こんにちは。UIデザイナーのカヒブンです。
デザイナーのみなさんがデザインを作成できたら、「クライアントにイメージを見せたい」「ちょっと触ってみて、フィードバックが欲しい」と感じたことはありませんか?それを実現するために登場するのが、今回紹介したい「プロトタイプ」というものです!
今回の記事では、初心者でもサクサク進められるよう、Figmaでプロトタイプを作る手順や、プロジェクトでどう活かしていくかをわかりやすく解説していきます。
この記事の目次
1. プロトタイプとは?その役割と利点
プロトタイプとは
プロトタイプとは、ユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)の設計を行う過程で、最終的な完成品に近い形でインタラクティブな試作を行うものです。開発段階でデザインの見た目や動作を体験できるため、デザイナーと開発者が同じイメージを共有し、スムーズにプロジェクトを進められるのが特徴です。Figmaを使うと、このプロトタイプを簡単に作ることができ、まるでアプリが本当に動いているかのように画面遷移やアニメーションを再現できます。
プロトタイプの役割と利点
プロトタイプの主な役割は、次の通りです。
- ユーザー体験の確認:最終的な製品の完成前に、実際の操作感を確認し、ユーザー体験を改善するためにフィードバックを得ることができます。
- デザインと開発の連携:プロトタイプを使うことで、デザイナー、開発者、そしてステークホルダーが共通の認識を持ちやすくなり、開発の効率化が図れます。
- コスト削減:プロトタイプを用いてデザインや機能の問題点を早期に発見することで、後の修正や手戻りを減らし、結果的にコスト削減につながります。
2. Figmaでのプロトタイプ作成の準備
Figmaは、プロトタイピング機能が非常に充実したツールで、デザインの画面遷移や動作を視覚的に表現できます。プロトタイプを作成するには、まず基本となるデザインを準備する必要があります。以下のステップに従って進めていきましょう。
– ステップ1: プロジェクトの新規作成
Figmaを起動し、作成したいプロジェクトを新規で立ち上げます。まず、ワイヤーフレームや画面レイアウトを構成し、プロジェクトの全体像を決めておきます。特に、画面遷移が発生するポイントを事前に把握しておくと、後のプロトタイピング作業がスムーズになります。
– ステップ2: UI要素の配置
Figmaでは、ボタン、ナビゲーションバー、アイコンなど、UI要素をドラッグ&ドロップで簡単に配置できます。共通して使用するパーツは「コンポーネント」に登録することで、効率的に作業を進められます。また、視認性や操作性を考慮し、ユーザーが直感的に操作できるようにレイアウトしましょう。
– ステップ3: アセットとスタイルの整理
プロトタイプ作成に取り掛かる前に、使用するアセット(画像、アイコンなど)やスタイル(色、フォントなど)を整理しておくことが重要です。特に、プロジェクト内で統一されたデザインスタイルを保持することで、クオリティの高いプロトタイプが作成できます。
3. Figmaでのプロトタイプリンクの設定
デザインが整ったら、次は画面遷移やインタラクションを設定し、プロトタイプとしての機能を持たせます。Figmaの「Prototype」モードを使用すると、各画面間のリンクを設定することが可能です。
– ステップ1: プロトタイプモードへの切り替え
画面右上の「Prototype」タブを選択し、プロトタイプモードに切り替えます。リンクを設定したいオブジェクトを選択し、右側の「Interaction」パネルにて、「Navigate to」オプションを使用して遷移先を設定します。
– ステップ2: トランジションの選択
「Transition」では、遷移効果を「Instant(即時)」「Dissolve(フェード)」「Move In/Out(移動)」などから選択できます。例えば、「Smart Animate(スマートアニメート)」を使用すると、画面間の差分を自動で補完し、滑らかなアニメーション効果が得られます。
– ステップ3: インタラクションのカスタマイズ
さらに「Click」「Hover」「Drag」など、ユーザーのアクションに応じたインタラクションも設定可能です。これにより、よりリアルなユーザー体験を再現できます。
4. インタラクションとアニメーションの追加
プロトタイプにインタラクションを加えることで、ユーザーが行うアクションに応じた動作を実現し、デザインの操作性を向上させることができます。
– ステップ1: アクションに応じたインタラクション設定
ボタンやアイコンにクリックアクションを設定し、ユーザーの操作に応じた遷移やエフェクトを追加しましょう。例えば、画面遷移だけでなく、モーダルウィンドウを表示させたり、入力フィールドがアクティブになる効果などを再現できます。
– ステップ2: スマートアニメートの活用
Figmaの「Smart Animate」を使用することで、要素のサイズや位置、透明度などの変化を自然にアニメーションさせることができます。例えば、メニューのスライドイン、画像の拡大縮小、カードのフリップなど、動的なエフェクトを設定できます。
5. プロトタイプのプレビューと共有
作成したプロトタイプは、Figma内でリアルタイムにプレビューすることが可能です。また、リンクを生成して他のメンバーと共有することで、フィードバックを収集し、改善を重ねることができます。
– ステップ1: プレビュー機能の利用
画面右上にある「Present」ボタンをクリックすると、実際のデバイスで操作しているかのようにプロトタイプを確認できます。デスクトップやモバイルなど、異なるデバイスサイズでのプレビューも可能です。
– ステップ2: プロトタイプの共有リンク作成
「Share Prototype」を使ってリンクを生成し、チームメンバーやクライアントと共有します。リンクを共有する際には、編集権限やコメント権限を設定することで、他のメンバーがフィードバックを簡単に追加できます。特に、リアルタイムでのフィードバックが得られるため、コミュニケーションが円滑になります。
おわりに
Figmaを使ったプロトタイプ作成は、デザインや開発の現場で欠かせない重要なスキルとなっています。プロトタイプを通じて、ユーザー体験を具体的に可視化し、デザインチームや開発チームとの連携を強化することで、より効果的なプロジェクト進行が可能になりますので、皆様ぜひやってみてください。
今回、Figmaでプロトタイプを作成する方法のお話は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました!