データベーススペシャリストは役に立たない?取得すべき人と合わせて解説

データベーススペシャリストは、ビックデータの収集・分析を含めたデータベースの管理・運用に従事するエンジニアを対象とした情報処理技術者試験です。
しかし、資格取得を検討しているエンジニアのなかには、「データベーススペシャリストの資格を取得しても役に立たないのでは?」と考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、データベーススペシャリストの概要や有用性、取得メリット、取得をおすすめできる人などを解説していきます。

 

データベーススペシャリストとは?

はじめに、データベーススペシャリストの概要や関連資格との違いについて解説します。

データベーススペシャリストの概要

データベーススペシャリストは、情報処理推進機構(IPA)が主催している情報処理技術者試験の1つです。情報処理系の国家試験であり、ITストラテジストやネットワークスペシャリストなどと並んで、高度な知識・技能を測る資格です。
試験は年に1回秋期に実施され、合格率は約17%(令和3年度) となっています。およそ6人に1人が合格する計算になるため、難関資格であると言えるでしょう。

試験時間や出題形式は下表のとおりです。

午前Ⅰ 午前Ⅱ 午後Ⅰ 午後Ⅱ
試験時間 9:30~10:20

(50分)

10:50~11:30

(40分)

12:30~14:00

(90分)

14:30~16:30

(120分)

出題形式 多肢選択式

(四肢択一)

多肢選択式

(四肢択一)

記述式 記述式
出題数

解答数

出題数:30問

解答数:30問

出題数:25問

解答数:25問

出題数:3問

解答数:2問

出題数:2問

解答数:1問

参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:データベーススペシャリスト試験

データベーススペシャリストの過去問と解答、講評リンク

データベーススペシャリストの過去問と解答、講評リンクを以下に掲載します。受験する際は、事前に以下のリンクから過去問題を解いておくとよいでしょう。

午前Ⅰ:問題、解答

午前Ⅱ:問題、解答

午後Ⅰ:問題、解答、講評

午後Ⅱ:問題、解答、講評

参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:問題冊子・配点割合・解答例・採点講評(2022、令和4年)

オラクルマスターとの違い

データベース関連の資格には、オラクル社が主催するオラクルマスターもあります。データベーススペシャリストとオラクルマスターの主な違いは、データベース業務に携わる対象者の違いです。
データベーススペシャリストは、ビックデータの収集や分析、運用に従事する技術者を主な対象としているのに対し、オラクルマスターはSQL言語などを用いてデータベースの設計や構築、管理を行う技術者を対象としています。
また、オラクルマスターがオラクル製品の取り扱いスキルを問うのに対し、データベーススペシャリストは特定の製品に寄らない一般的なデータベーススキルを問う点も差異となります。

 

データベーススペシャリストは役に立たないのか?

データベーススペシャリストの資格が役に立つかどうかは、受験者の仕事内容や本人の今後の活動によって異なるため、一概には判断できません。ただ、データベーススペシャリストはデータベースに関する日本国内で唯一の国家資格であり、難易度も高いため、取得価値の高い資格であると言えるでしょう。

そのため、本業でビックデータ解析やデータベース管理を実施している人にとっては、仕事と資格との関連性が高いため役に立つ可能性が高いです。一方で、データベーススペシャリスト取得後のキャリアプランがあいまいな人や、肩書きだけを目的にしている人にとっては、資格を取っても役に立たない可能性があるため注意しましょう。

資格自体が役に立つかどうかではなく、自分自身がなぜデータベーススペシャリスト資格を取得したいかが重要です。

 

データベーススペシャリストを取得するメリット

データベーススペシャリストを取得するメリットとしては、主に以下の3点が挙げられます。

  • ビッグデータ解析など将来性の高い分野で強みを出せる
  • 就職時や転職時に専門性をアピールできる
  • 年収アップを図れる

ビッグデータ解析など将来性の高い分野で強みを出せる

デジタル化がますます進んでいく現代においては、ビッグデータ解析などの分野の需要がさらに高まることが考えられます。
データベーススペシャリストを取得することで、ビッグデータ解析やデータベース管理など、どの企業でも必要とされる分野の専門家であることを証明できるでしょう。

就職時や転職時に専門性をアピールできる

データベーススペシャリストを取得することで、データベースを扱う高度なスキルレベルを持っていることを就職時や転職時にアピールすることが可能です。
データベースに関する唯一の国家資格であるため、職務経歴書に記載することで面接官から即戦力であると評価されやすくなります。

年収アップを図れる

企業のなかには、昇給や昇進の条件として、データベーススペシャリストなどの高度IT資格の取得を設定している企業も存在します。そのような会社に所属している人にとっては、資格取得によって直接的な年収アップが期待できます。
奨励金などの制度がない場合でも、データベーススペシャリストの資格を取得したうえで転職活動を行うことで、より好待遇の条件で転職を実現できる可能性があるでしょう。

 

データベーススペシャリストの取得をおすすめできる人

データベーススペシャリストの取得をおすすめできる人の特徴としては、主に以下の3点が挙げられます。

  • データベースの実務経験の棚卸しをしたい人
  • 社内でデータベースの専門家としての地位を確立したい人
  • ビッグデータ解析の分野でキャリアを積んでいきたい人

データベースの実務経験の棚卸しをしたい人

仕事で日常的にデータベースの企画や要件定義、運用、管理などを実施している人は、実務経験の棚卸しになります。
また、日々の忙しい実務に追われ、なかなか体系的な情報整理をする機会がないケースも考えられます。そのような場合においても、資格の勉強をすることで、データベースに関する体系的な知識を再整理する良い機会になるでしょう。

社内でデータベースの専門家としての地位を確立したい人

データベースに詳しい社内人材が少ないという企業も多いため、データベーススペシャリストを取得することで、社内で専門家の地位を確立することも可能です。
社内の各種データは一元管理することが重要であるため、データベースは社内で統合的に設計・管理されることも少なくありません。データベースの専門家であることを認知してもらえれば、社内の大規模なプロジェクトなどで重要な役割を担える可能性が高まるでしょう。

ビッグデータ解析の分野でキャリアを積んでいきたい人

今後も高い需要が見込まれるビッグデータ解析の分野で自分自身の強みを発揮していきたい人は、データベーススペシャリストの資格は武器になります。
ビッグデータ解析はどの企業や職場でも重宝されるスキルになるため、現職でのパフォーマンス向上だけでなく、転職市場価値の向上にもつながります。

 

まとめ

データベーススペシャリストは、ビックデータの収集・分析や全般的なデータベース管理に従事するエンジニアを対象とした情報処理技術者試験です。合格率は約17%(令和3年度)であることから、難関資格であると言えます。
データベーススペシャリストが役に立つかどうかは、受験者の仕事内容や今後の活動方針によって異なります。仕事でデータベースの管理・運用を行っている方や、今後ビックデータ解析などの分野を強化していきたい方にとっては、データベーススペシャリストの資格は役に立つでしょう。

反対に、ただ単に難関資格を収集したいだけの方にとっては、データベーススペシャリストの資格は役に立たない可能性が高くなります。
自分自身のエンジニアとしてのキャリアプランと照らし合わせながら、データベーススペシャリストの取得を計画していきましょう。

 

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