ITIL認定試験とは?申し込み方法や料金・開催日程など受験方法を解説

さまざまなIT資格の中でも、ITサービスマネジメント関連の知識を証明できるのが「ITIL認定資格」です。ITサービスの提供やシステムの運用・管理に携わるエンジニアにとって、非常に価値の高い資格ですが、取得するには「TIL認定試験」に合格しなければなりません。
IT企業や社内SEとして勤務しているエンジニアの中には、将来のキャリアアップや転職時の備えとして、ITIL認定試験に挑戦しようと考えている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、ITIL認定試験の概要や資格の種類について詳しく解説します。また、申し込み方法や受験料などもご紹介するので、ITIL認定資格の取得を検討している方は必見です。

 

ITIL認定試験とは

ITIL認定試験とは、ITIL認定資格を取得するために実施されている試験を指します。

そもそもITILとは「Information Technology Infrastructure Library」の略称であり、ITサービスマネジメントの成功事例をフレームワークとしてまとめた書籍群です。

ITサービスマネジメント(ITSM)とは、顧客が求める最適な機能・特徴を持ったITサービスを提供するためのマネジメント業務を意味します。

つまり、ITIL認定資格は、ITサービスマネジメントおよび、ITILに関する知識を証明するための資格です。とくに、システムの運用・管理業務に関する知識を証明できるため、インフラエンジニアや社内SEにとって、取得する価値の高い資格といえるでしょう。

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ITIL認定試験の種類一覧

ITIL認定試験は出題される内容や難易度によって、以下の6種類に分かれています。

資格の種類(ストリーム) 資格の分類 取得方法・難易度
ITIL4ファンデーション(FAD) ・ITサービスマネジメント関連の基礎的概念の知識を証明する資格
ITILマネージング・プロフェッショナル(MP) ・ITILスペシャリスト「作成、提供、サポート」

・ITILスペシャリスト「利害関係者の価値を主導」

・ITILスペシャリスト「「ハイベロシティIT」

・ITILストラテジスト「方向付け・計画・改善」

・ITサービスマネジメント関連の専門的な知識を証明するエキスパート資格

・ITIL4ファンデーションとMPストリームの4つの資格への認定・登録によって発行

ITILストラテジック・リーダー(SL) ・ITILリーダー「デジタル&IT戦略」

・ITILストラテジスト「方向付け・計画・改善」

・IT戦略関連の専門的な知識を証明するエキスパート相当の資格

・ITIL4ファンデーションとSLストリームの2つの資格への認定・登録によって発行

ITILプラクティス・マネージャー(PM) ・ITIL「監視、サポート、履行」モジュール

・ITIL「計画、実装、管理」モジュール

・ITIL「協力、保証、改善」モジュール

・ITILスペシャリスト「作成、提供、サポート」

・ITSMのプラクティス、マネジメントに関する専門的な知識を証明するエキスパート相当の資格

・プラクティス研修を5つ以上取得かつ、ITILスペシャリスト「作成、提供、サポート」を取得することで発行

ITILエクステンションズ(拡張モジュール) ・ITIL 4 スペシャリスト「クラウドサービス」

・ITIL 4スペシャリスト「デジタル&ITのサスティナビリティ」

・ITIL 4スペシャリスト「IT資産管理」

・ITIL 4 スペシャリスト「ビジネスリレーションシップマネジメント」

・ITIL4の拡張分野向けの強化フレームワークと知識体系

・対応した各種研修を受けることで受験可能

ITIL4マスター ・ITILの最上位資格

・ITIL MPとITIL SL、ITIL PMのすべての認定取得が必要

引用元:https://peoplecert.jp/ITIL4_main.html

画像引用:ITIL®4 | PeopleCert

上記のように、エキスパートクラスの資格を取得する場合、いくつかの認定試験や研修を受ける必要があります。はじめてITIL認定試験を受ける方は、すべての資格の土台となる「ITIL4ファンデーション」の取得を目指しましょう。

 

「ITIL V3」と「ITIL 4」の違い

現在、ITIL認定試験として「ITIL V3」と「ITIL 4」の2種類が存在していますが、この2つのおもなリリース時期と基本概念です。

「ITIL V3」は2007年にリリースされ、2011年に改善が施された旧バージョンであり、以下の5つのフェーズで内容がまとめられています。

  • サービス戦略
  • サービス設計
  • サービス提供・移行
  • サービス運用
  • 継続的サービス改善

ITIL V3では、5つのフェーズを繰り返し、回していく「サービスライフサイクル」の概念を中心に構成されています。

一方、2019年にリリースされた最新バージョン「ITIL 4」では「サービスバリューチェーン(SVC)」という概念がメインです。加えて、事業戦略に関係するより専門的な内容も出題されるため、エンジニア経験が浅い方だと、理解に苦しむ可能性があります。

そのため、ITサービスマネジメントの基礎的な部分を学びたい初心者の方は、あえて旧バージョンの「ITIL V3」を受験するのもよいでしょう。

ただし、2023年7月31日で「ITIL V3」の日本語バージョンは、配信終了予定と発表されているため、受験を希望する方は、早めの手続きをおすすめします。

 

ITILファンデーション試験の受験方法

ITILファンデーションの取得を検討している方に向けて、受験方法の詳細を解説します。

申し込み方法や開催日程、受験料など、受験するうえで知っておきたい情報をご紹介するのでご確認ください。

 

申し込み方法

ITILファンデーション試験を受ける際、以下の2社のどちらかで申し込み手続きを行うのが一般的です。

  • プロメトリック社
  • ピアソンVUE社

プロメトリック社では「ITIL V3」と「ITIL 4」の両方を受験可能です。

プロメトリック社を利用する場合は、公式ページから試験の予約を申請できます。申し込み手続きを行うにあたって、プロメトリックIDを取得する必要があるため、事前にアカウントを作成しておきましょう。

新規プロメトリックID取得ページはこちら

詳しい申し込み手順を確認しておきたい方は、プロメトリック受験予約手順 ピープルサート・プロメトリック受験用バウチャーをご確認ください。

画像引用:プロメトリック社での受験|PeopleCert

 

ピアソンVUE社を利用する場合は「ITIL V3」のみ受験可能です。プロメトリック社の場合と同様、申し込みの際、アカウント作成が必要なので、事前に手続きを済ませておきましょう。

ピアソンVUE社のアカウント作成はこちら

詳しい申し込み手順を確認しておきたい方は、ピープルサート・ピアソン VUE 受験ガイドをご確認ください。

 

受験料

ITILファンデーション試験の受験料は、受験する方法によって大きく異なります。例えば、プロメトリック社を利用してITILファンデーション試験を受ける場合の受験料は以下の通りです。

  • ITIL® Foundation Version 3 (Japanese):57,431円(税込) ※
  • ITIL® Foundation Version 4 (Japanese):67,793円(税込) ※

※2023年7月7日時点の情報です。

ただし「バウチャーチケット購入センター」で受験チケットを購入することで、最大20%の割引を受けられるため、お得に受験したい方は活用するのがおすすめです。

 

開催日程

ITILファンデーション試験は通年開催されているため、随時、受験者を募集しています。そのため、自分の都合のよいタイミングで受験可能です。

ただし、申し込み方法によって、予約できる期日は決まっています。

例えば、プロメトリック社の場合、試験日の60日前から最短で試験日の3営業日前まで予約手続きが可能です。また、試験日の29日前以降は、変更・キャンセルに手数料1,188円(税込)が発生します。

 

ITIL認定試験に関する有識者の意見・評価

ITIL認定試験の難易度や資格の有用性など、よりリアルな情報を知りたい方のために、有識者の意見・評価を集めました。

将来的な転職やキャリアアップに備えて、ITIL認定試験を受けるべきか検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

まとめ

受験者のITサービスマネジメント関連の知識の深さ、理解度を図るために実施される「ITIL認定試験」。ITサービスの提供や運用・管理に携わるエンジニアにとって、取得する価値の高い資格です。

ITIL認定資格は出題される内容や難易度によって、大きく6種類に分かれます。ただし、高難易度の試験を受けるには、基礎的な資格を取得していることが条件になるため、段階的に受験しなければなりません。

将来的にエキスパートクラスやマスタークラスの資格を取得するためにも、まずは基礎的な問題が出題されるITILファンデーションの取得を目指しましょう。

 

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