【情シス女子】第35回 「企業理念・ビジョンをシステムから現場に伝えていく」小佐田裕美さん
- 2017/3/27
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アチーブメントシステムズ 小佐田裕美さん
今回の情シス女子は、アチーブメントシステムズの小佐田裕美(こさだ・ひろみ)さんです。アチーブメントシステムズは人材教育コンサルティングを手がけるアチーブメントの情報システム部門が独立した会社。小佐田さんは、同社でグループ社員が利用するシステムの開発・運用を担当しています。仕事について独自の視点を持つ小佐田さん。彼女が考える情シスの役割を話してもらいました。(取材・文:いしだわかこ 撮影:松波賢 ヘアメイク:高橋純子)
<小佐田裕美さんプロフィール>
アチーブメントシステムズ所属。大学ではシステム開発と統計学を学ぶ。2012年アチーブメント入社。入社後はITチームに配属。その後、IT部門の分社化に伴い、16年11月アチーブメントシステムズに移籍。現在はグループ全社の社員が利用する基幹システムの設計・開発、運用やメンバーのマネジメントなどの業務に携わる。プライベートでは、スキーやキャンプ、ツーリングが好きなアウトドア女子の一面も持つ。
会社が目標に進む仕組みを作れる仕事がやりがい
――担当している仕事を教えてください。
私がいる会社はアチーブメントグループの全てのITを担当しています。その中で私が担当しているのは、グループ各社のサービス全てが連携している基幹システムと、Webアプリケーションの設計・開発などです。基幹システムでは設計・開発、開発の進行管理からリリース、運用を行っています。去年の11月に親会社のIT部門が分社化して新会社に業務が移管されて、私も新会社に移籍しました。
――今の会社を選んだ理由は?
大学では統計学とデザインとITを学びました。でも学んだものは「何かを伝えるツールでしかない」と思ったんです。そして「私が社会に対して価値を提供できるとしたら何ができるのか?」ということを考えました。
その時に浮かんだのが「教育」でした。「教育業界で自分の価値を発揮したい」と考えました。それで人材教育を行っている、この会社で働きたいと思ったんです。そして、入社後に求められた役割がITだったので、ITの分野で頑張っていこうと思ったんです。
――仕事のやりがいを感じるのはどんな時ですか?
「会社の仕組みを作っている」という実感を得られた時です。会社は「経営」「業務の現場」「IT」が三角形になっていて、その3本柱で企業理念やビジョンを実現していきます。そう考えた時に、IT部門は会社が目標へと進む仕組み自体を経営者と連携して作っていくことができる部署だと思うんです。だから、その仕組みを作り上げていくことに大きなやりがいを感じます。今は仕事全てにやりがいがあると思っています。
――仕事で大変なことはありますか?
システムは現場が使うので「もっと使いやすくしてほしい」という声は、現場からとても多く言われます。でも、私は目の前の業務を楽にすることが必ずしも企業理念や社会的意義と結び付いているわけではないと思っているんです。
例えば「システムの中で入力画面が多いとミスにつながる」という声が現場から出たとします。実際に、作業工程は少ない方がミスは少なくなるのは事実です。しかし、人材育成の面から見ると「なぜこの項目を入力するのか?」ということを考えるために、ある程度の入力画面が必要な場合があります。
もちろん、「現場サイドからの声」を吸い上げて、それが本当に必要なものなのかを精査して、システムの簡素化できる部分は簡素化します。ただ、現場では不要でも経営側から見ると必要なものとして、残さなければいけない部分もあります。この点を現場に説明して納得してもらう。その相互の意見のすり合わせが難しいと感じています。
ミスが起きるのは人が悪いのでなく仕組みが悪い
――これまで失敗したと思ったことは?
セミナーに関するシステムの開発をした時に、経営側の意見をくみ取れていなくて、誤って進めたことです。時間をかけて行ったのですが、リリース後に経営側から“待った”がかかりました。経営側が残してほしい機能がなくなっていたんです。その時になって初めて認識のズレが起きていたと気付きました。その後、改めてヒアリングと確認をして何とかクリアすることできましたが、自分がきちんと内容を把握できていなかったと反省しました。
――そこから学んだことは?
コミュニケーションを密にすることです。これは経営側とはもちろんですが、現場の関係者にヒアリングを十分にすることや仕事と直接関係のない人とも話をするといったことも含まれます。今思うと、親会社で仕事をしていた時は業務に慣れていないこともあって、コミュニケーション不足だったと思います。今は、分社化で全社を見渡すことができるようになったので、それぞれの業務目的を理解しようと努めていますし、少しはできるようになったかなと思っています。
情シスとして上司や周囲とのコミュニケーションを大切にしているという小佐田さん
――コミュニケーションが大事なんですね。
情シスは黙々とパソコンに向かってカチカチとキーボードを叩く、1人だけでできる仕事とよく思われがちです。でも、そんなことは全くないんです。「人が使うものを作る」という仕事なので、人とコミュニケーションを取ることが大切なんです。
経営者の考えを、システムを通して現場に伝える。一方で経営者視点を持った上で現場からの意見をくみ取る。そして、それぞれの課題をクリアにして、会社を向上させていくのがITの役目です。その上で、私は、それを仕組みに落とし込んでいく役割を自分が担っているという意識を持って業務にあたることを心がけています。
――小佐田さんの仕事でのモットーは?
「人が悪いのではない。仕組みが悪い」です。
例えば、事務処理などでミスが起きると、ミスをした人が悪いと責められますよね。でも、誰だってミスをしたくてするわけではありません。ミスが発生する背景を作り出しているのは仕組みだと私は思うんです。
そう考えると、全ての責任はシステムにある。だから、ミスをしないように業務フローも含めて仕組みを見直した上でシステムの開発・改良を行う。そのことで、みんなの仕事が円滑になり、会社も目標に近づくことができる。自分の仕事が、そんな成長のサイクルが上手く回る一助になればとてもうれしいと思っています。
面白そうなことは何でもやってみたい!
――趣味は幅広いそうですね。
冬はスキー、夏はバイクでツーリング。夫もアウトドアが大好きなので、休みの日はいつも主人と2人で出かけています。それから、お茶も習っていますし、絵を描くことも好きです。シュノーケリングなどもやります。
ホノルルマラソンに参加したり(左)、ご主人とのスキー(中央)やキャンプツーリング(右)に出かけるなどアウトドア活動が大好きだといいます
私はいろいろなことに興味があって面白そうなことは何でもやってみたくなる性格なんです(笑)。だから週末の予定もかなり先までびっしり埋まっています。私にとって趣味は仕事を頑張るためのものです。「週末に楽しみがある!」と思うと、仕事を効率よく進めようと考えますし、モチベーションアップにもなっています。
――小佐田さんにとって情シスの仕事とは?
システムで人作りをする仕事です。システムは経営と現場を埋めるためのツールだと思っています。システムを通して社員が経営者の考えに触れることができる。だから、教育の仕事といってもよいかもしれません。
――今後の目標はありますか?
アチーブメントシステムズの役員になりたいと思っています。今の仕事はすごく充実しているし、信頼できる上司にも恵まれています。上司を支えながら会社の仕組みを作り、人作りに貢献していきたい。そのために、従業員、経営者、そしてお客様と、みんなが幸せになるシステム作りを目指して、日々の業務に取り組んでいこうと思っています。
小佐田さんが考える情シスの仕事を書いてもらいました!
<インタビューを終えて>
パワフルで、いつも全力投球! そんなイメージを与える小佐田さん。「論理的に考えることが好き」といい、質問にも理路整然と答えてくれたことが印象的でした。今は大阪支社に長期出張で、インターネットの通話サービスを使ってリモートワークをしているそうです。「社内での働き方改革も必要なので、自分が率先して産休や育休制度のよい前例になればいい」と言う小佐田さん。きっと実現するに違いないと思えるエネルギーを感じました。
アチーブメント(アチーブメントシステムズ親会社)
http://achievement.co.jp
■事業内容:人材教育コンサルティング
■本社:東京都品川区東五反田4-6-6 高輪台グリーンビル3F
■設立:1987年
■従業員数:149名(2016年10月時点)
■売上高:20億1000万円(グループ連結、2014年9月期)
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