よく耳にするけれど知らないシリーズ|AWS
- 2025/4/4
- 情シス知恵袋
- 2025, AWS, クラウドコンピューティング
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クラウドコンピューティングは、現代のビジネスにおいて欠かせない技術となっています。その中でも、AWS(Amazon Web Services)は特に注目される存在です。しかし、名前はよく耳にするものの、具体的にどのようなサービスなのか理解していない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、AWSとは何かを解説するとともに、AWS以外の有名なクラウドコンピューティングサービスについてもご紹介します。また日本で好まれるクラウドサービスや、企業が選択する際の判断軸についても触れていきます。クラウドサービスのコストや賢い選択方法について、最新の状況とともに詳しく見ていきましょう。
AWSとは
AWSは、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスです。2006年にリリースされて以来、多くの企業や開発者に利用されています。サーバーやストレージ、データベース、ネットワーキングといった基本的なインフラストラクチャーサービスから、機械学習やデータ解析ツールなどの高度なサービスまで幅広いオプションを提供しています。これにより、企業は自社のニーズに合わせて柔軟にシステムを構築し運用することが可能です。また、AWSはグローバルに展開しており、高い信頼性とセキュリティを誇っています。
世界のウェブサーバーサービスにおける、クラウド市場シェア数は以下のとおりです。
シェアの1位を獲得しているのが、Amazonです。(2025年2月28日現在)
企業がAWSを利用してアプリケーションを構築する理由の一つが、豊富で多様なサービスが揃っている点にあります。具体的にはどのような使われ方があるのか、触れていきます。
AWSの主要サービス
今回はAWSの主要なサービスを10個上げ、どんなサービスかを簡単に説明します。
Amazon S3(ストレージ)
インターネット上にデータを保存・管理できるクラウドストレージサービスです。大容量のファイルも安全に保管でき、データの消失リスクが少なく、バックアップや長期保存(アーカイブ)にも適しています。
Amazon RDS(リレーショナルデータベース)
MySQLやPostgreSQLなどのデータベースをクラウド上で簡単に運用・管理できるサービスです。必要に応じてデータベースの容量を増やしたり、定期的なバックアップを自動で取得できるため、安定した運用がしやすくなります。
Amazon EC2(仮想サーバー)
必要な性能の仮想サーバーを必要なときに作成できるサービスです。処理する仕事の量が増えたり減ったりしても、それに合わせてサーバーの規模を柔軟に調整でき、無駄なく効率的に利用できます。
AWS Lambda(サーバーレスコンピューティング)
サーバーの管理なしでコードを実行できるサービスです。トリガーに応じて自動でスケールし、コスト最適化に貢献します。従量課金制のため、使用した分だけの支払いで済むのも特徴です。
AWS CloudFront(コンテンツ配信)
高速で安全なコンテンツ配信を実現するCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)サービス
世界中のユーザーに低遅延でデータを届けるほか、DDoS対策やSSL/TLS暗号化も標準で提供
AWS CloudTrail(セキュリティ・監査)
ウェブサイトの画像や動画、アプリのデータなどを世界中のユーザーに高速かつ安全に配信するサービスです。サイトの表示速度を向上させるだけでなく、DDoS攻撃を防ぐ仕組みやデータ通信の暗号化(SSL/TLS)も標準で備えています。
AWS Shield(DDoS対策)
大量のアクセスを一度に送りつけてシステムを停止させようとする攻撃(DDoS攻撃)から、AWS上のアプリケーションを守るセキュリティサービスです。基本的な防御機能は無料で利用でき、さらに強力な保護が必要な場合は有料プラン(Advanced版)を使うことで、より安全にシステムを運用できます。
Amazon SageMaker(機械学習)
人工知能(AI)や機械学習のモデルを作成・学習・運用できるクラウドサービスです。専門知識がなくても簡単に使える機能があり、大量のデータを分析して予測モデルを作成するのに適しています。自動で最適化を行う機能や、機械学習の運用をスムーズにする機能も備えています。
AWS IoT Core(IoTプラットフォーム)
スマート家電や工場の機械などのIoTデバイスをクラウドとつなぎ、リアルタイムでデータをやり取りできるサービスです。安全な通信を確保しながら、AIを活用した分析や遠隔操作が可能になり、IoTシステムの開発や管理がしやすくなります。
Amazon Redshift(データウェアハウス)
大量のデータを高速に処理できるデータ分析向けのクラウドサービスです。ビッグデータの集計や分析に適しており、ビジネス向けのデータ可視化ツール(BIツール)とも簡単に連携できます。データを列ごとにまとめて管理する仕組み(カラムナーストレージ)を採用しており、大量のデータを効率よく処理できます。
AWSにはこれらのサービス以外にも多数の機能があり、用途に応じて最適なクラウド環境を構築できます。企業のITインフラを効率化し、ビジネスの成長を支える強力な基盤として活用できます。
その他の有名なクラウドコンピューティングサービス
クラウドコンピューティングサービスには、AWS以外にも多くの選択肢があります。有名なものとしては、Microsoft AzureやGoogle Cloud Platform(GCP)が挙げられます。Microsoft Azureは、Microsoftが提供するクラウドサービスで、特にWindowsやOffice製品との親和性が高い点が特徴です。GCPは、Googleの強力なデータセンターインフラを活用したクラウドサービスで、AIやデータ解析に強みを持っています。これらのサービスは、それぞれ異なる強みを持っており、企業のニーズに応じて選択されます。
日本で好まれるクラウドコンピューティングサービス
日本では、AWSやMicrosoft Azureが特に人気があります。その理由は、これらのサービスがグローバルな信頼性とセキュリティを提供しつつ、日本国内のデータセンターを有しており、法令遵守や低遅延の通信を実現しているためです。また、日本企業特有のニーズに応じたサポートやトレーニングも充実しており、導入しやすい環境が整っています。さらに、国内企業によるクラウドサービスも注目されており、特に中小企業向けの柔軟なプランが提供されています。
企業が選択する際の判断軸
企業がクラウドコンピューティングサービスを選択する際には、いくつかの重要な判断軸があります。まず、コストは大きな要素です。クラウドサービスの料金体系は複雑で、使用量に応じた課金が基本となります。したがって、企業は自社の使用パターンをよく理解し、コストを最適化する必要があります。長期で使用することが確定している場合には、前払いの制度も選択できるサービスがあるのでしっかりと調べた上で契約を進めるようにしましょう。例えばAWSには一部もしくは全額の前払い制度(1年分または3年分)、Azureにも、12カ月前払いという制度があります。
また中小企業の場合は特にですが、支払通貨の部分もしっかりと契約前に上申することは必須です。AWSは米ドルによる決済が基本であり、パートナー経由による支払いに限って日本円で決済が可能です。それに対しAzureは日本円はもちろんのこと、世界の24の通貨から支払通貨を選択できるようになっています。これにより、為替レートの変動に左右されることのないコスト予測が可能になります(もちろんマイクロソフトによる料金の見直しは随時行われます)。
また、サービスの信頼性とセキュリティも重要です。サービスの停止やデータ漏洩はビジネスに大きな影響を与えるため、選択するクラウドサービスの実績やセキュリティ対策をしっかり確認することが求められます。
賢い選択方法
クラウドコンピューティングサービスの選択は、多くの企業にとって戦略的な決定です。まず、自社のビジネス要件を明確にし、それに最も適したサービスを選ぶことが重要です。例えば、AIやデータ解析がビジネスのキーとなるのであれば、GCPのようなAIに強みを持つサービスを検討するのが良いでしょう。また、複数のサービスを組み合わせる「マルチクラウド戦略」も視野に入れることで、柔軟性と可用性を向上させることが可能です。さらに、試用期間を活用して実際の使用感を確かめることも賢い選択方法の一つです。
まとめ
クラウドコンピューティングサービスは、現代のビジネスにおける基盤技術として重要な役割を果たしています。AWSをはじめとする有名なサービスは、それぞれ異なる強みを持ち、企業の多様なニーズに応えています。日本では特にAWSやMicrosoft Azureが人気ですが、各企業はコストや信頼性、セキュリティなどを考慮しつつ、最適な選択をすることが求められます。賢い選択をすることで、クラウドサービスを最大限に活用し、ビジネスの成長を支えることができるでしょう。
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