額に占める比率が初めて前年同期を下回った。また、2020年1月に迫ったWindows Server 2008のサポート終了に伴うインフラ更新が、中堅中小企業で活発化している。このようなインフラ更新は、サーバーへ接続するストレージの需要も喚起し、インフラの集約やクラウドへのシフトで減少傾向にあったローエンド製品の出荷を下支えする。
2019年第2四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム売上額(Vendor Revenue)は446億6,800万円でした。ベンダー別売上額の上位5社は、日立製作所(22.0%)、デル テクノロジーズ(19.8%)、富士通(11.2%)、ネットアップ(9.9%)、日本ヒューレット・パッカード(7.7%)となった。これは前年同期と比べ、首位の日立製作所とデル テクノロジーズのシェアが前年同期比で4ポイント以上拡大し、3位以下の順位が入れ替わっている。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ シニアマーケットアナリストである加藤 慎也氏 は「今期は2001年以降で最も高い前年同期比の支出額成長率となった。ただし、この成長は主に国産ベンダーによる中央官庁/地方自治体向けの大型更新案件によってもたらされており、さまざまなベンダーがアクセス可能な市場としては、比較的ゆるやかな成長であったと考えられる。また、政府はITインフラの採用方針にクラウド・バイ・デフォルトを掲げた取り組みを進めており、今期のような市場成長は今後減少するとみている。一方、NVMeに代表される最新技術の需要は未だ低いものの、中期的にはオールフラッシュアレイのように市場シェアを動かす要因になると考えられる。ベンダーは、ITインフラの利用方法の変化に合わせた提供方法の多様化と同時に、テクノロジーの動向に合わせたユーザーの需要開拓が求められる」と分析している。
本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ45533719