国内サーバー市場動向(2019年第3四半期)-IDC

IDC Japanは、2019年第3四半期(7月~9月)の国内サーバー市場動向を発表。2019年第3四半期の国内サーバー市場全体の売上額は1,373億円で、前年同期から0.5%減少に。出荷台数は13万7千台と、こちらも前年同期から5.7%減少。

 

2019年第3四半期の国内サーバー市場は、売上額が前年同期比でほぼ横ばいとなった。
製品別ではメインフレームが、前年同期比で3桁のプラス成長となったが、x86サーバー(注1)が、前年同期比でマイナス成長、その他のサーバー(注2)は、2桁のマイナス成長となった。

x86サーバーは、売上額が前年同期比5.5%減の1,109億円。出荷台数は、前年同期比5.6%減の13万6,200台であった。尚、Standard Server(注3)は、売上額が前年同期比3.4%減の934億円、出荷台数は、同3.2%減の11万4,700台となっている。Custom Server(注3)は、売上額が前年同期比15.3%減の175億円、出荷台数は、同16.6%減の2万1,500台であった。

Standard Serverは、ヘルスケア、金融、ITサービス向けの大口案件や、Microsoft Windows Serverのサポート終了にともなうサーバー更新需要などがあったものの、前年同期にあった官公庁や文教向けの大口案件の反動で、プラス成長には至らなかった。
Custom Serverも、ODM Directを中心に、クラウドサービスベンダー向けの出荷が減少し、マイナス成長となった。
「x86サーバーは、大口案件に加えて、Microsoft Windows Serverサポート終了にともなう、中堅中小企業を中心とした同サーバーの更新需要が背景にある」と、IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊 雅行氏は述べている。

メインフレームは、売上額が前年同期比105.4%増の195億円であった。公益、製造、運輸、金融向けの大型案件などで、大幅なプラス成長となった。
その他のサーバーは、売上額が前年同期比38.2%減の69億円。金融、製造向けの大型案件があったが、前年同期にあった金融やITサービス向け大型案件の反動で2桁のマイナス成長となった。

 

カンパニー別売上額では、富士通が首位を維持。次いで、NEC、日本ヒューレット・パッカード(HPE)、デル テクノロジーズ(Dell Technologies)、IBMの順となった。
出荷台数は、富士通が首位を奪取。次いで、NEC、HPE、Dell Technologies、そしてLenovoと日立が、同率5位(注4)となっている。

2019年第3四半期 国内サーバー市場 カンパ二―シェア【売上額】

Source: IDC Japan, 12/2019

 

注1: 「x86サーバー」は、x86アーキテクチャのプロセッサーを採用しWindows、Linuxなどオープン系のOSを搭載したサーバーです。Itaniumプロセッサーを搭載したサーバーやベンダー独自OSを搭載したサーバーはx86サーバーに含めません。また、「x86サーバー」と「メインフレーム」以外のサーバーを「その他のサーバー」として記載しています。

注2: 「その他のサーバー」は、「RISCサーバー」、「IA64サーバー」、「ビジネスサーバー」、「スーパーコンピュータ-」の総称として使用しています。

注3: x86サーバーは、Standard ServerとCustom Serverに分類されます。Standard Server とは、ベンダーが公開するカタログに掲載されたサーバーで、標準的なマザーボードや筐体をベースとしたサーバーです。Custom Serverとは、主にクラウドサービスベンダーが、ODM Directなどから調達するサーバーで、マザーボードや筐体が、特定の顧客や用途向けに設計されたサーバーです。

注4: IDCでは国内サーバー市場におけるベンダー出荷実績の差が1%未満の場合、ベンダーランキングではタイ(同位)として扱います。


本レポートは、IDC Japan様のプレスリリースの内容を元に作成しております。
ソース:https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ45738219

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