【情シス女子】第21回・番外編 「知らないことを知ることができる仕事が楽しい」宮腰優希さん
NTTぷらら 技術本部 技術開発部 宮腰優希さん
今回の情シス女子は番外編をお送りします。登場するのは、映像配信サービスやインターネット接続サービスなどを手がけるNTTぷららで、技術本部技術開発部に所属するエンジニアの宮腰優希(みやこし・ゆうき)さんです。現在は主に定額制の音楽配信サービス「ひかりTVミュージック」のクライアントアプリの開発に携わっています。今の仕事にやりがいを感じているという宮腰さん。その理由とは?(取材・文:ミノシマタカコ 撮影:松波賢 ヘアメイク:木原真由子)
<宮腰優希さんプロフィール>
NTTぷらら技術本部技術開発部所属。高等専門学校の情報通信工学科でプログラムなどを学んだ後、新卒採用でNTTぷららに入社。サービス企画を経て、技術開発部に所属。趣味は吹奏楽。楽団に所属して音楽を楽しんでいる。
ユーザーと接する仕事がしたくて会社を選んだ
――なぜ高等専門学校の情報通信工学科を選んだのですか?
父親が私とは違うジャンルでエンジニアの仕事をしていたため、エンジニアの仕事はずっと身近に感じていました。それから早く自立したいと思っていたんです。それで、高専は就職率が100%近くありますし、情報系に進むなら近道だと思って選びました。また、普通の学校には魅力を感じなかったことも理由の1つです。
――新卒で入社ですが、情報システム関連の会社がたくさんある中で、今の会社を選んだ理由は?
私はBtoBの仕事ではなく、コンシューマーに対して直接提供するような仕事がしたかったんです。今の会社は、コンシューマーがメインのサービスを提供しています。当時の自分にとって身近な存在で、イメージがつかみやすかったので受けました。ほかの会社は、仕事のイメージがいまいち分からなかったこともあります。
――入社後はサービス企画部門だったそうですね。どんなことをしていたのですか?
主に仕様検討やサービス企画を考えていました。VOD(ビデオ・オン・デマンド)の新機能を検討や、ひかりTVのUI(ユーザーインターフェース)・UX(ユーザーエクスペリエンス ※注1)の改善検討などを行っていました。
ただ、サービス企画を考えるには当時の私は知識が足りなさすぎました……。仕組みをきちんと理解できていなかったんです。だから、開発に提案しても「できない」と言われることもあって、そのたびに自分の中で不甲斐なさを感じていました。(今の部署は)そんな私の気持ちを、上司や人事担当の方がくんでくれて、開発で力を付けるために異動させてくれたのかなと思っています。
――サービス企画から開発に異動で不安はありませんでしたか?
最初は不安もありましたが、今は異動してよかったと思っています。社内システムを知ることができたし、最初の部署にいた時より知識量が増えているなって思います。知らなかったことを知ることができて楽しい。新しい発見が多く、自分の力になっていることを実感しています。また、会社は相談しやすい社風なのでとても助かっています
会社は上司を含め周囲の人たちに仕事の相談しやすい環境だという宮腰さん
UIについては、以前の部署で培った知見が生かせていると思います。起案部門や開発部門、バックヤードなど、各部署とミーティングをする機会があるのですが、「各サービスの中で操作感を統一させた方がいいのでは」と提案したことがありました。
私は話すことが好きなので、会議で「ああでもない、こうでもない」と話すのが楽しい。その中で「こういうふうにしたほうがいい」という提案ができた時はやりがいを感じます。だから、自分の目標として提案はどんどんできるようになっていきたいと思っています。
失敗から「触って、目で見て、設計する」大切さを学ぶ
――今の仕事で「大変だな」と思うことはありますか。
私の仕事は、開発ベンダーさんに開発を依頼して、ソースを受け取り、試験することです。だから、開発の受け入れ試験の数が多い時は大変なんですよ。多い時は1人で1000件くらいやるので、もう体力勝負です(笑)。でも、「イヤだな」と思ったことはないんです。大変でも楽しい。
ただ、音楽サービスでアプリをリリースした時、サービスインの日付が決まっていたのにスケジュールがずれてしまい、受け入れ試験にしわ寄せがきたことがあります。これは本当に四苦八苦しました(笑)。
――大きな失敗をしたことはありますか?
開発ベンダーに依頼したものが、もともとあるロジックを間違えて認識していたためアプリが動かないことがありました。原因は、私が仕様書を間違って解釈していたことでした。幸いにもベンダーさんが快く直してくれたので助かりましたが、本当に申し訳なかったと思っています。
この間違い以降、仕様書だけでなくソースコードを見て確認したり、アプリを実際に触って確認したりしてから、改修のための仕様書を渡すようになりました。それから、必要に応じて、サーバー担当など、ほかの担当者の目で、チェックしてもらうようにしました。分からないことがあった時には、前任者に相談に行くこともあります。この間違いで「触って、目で見て、設計する」ということの大切さを学びました。
クラリネットの練習がオン・オフの切り替えスイッチ
――趣味はクラリネット演奏だそうですね?
はい! 高専の時からやっていて、今も地域の吹奏楽団で週1回練習をしています。クラリネットを選んだのは、メロディも伴奏もできる音階が広い楽器だからです。参加している吹奏楽団は、地域に根差した活動をしていて、慰問演奏や市民祭りで演奏などを行っています。
取材時には自身のクラリネットを持ってきてもらいました。吹く姿もキマっています!
――趣味が仕事に役立っていると思うことはありますか?
楽団の練習はいつも日曜日の夜に行っています。普通なら日曜日だとダラダラと家で過ごしてしまい、「明日は仕事だなあ」とか考えながら過ごしてしまうと思うんですよ。でも楽団の練習があることで、それが私にはオン・オフを切り替えるスイッチになっているんです。だから、練習後は「明日も頑張ろう」と思えるようになるし、生活にもハリがでています。
生涯の趣味として音楽を楽しむ吹奏楽団に所属する宮腰さん。写真は演奏会の様子
お客様に一番近いものを作っている
――宮腰さんにとって、今の仕事はどういうものですか?
お客様に一番近いものを作っている仕事です。どんなにいいサービスやコンテンツを用意しても、クライアントアプリが使いにくかったり、バグだらけだったりしたら、お客様に使ってもらえなくなります。そのことは常に意識していて、バグなどがあればすぐに直すように心がけています。そして、私が担当しているサービスにはいろいろな人が関わっています。そうしたみんなの思いを背負っている仕事だとも思っています。
――今後、仕事での目標はありますか?
社内で私の周りはスキルがある人ばかりなんです。その人たちからたくさん学んで、1人でも仕事が回せるようになりたい。でも今は自分の技術スキルが足りていないので、資格を含めて勉強していこうと思っています。また、仕事の幅を広げるためにも、苦手な英語にも取り組みたいとも思っています。後輩も入ってきたので、気を引き締めていきたいです!
最後に今後の目標を書いてもらいました!
※注1:ユーザーが製品やシステムを使った時に得られる経験や満足度などを指す
<インタビューを終えて>
最初は「緊張しています」と言いながらも、「話すことが好き」ということもあって笑顔で質問に答えてくれた宮腰さん。おかげで、スムーズにお話を聞くことができました。また、趣味の吹奏楽については、とても楽しそうに話す様子からはメリハリのあるオン・オフを送っていることが伝わってきました。これからも仕事に、趣味にまい進してくださいね!
NTTぷらら
http://www.nttplala.com/
●事業内容:電気通信事業(映像配信サービス、インターネット接続サービス、IP電話サービスなど)
●本社:東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 24階
●設立:1995年12月
●従業員数:397名(2016年6月末時点)
●売上高:非公開
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