よく使っているけれど知らないシリーズ|PCの動作を瞬時に軽くする方法

 PCを使っていると、どうしても動作が重くなってしまうことが気になりませんか。特に長時間使用しているとその傾向は顕著です。しかし動作が重くなる原因やそれを解消する方法を知らないと、ストレスが溜まったり、作業効率が下がったりすることもあるので厄介です。

この記事では、PCの動作が重い状態の理解から原因の調査方法、そして効果的な対処法までを幅広くご紹介します。初心者の方にもわかりやすく、すぐに実践できる内容をまとめました。

1.PCの動作が重い状態とは

PCの動作が重い状態とは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか。一般的には、プログラムの起動やファイルの読み込みが通常よりも遅くなったり、画面が固まったりする現象を指します。このような状態になると、作業効率が著しく低下し、日常の業務や趣味の活動にも支障をきたすことがあります。動作が重い原因は様々ですが、メモリ不足やハードディスクの空き容量低下、不要なソフトウェアの常駐などが代表的です。

 

2.PCが重い原因の調査方法(初心者編)

1. 起動中のアプリを確認する

不要なアプリが多く動いていると、PCの動作が遅くなります。

タスクマネージャー(Ctrl + Shift + Esc)を開き、「プロセス」タブから動作中のアプリを確認し、使っていないものを終了しましょう。

Macの場合は「アクティビティモニタ」を使って同様の情報をチェックできます。

これにより、どのプログラムがリソースを多く消費しているのかが一目瞭然です。

 

2. ストレージの空き容量を確認する

Cドライブの空き容量が不足すると、PCの動作が重くなります。

エクスプローラーを開き、「PC」→「Cドライブ」を選択し、空き容量をチェックしましょう。

Macでは「ストレージ管理」を使いましょう。空き容量を確認し、不要なファイルを削除する。「管理」ボタンをクリックし、「ストレージを最適化」を活用する。

不要なファイルを削除すると改善することがあります。

 

3. ブラウザでコンテンツを開きすぎていないか確認する

昨今SaaSサービスなどwebブラウザで完結するサービスが多くなっていますが、各サービスもアプリ並に重たい処理をしているケースがあります。例えばGoogle spreadsheetやdocument、slideshowやFigmaなど、chromeの場合ですとタブ上にカーソルを当てると「メモリ使用量:xxMB」と表示されますが、このサイズが大きいものほど処理が重くなる要因となります。

このメモリ使用量が多いタブを閉じると改善することがあります。

 

4. PCの再起動を試す

長時間PCを使い続けると、メモリが圧迫され動作が遅くなります。一度再起動してリフレッシュしましょう。

 

5. Windows / macOS の更新を確認する

古いバージョンのOSだと、動作が遅くなることがあります。「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」で最新の状態か確認しましょう。

Macではアップルメニュー() → 「システム設定」 → 「一般」 → 「ソフトウェアアップデート」を開き、最新のmacOSがある場合はアップデートを適用します。

 

6. ウイルススキャンを実施する

ウイルスやマルウェアに感染するとPCが遅くなることがあります。セキュリティソフトでスキャンし、不審なプログラムがないか確認しましょう。

MacはWindowsに比べてウイルスの影響を受けにくいですが、マルウェア感染のリスクはゼロではありません。「アクティビティモニタ」(「アプリケーション」→「ユーティリティ」)を開き、CPUやメモリを大量に消費している不審なプロセスがないか確認します。またXProtect(Macの標準ウイルス対策機能)が最新の状態か確認もしましょう。

必要に応じて 「Malwarebytes」 などのセキュリティソフトを導入することも有効です。

 

以上の手順を試せば、PCの動作を改善できる見込みがあります。定期的にチェックし、快適にPCを使いましょう!

 

3.動作を早めるための対処術

パソコンの動作が遅くなる原因はさまざまですが、適切な対策を施すことで快適な操作環境を維持できます。以下、WindowsとMacそれぞれの基本的な対処法を紹介します。

◆Windows版
Windowsユーザー向けに、動作を早めるための対処法をいくつか紹介します。

 

1.不要なスタートアッププログラムの無効化

方法: タスクマネージャーの「スタートアップ」タブを開き、起動時に不要なプログラムを無効化すると、起動時間の短縮につながります。

ポイント: すべてを無効化するのではなく、必要なものを見極めることが大事です。

 

2.ディスクのクリーンアップと最適化

方法: Windowsの「ディスククリーンアップ」機能を利用して、不要なファイルを削除し、空き容量を確保します。また、ディスクのデフラグ(SSDの場合は「最適化」)を実行することでデータの読み書きを効率化できます。

タスクバーの検索バーに「デフラグ」と入力し、「ドライブの最適化と最適化」を選択します。最適化したいドライブを選択し、最適化を選択して実施してください。

頻度: 月1回程度実施すると快適な状態を維持しやすくなります。

 

3.Windowsの電源オプションを変更

方法: 「コントロールパネル」→「電源オプション」から「高パフォーマンス」を選択することで、システムの処理速度が向上します。

注意点: 消費電力が増える場合があるため、ノートPC使用時はバッテリー残量に注意してください。

 

4.不要なバックグラウンドプロセスの停止

方法: 「設定」→「プライバシー」→「バックグラウンドアプリ」から不要なアプリの動作をオフにすることで、リソースの消費を抑えられます。

ポイント: 常駐しているアプリが多いと動作が重くなるため、こまめなチェックが重要です。

 

5.ドライバーとWindowsのアップデートを確認

方法: Windows Updateを定期的に実行し、最新の状態を維持しますする。

理由: 最新のアップデートにより、パフォーマンス改善や不具合修正が行われることがあります。

◆Mac版

1.「システム環境設定」から不要なログイン項目を削除

方法: 「システム設定」→「ユーザーとグループ」→「ログイン項目」から、不要なアプリを削除すると起動時間の短縮につながります。

ポイント: 重要なアプリ(ウイルス対策ソフトなど)は削除しないよう注意してください。

 

2.「ディスクユーティリティ」を使ったディスクの最適化

方法: 「ディスクユーティリティ」の「First Aid」を使用してディスクのエラー修復を行います。

効果: ファイル管理の改善や動作速度の向上につながります。

 

3.不要なアプリやファイルを整理

方法: Macの「ストレージ管理」機能を利用して、不要なデータを削除し、ディスクの空き容量を確保しますする。

ポイント: 「ダウンロード」フォルダやキャッシュデータの整理も重要です。

 

4.Spotlightのインデックスを最適化

方法: 「システム設定」→「Spotlight」から、不要なフォルダの検索対象を外すことで、インデックスの負荷を軽減します。

注意点: フォルダ検索を頻繁に利用する場合、除外しすぎないよう調整が必要です。

 

5.メモリ使用の最適化(アクティビティモニタの活用)

方法: 「アクティビティモニタ」を開き、不要なプロセスを終了することでメモリ消費を抑えられます。

ポイント: 「RAMの使用率」が高すぎる場合は、使用頻度の低いアプリを終了すると改善しやすくなります。

 

6.SMCのリセット

SMC(システム管理コントローラー)とは、Macの電源やバッテリー、ファンやその他の機能の動作を司る内蔵チップのことです。SMCのリセットを行うことで、Macの動作スピードが改善する解決する場合があります。

方法:SMCのリセットには、まずMacの電源を切り、その後「Shift+Control+Option+電源ボタン」を長押しします。その後電源を入れ直せばリセット完了です。

 

4.対処したのにまだ重い!?最終手段〇選

もし、上記の対策を施してもPCの動作が改善されない場合、最終的な手段として以下の方法を試してみてください。

 

■メモリの増設

PCの性能に応じてメモリを増やすことで、動作が安定し、スムーズになります。

 

■ハードディスクをSSDに換装する

SSDは従来のHDDよりも高速で、データの読み書き速度が格段に向上します。これにより、全体的な動作が軽くなることが期待できます。

 

5.社内へ周知|情シスへの問い合わせを減らすために

PCの動作が重くなると、情シスへの問い合わせが増えることは当然のことといえます。これを防ぐためには、社内での周知活動が重要です。定期的なメンテナンス方法やトラブルシューティングの手順を文書化し、社員に共有することで、個々のトラブルを自分で解決できるようにします。また、定期的な講習会を開催することで、社員のスキルアップを図るのも良いでしょう。

何かあれば情報システム部に確認が取れるという状況はありつつも、ある程度の内容であれば社員自身で対処ができるよう、教育を行うことはコア業務に集中する上で外せない要素になります。

 

6.番外編|PCが重い原因の調査方法(上級者編)

最後に、少し上級者向けのPCが重い原因の調査方法をご紹介します。
上級者であれば、イベントビューアーやログファイルを活用して、より詳細な原因を特定することが可能です。

例えば、Windowsのイベントビューアーを使えば、エラーログを確認し、具体的な問題箇所を特定することができます。Macユーザーは、「コンソール」アプリを利用してシステムログを調べることができます。これらのツールを活用することで、より深いレベルでのトラブルシューティングが可能になります。

※初心者が上級者向けのPC調査方法を試すと、誤操作や設定ミスでシステムトラブルが発生する可能性があります。エラーログの解釈ミスや不要なファイル削除により、PCの不具合や脆弱性が生じるリスクもあるので、変更前にバックアップを取り、公式手順を確認し、慎重に進めることが重要です。安全性を考慮しながら、見様見真似ではなく適切な方法で対応しましょう。

 

7.まとめ

PCの動作が重くなる原因は多岐にわたりますが、基本的な調査方法と対処法を知っておくことで、いざというときに迅速に対応できます。初心者でも取り組みやすい方法から、上級者向けの調査方法までをご紹介しました。日頃からPCのメンテナンスを心がけ、快適な作業環境を維持しましょう。

また、社内での周知活動も積極的に行い、情シスへの負担を軽減することも大切です。この記事が、皆さんのPCライフをより快適にする一助となれば幸いです。

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この記事を書いた人:takahashi

2022年、初めての転職活動を経て現職へ。情シスナビ編集部以外にもバックオフィス業務や営業サポートも担当。情シスやIT業界に関する情報を分かりやすくお届けします。

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